店舗やオフィスの引っ越し、移転、改装などの際に、処分方法に悩むものの一つに業務用エアコンがあります。家庭用よりサイズが大きいため、どのように撤去するのか、再利用すべきか、また自力で外せるのか、それとも全て業者に頼むべきかなど悩むと思います。
そこで今回は、不要になった業務用エアコンの適切な撤去方法、費用などをご紹介いたします。
オフィス解約時の必要手続きに関しましては、こちらの記事でより詳しくご紹介しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
業務用エアコンの撤去費用
結論から申し上げると、業務用エアコンの撤去費用相場は、数千円から数十万円と非常に振り幅があり、一概にお答えすることが難しくなっています。
業務用エアコンは種類が非常に多く、設置方法や数も大きくことなります。さらに撤去だけでなく修理と再設置を行うのか、撤去したエアコンを処分するのか、再利用するのかなども費用に影響します。
そのため、早い段階で原状回復業者や解体業者に見積もってもらうことをおすすめします。ほとんどの業者が無料で見積もってくれます。もちろん、私たちウラシコにもお気軽にご相談ください!
業務用エアコンの種類
業務用エアコンはダクト型、壁掛け型、床置き型などさまざまな種類があります。店舗やオフィスでよく使用されているのは、天井埋め込みカセット型や天井吊るし型などです。また大規模なビルの場合だと、ガスヒートポンプエアコンなどのビル用マルチエアコンが導入されているケースが多いです。
これらの業務用エアコンは、家具・家電製品のように自治体の粗大ゴミとして捨てることができません。適切な方法で処分しないと、違法行為となってしまう場合もあります。
フロン排出抑制法(旧フロン回収・破壊法)について
2020年4月、環境省や経済産業省などにより法改正が行われ、業務用エアコン機器を廃棄する際、機器の使用者が「フロン類」を充填回収業者に引き渡すことが義務付けられました。
フロンとは、エアコンが室内の熱を屋外に送り出す際に冷媒として使っている物質です。しかしそのフロンが、太陽からの有害紫外線を防いでいるオゾン層を破壊してしまうことが示唆されました。
そのため、適切にフロンガスを回収できる産業廃棄物処理業者に業務用エアコンの処分を依頼することが義務化されました。
業務用エアコンの撤去の流れ
①委託確認書の作成
まず依頼者は、エアコンの販売業者や施工業者に「委託確認書」を提出します。これは業務用エアコンの廃棄にあたって、フロン類の回収を委託するために記入するものです。この書類は3年間の保存が義務付けられています。
②エアコン機器の撤去、フロンガスの回収
書類提出後、エアコン機器と配管の中を流れるフロンガスを回収します。撤去した機器は産業廃棄物として処分されます。
③充填回収業者へフロンガスの回収を依頼
次に、販売業者や施工業者がフロン類の充填回収業者へ依頼書に基づいた依頼を行います。その後、充填回収業者が販売業者や施工業者に「引取証明書」を提出します。
引取証明書に基づいたフロン類の回収を行った後、依頼者に直接「引取証明書」を提出するので、依頼者はこの書類を3年間保存することが環境省によって定められています。
業務用エアコンの撤去は個人でもできる?
結論から申し上げると、業務用エアコンを個人で撤去することができません。許可なく解体や廃棄を行うと法律違反になってしまいますので、必ず専門業者に依頼しましょう。
業務用エアコンは、家庭用エアコンとはことなり、産業廃棄物扱いとなります。そのため、家電リサイクル法とは異なる、「フロン回収・破壊法」に従って廃棄する必要があります。
業務用エアコン撤去は専門業者に依頼しましょう
不要になった業務用エアコンの適切な処分方法、費用などをご紹介いたしました。撤去費用はエアコンの設置場所や種類によってさまざまなので、業者に見積もりをとって十分話し合うことが大切です。
さらに、業務用エアコンの内部にはフロンガスが含まれているので、環境に配慮するためにも、産業廃棄物処理業者に相談して、適切な方法で処分するようにしましょう。自力で撤去しようとすると法律違反となってしまい、罰せられることもあります。必ず法律に従って、産業廃棄物処理業者に依頼するようにしましょう。
オフィスの原状回復は特に行程が多い作業です。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。