アパートやマンション、テナントの退去の際に賃借人が行う必要がある原状回復工事ですが、実は年々価格が上昇していっています。今回は、原状回復工事の価格高騰の原因について説明していきます。
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原状回復費用の値上がりの原因
原材料費の高騰
一般家庭の原状回復工事としては、クロスやタイルの張替え、床のフローリングの補修などを挙げることができ、これらの工事を行うには、新しいクロスやタイル、フローリング補修用の木材が必要になります。
クロスには、自然素材(木綿・麻など)と化学繊維(パルプ・ポリエステル・レーヨンなど)を絡み合わせて作られる不織布壁紙や塩化ビニール樹脂などを使用したビニールクロス、合成樹脂(ポリエチレン・ポリプロピレンなど)を主原料としたオレフィンクロスなどがありますが、クロスの原料やクロスそのものを海外から輸入していることが多いです。
その結果、原油価格の高騰やロシアへの経済制裁などの影響で、原料費が高騰しています。
また、フローリングで使用する木材に関しては、アメリカの住宅需要の急増と山火事により輸出される木材が減少したことで発生した世界的な木材不足(ウッドショック)の影響で、木材の価格が高騰しています。さらに、ロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁の対抗措置として、資材大国ロシアからの輸出が制限されて、ウッドショックに拍車がかかっています。
原油価格の高騰
先にも少し述べましたが、原油価格も高騰しています。とりわけロシアのウクライナ侵攻による影響が大きく、日本でもガソリン価格が高騰し、政府による料金調整策が施されたほどです。原油価格が高騰すれば、原状回復工事で必要な物資や人を運ぶ車や工事で使用する発電機に使われるガソリンの価格が高くなり、結果的に原状回復工事費用に添加されてしまいます。
また、原油価格の高騰は海外から運ばれてくる原材料の価格を高騰させる一つの要因となっています。
新型コロナウイルスの影響
長い間猛威を振るっていた新型コロナウイルス(COVID-19)ですが、ワクチンや抗ウイルス薬の開発により徐々に回復の道をたどっていますが、各商材の需要が以前にもまして高くなり、世界的に品薄状態を招いています。
この獲得競争の影響で原料の価格が高騰し、我々が使用する日用品の価格が高騰する事態が続いています。これは、原状回復工事で使用する工具などにも影響しており、工事で使用する機材の高騰も発生しています。
人件費の上昇
建設業界における人手不足は以前から問題視されており、それを解消するために外国人技能実習生の受入れや作業員の待遇改善、労働者の保護を目的とした法令の整備などが行われてきました。しかし、新型コロナウイルスの猛威により海外からの入国制限により外国人技能実習生の受入れが停滞したことや日本国内の働き方改革により、人材確保は今なお課題として残っています。
外国人技能実習生の受入れが再開されたとしても、昨今の原油価格の高騰に伴う航空運賃の値上がりや日本国内での物価や賃料の高騰により、実習生が生活していくことのできる環境を整備するのが企業にとって負担になってきています。
これらの上昇した費用は、工事費用に添加せざるを得ません。さらに、最低賃金も年々改訂され上昇してきていますので、更なる工事費用の高騰が見込まれます。
産業廃棄物処理費用の高騰
これまで産業廃棄物のうち資源ごみ(廃プラスチックや古紙、木材チップなど)に関しては、中国が輸入していましたが、2017年5月にこの輸入を段階的に停止することを発表し、多くの資源ごみを中国に輸出していた日本は、国内で処理せざるを得なくなり、処分場のキャパシティを大幅に超えてしまうという事態に陥りました。
さらに、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨などの自然災害で大量のがれきや廃材が発生すると通常の処分量に追加される形で廃棄物が増えるため、処理場をひっ迫する一因となっています。
廃棄物処理場を新設するという方法もありますが、処理場を新設するための土地の確保、近隣住民の説得、処理場で働く人員の確保、完成までにかなりの時間がかかるなどの問題が立ちはだかり、なかなか処理場を増やすという方法は取りにくくなっています。
原状回復費用値上がりへの対策
これまで、原状回復工事が高騰する原因を紹介してきましたが、この値上がりに対する対策は何かあるのでしょうか。
まずできる対策としてクロスの変更をオススメさせていただきます。クロスの性能は年々進化していますので、長期継続品指定のものを使用したり、耐用年数の長いもの、お手入れが簡単なものを使用したりすることが考えられます。
長期継続品指定のクロスとは、各メーカーが指定した期間中は絶対に廃盤にならないことを補償した商品で、この商品を使用している場合には、クロスの一部張替えが可能になります。こうすることで、クロスの全面張替えを行わなくて済みますので、原状回復費用を抑えることができます。
また、クロスの耐用年数は6年ほどが標準とされていますが、耐用年数が6年以上のものや、防汚加工が施されており簡単に汚れを落とすことができるものなどもあります。この場合クロスの単価は上がりますが、長期的に見れば安くなりますので、考えてみるのがいいかもしれません。
まとめ
ロシアのウクライナ侵攻はまだまだ収まる気配がありませんので、原油価格の高騰はしばらく続く可能性があります。それに伴い物価高なども継続していきますので、部屋をきれいに使うなどの日々の心がけも大事にしてみましょう。
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