解体工事ではさまざまな産業廃棄物が出ます。その中に「コンクリートがら」というものがあります。
コンクリートがらは、他の産業廃棄物と混同されることもありますが、正しい処分方法が決められているのはご存じですか?
この記事では、コンクリートがらとはどんな産業廃棄物なのか、その処分方法と処分にかかる費用相場を紹介します。
目次
解体工事で出るコンクリートがらについて
解体工事で出るコンクリートがらとは一体どんなものなのでしょう?ここでは、コンクリートがらの詳細と間違いやすい産業廃棄物について紹介していきます。
コンクリートがらとは
コンクリートがらとは、建設現場や解体工事で出たコンクリートのがれきのことです。コンクリートがらは産業廃棄物としてはがれき類に分類され「コンがら」とも呼ばれています。
後ほど詳しく説明しますが、コンクリートがらのほとんどは再生利用されるため、資源としても資源としても役立てられています。
そのため、処理を適切に行わないと資源として使えません。コンクリートがらによっては処理費用がかさむ場合もあり、適切な仕分けや処理方法が必要です。
コンクリートがらと似た産業廃棄物「コンクリートくず」と「がら混じり残土」
コンクリートがらと似た産業廃棄物として「コンクリートくず」と「がら混じり残土」があります。
どちらもコンクリートがらと間違えられることが多いですが、コンクリートがらとは全くの別物です。
コンクリートくずは、コンクリート製品を作る工程で発生するコンクリートのくず。基本的に解体工事で発生することはありません。
一方、がら混じり残土は建設現場や解体工事で発生した、がれき類が混じった土を指します。
解体工事で発生したコンクリートがらの処分方法
コンクリートがらの処分方法は、ほとんどがリサイクルへ回ります。そのため、処分方法は再生利用するための行程が欠かせません。
コンクリートがらがどのように再生されていくのか、その行程を説明していきます。
9割以上が再生利用
コンクリートがらの9割以上がリサイクルとして利用されています。
その処分方法は以下の通りです。
- コンクリートがらを砕き、別品目に仕分け
- 粗く砕いたコンクリートがらを、さらに細かく粉砕
- 砕いたコンクリートがらにある金属の除去
- コンクリートがらの粒度を調整
- 調整したコンクリートがらからさらに金属類を除去
金属類が除去されたコンクリート柄は、再生砕石や再生骨材として利用。普段目にする道路の公共工事やコンクリート製品へと生まれ変わります。
1割弱は安定型最終処分場に埋め立て
残りの1割弱のコンクリートがらはリサイクルとして利用されず、安定型最終処分場にて埋め立てられます。
安定型最終処分用とは、有害な物質が発生せず安心して廃棄物を埋め立てる場所のこと。ここでは5品目(金属くず、廃プラスチック類、がれき類、ガラス陶磁器、ゴムくず)のみが埋め立てられます。
コンクリートがらの処分にかかる費用相場
気になるコンクリートがらの処分費用ですが、実はこれといった相場がないのが現状です。というのも、コンクリートがらにはさまざまな不純物が混じっています。不純物の量や種類によって、品目の仕分けの手間が変わってくるのが大きな理由です。
不純物の少ないコンクリートがらの場合、5,000円程度で済むこともあります。反対に不純物の多いコンクリートがらは10万円近くすることも。
目安としては、不純物の量や種類が少ないほど、処分費用も安価になると覚えておくといいでしょう。
コンクリートがらの処分は、必ず産業廃棄物処分業許可業の資格を持った業者に依頼してください。中には不法投棄する業者もあるため、業者選びには細心の注意を払いましょう。
またコンクリートがらの処分でネックとなるのが、処理費用が業者によって異なることです。地域の相場を知る上でも、価格を比較して選ぶようにしてください。
まとめ
解体工事で発生するコンクリートがらは、リサイクルの資材として重宝されています。
コンクリートがらの不純物によって費用相場に開きがあるので、不当な請求をされないためにも複数業者に見積もりをするのがおすすめです。
その際は、産業廃棄物処分業許可業の資格があるかも合わせて確認するようにしましょう。
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