セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップなどここ数年で一気に店舗数が増加し、飽和している状態です。道路の反対側に同じブランドのコンビニが立てられていたり、違うブランドのコンビニが隣り合っていたりする現象も発生しています。
かなりの店舗数があるので、競争により閉店になる店舗が多いのが現状です。今回は、コンビニオーナー向けにコンビニの原状回復について扱っていきます。
また、こちらのページでは実際に弊社が作成している見積書を掲載しています。チェックポイントも合わせてご紹介していますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
コンビニの原状回復工事の内容
コンビニの原状回復工事は、基本的にスケルトン解体を行うことになります。スケルトン解体とは、建物の基礎部分や柱・梁・外壁・屋根などの構造部分以外をすべて撤去してコンクリート打ちっぱなしの状態にする工事のことを指します。内装の一部にアスベストが使用されている場合には、アスベスト除去工事が必要になる可能性もあります。
基本的にはスケルトン工事になりますが、コンビニとして使用していた物件を、次は土産物などを販売する店舗や同じくコンビニに利用することが決まっている場合など、次に入居する人が決まっており、賃貸人との間で全ての内装を解体する必要がないという合意が得られれば、スケルトン工事まで行わなくてもよいということになります。
コンビニの原状回復工事の費用相場
コンビニの原状回復工事は、売り場に冷蔵庫や冷凍庫を多く設置していることもあり、床下に給排水の配管が設置してあるケースがほとんどのため、他の業種よりも単価が高い、1㎡あたり7,000円~(1坪当たり30,000円~)が相場となっています。もちろん、立地や内部の設備によっては、坪単価が変動しますので、あくまで目安として考えてください。
夜間工事、短期間での工事、アスベスト除去工事、駐車場がない場所での工事など諸々の事情がある場合には、追加費用が必要になりますので、見積もりの際に確認しておきましょう。
コンビニの原状回復工事の補助金・助成金
事業承継・引継ぎ補助金
コンビニの原状回復工事を行う場合に使用できる可能性がある補助金として、中小企業庁による「事業承継・引継ぎ補助金」があります。これは、事業の再編や、事業統合を含む経営者の交代を契機として経営革新などを行う事業者に対して、その経費の一部を補助するもので、要件を満たせば、店舗の解体工事費用に充てることも可能です。
各自治体の補助金
工事を行う建物が木造である場合などには、老朽危険家屋等解体撤去補助金制度など、自治体による補助金が出る場合があります。その他にも、利用できる補助金がある可能性もありますので、一度各自治体や商工会に問い合わせてみるのがいいでしょう。
コンビニの原状回復工事で注意すべきポイント
原状回復工事を行う際に注意すべき点を整理していきます。
原状回復工事の内容は賃貸人の意向と賃貸借契約書次第
居抜き(造作譲渡)で入居した場合でも、退去するときには同じく居抜きで退去できるとは限りません。賃貸人が賃借人の退去後、次回からは別の用途で使用させたいという意向を持っていた場合や、次に入居する人が、整骨院や選挙事務所など全く別の業態で使用するといった場合には、スケルトン工事が必要になります。
賃貸借契約書に原状回復工事の内容が記載されているため、基本的にはこれに従って工事の負担範囲が決まるものの、このように工事の内容が賃貸人の意向によって変更がある可能性があるため、工事前にきちんと確認しておく必要があります。
近隣挨拶は確実に行う
コンビニの原状回復でスケルトン工事を行う場合には、通常の工事と比べて騒音や振動が発生する可能性が高いです。ビルの1階に入居している場合や住宅地の中にある場合には周囲のオフィスや住宅に迷惑をかけることになることになります。近隣トラブルを極力避けるためにも、工事前の挨拶はきちんと行ってください。
工事実績の豊富な業者を選ぶ
コンビニの原状回復工事は、スケルトン解体や内装解体、場合によっては駐車場の解体・整地まで工事内容が多岐にわたることが考えられます。スケルトン工事はできるが、駐車場工事の経験はないなどの場合には、その工事だけ外注し結果的に費用が割高になってしまう可能性があります。
適正な料金で適切な工事を実現してくれる業者が理想だと思いますので、業者を選定する際には、依頼する工事経験の豊富なところを選ぶといいでしょう。
廃棄物の処分は確実に行う
原状回復工事を行う場合、造作譲渡(居抜き売却)を実施しなければ、建物内のものはすべて自身で撤去するか、解体業者などに処分してもらう必要があります。特に、業者に処分を依頼する場合には注意が必要です。
処分を依頼した業者が、不法投棄など不適切な処分方法をとっていた場合には、その業者だけでなく処分を依頼した側も罰せられる可能性があります。これを防ぐために、マニフェストの提出は必ず行ってもらい、きちんと確認するようにしてください。
まとめ
今回は、コンビニの原状回復工事について説明してきました。コンビニに限らず、事業で使用する物件はスケルトン解体が基本となっています。しかし、原状回復工事の内容は物件や契約内容によって異なりますので、退去が決まる際にどのような原状回復工事を行うべきなのかを、賃貸人としっかりと確認し、すり合わせを行ってください。
私達にご依頼いただいた場合のお問い合わせから工事完了までの一連の流れについてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。