解体工事では騒音・振動・粉じんなどの問題で、近隣の住民とトラブルになったり、追加費用の請求や産業廃棄物の不法投棄といった解体業者に関するトラブルに巻き込まれたりするケースも多いです。
これらの問題は、事前にどういったトラブルが発生しやすいのか知っておくことで大分対応しやすくなるものです。そこで今回は、解体工事で起きやすいトラブルとその対処法、困ったときの相談先についてご紹介します!是非参考にしてみてください!
トラブル対処動画はYouTubeチャンネルでもご紹介しています!10分で分かりやすくまとめていますので、ぜひこちらもご参照ください。
目次
近隣住民とのトラブルと対処法
ここでは解体工事を行うにあたり、近隣住民の方とトラブルになりやすい事例をご紹介していきます。
騒音や振動に関するトラブル
解体工事ではどうしても騒音や振動が出るため、近隣に住む方に我慢を強いることになります。最近では騒音規制法や振動規制法といった法律により、作業で出していい音や振動の上限が定められ、作業が可能な時間帯についてもきちんと決められています。
しかしながら、日中家にいる方にとっては大きなストレスとなるので、事前にきちんと近隣挨拶をして理解を得ておくようにしましょう。
粉じんに関するトラブル
解体工事で出る粉じんは、隣家の住居や車、洗濯物への被害だけでなく、人体にも悪い影響を及ぼします。近隣の方からのクレームを避けるためにも、養生シートの設置や散水をしながら作業を行うことの徹底を業者側に周知しておくことが求められます。
作業員のマナーに関するトラブル
解体作業員による大声での会話や、タバコのポイ捨ては近隣住民の方にとって大きなストレスとなります。特に火の不始末は火事に繋がる心配があるので、こういった行為には施主の側でも目を光らせておく必要があります。
工事車両の路上駐車に関するトラブル
工事で使用する車両は家の敷地に停めることはできないので、基本的には路上駐車することになりますが、駐車場所によっては近隣の方の車を出しづらくさせたりして迷惑をかけることになります。業者にはコインパーキング等を利用してもらうなど事前の対策が必須となります。
隣家の損傷に関するトラブル
工事中に隣家の建物に傷をつけてしまったり、庭木を切ったりしてしまうことはありえないことではありません。この場合損害賠償が必要となりますが、業者が保険に入っていないと賠償することはできないので(その場合は施主に請求が来ます)、業者が保険に加入しているかについてしっかり確認しておきましょう。
隣家の敷地の無断使用に関するトラブル
解体工事で必要となる養生や足場のスペースが、自分の家の敷地内だけでは足りないことがあり、その場合は隣の家の方に事前に承諾をもらってスペースを借りることになります。隣家の方に知らせずに無断で隣家の敷地を使用してしまうと、不快な思いをさせるだけでなく、後々のトラブルにつながりますので気をつけましょう。
アスベストに関するトラブル
アスベストは人体へ有害な成分を含み、健康被害の事例も報告されています。アスベストを放置したまま工事に着手するような悪徳業者に依頼すると近隣住民の方へ健康被害を与える恐れがあるため、しっかり調査をして適切に対応してくれそうな業者に工事を依頼するようにしましょう。
解体業者とのトラブルと対処法
解体工事のトラブルは近隣の方だけに限られず、業者との間にもしばしば生じます。ここでは代表的なトラブルを挙げていきます。
解体業者との認識の不一致に関するトラブル
子どもの描いた絵や大事な庭木など、家族にとっては重要でも第三者にはその価値がわかりにくいものを、解体工事で処分されてしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
何を撤去し何を残すかについては、しっかりと書面に残して、解体業者と認識を一致させておくことが必要となります。
追加費用請求に関するトラブル
悪徳業者の中には、見積もりで安い金額を提示しておいて工事後に高額な追加費用を請求してくる業者もいます。追加費用は一切請求しないと約束してくれる業者もいるので、その場合は契約書の特約という形で証拠を残しておく方が無難です。
またかかる可能性のある追加費用について丁寧に説明してくれる業者を選んで工事を依頼するようにすることも大切です。
解体工事の工期遅延に関するトラブル
解体工事は計画通りに進むとは限らず、天候の影響などで予定の工期より遅れるということもありえます。ただし、解体業者側の都合で工事が遅れることもあり、その場合には適切な説明を求めましょう。もし説明を渋るようなら損害賠償請求も視野に入れて業者に対応を促しましょう。
廃材の不法投棄
優良な業者なら解体工事で出た廃材を適切に処理してくれますが、中には廃材の処理にかかる費用を浮かせようと不法投棄をする悪徳業者も存在します。不法投棄が明るみになれば、業者だけでなく施主も処分対象となることがあるので、こうした業者には十分注意しましょう。
取りうる手段としては、産業廃棄物の処理の流れを示したマニフェストという書類を発行してもらい、コピーをもらっておくのが良いでしょう。
解体工事トラブルの相談先
解体工事に際してはさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。そんな時どこに相談するべきか知っておくととても心強いです。ここでは代表的な相談先を挙げておきます。
相談先その➀:消費者センター
解体工事に関するトラブルにお困りの場合、まずは消費者センターに相談されると良いでしょう。相談料は原則無料で、専門家からトラブルを解決するための適切なアドバイスをもらえます。
弁護士を紹介されることもありますが、ここで解決できる事案も多いので、困ったら躊躇することなく相談してみましょう。ただし、消費者向けのため、企業の場合は対象外と答えられる場合があります。
相談先その②:弁護士
消費者センターだけでは問題が解決できない場合、弁護士に相談することになります。その際は、建設関係に詳しい弁護士を事前に調べて、そうした弁護士に依頼するようにするのがおすすめです。
数万円〜という高い費用がかかりますが、素人には理解しづらい法の知識を持っているので、解決への糸口がより見つかりやすくなります。法テラスの場合、初回相談が無料で対応していただけるのでおすすめです。
トラブルが起きることを予想しよう
解体工事で起こり得るトラブルやその対処法、相談先などをご紹介してきました。解体工事にはさまざまなトラブルが起きることが予想されるため、事前に知識をつけておくことで冷静に対処できるようになります。
またトラブルを防ぐには信頼できそうな業者に依頼するのが基本です。工事を任せることになった業者とは密にコミュニケーションを取ることでスムーズに工事を完了していきましょう!
私達にご依頼いただいた場合のお問い合わせから工事完了までの一連の流れについてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。