みなさんは、「解体屋」という言葉を聞いたことがありますか?建物の建て替えや取り壊しなどの際に、工事を依頼する解体工事業者のことを「解体屋」と呼ぶことがあります。今回は解体屋の仕事内容について紹介していきます。
私達にご依頼いただいた場合のお問い合わせから工事完了までの一連の流れについてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
解体屋
解体屋とは?
解体屋とは、冒頭で述べたように「解体工事業者」のことを指します。一般住宅や高層ビル、マンションなど様々な建物の解体工事を請け負うのが解体屋の主な仕事になります。
建物には、木造や鉄骨、鉄筋コンクリートなど様々な構造があり、解体屋もそれぞれどの構造の解体が得意か、どのような工事の経験が豊富か様々です。そのため、自分が依頼しようとしている工事の経験が豊富な解体屋を選ぶことが重要です。
解体屋の歴史
解体屋の歴史は古く明治時代にまでさかのぼります。明治時代以前は、大工やとび職の人たちが解体も行っていましたが、明治初期ころに解体工事を専門に扱う解体屋が誕生したといわれています。
解体屋が誕生したころは、木造の建物が多く手作業で解体工事を行うことが多く、コンクリートもハンマーなどを駆使して手作業で解体していました。
昭和40年頃を過ぎると、鉄骨や鉄筋コンクリート造りの建物が増加していたこともあり、ショベルカーなどの重機やハンドブレーカーなどの工具を使用することが増え、機械での解体が多くなっていきました。
現代では、ワイヤーソーやウォータージェットなど最新の技術を駆使した解体が行われています。
解体屋の仕事
解体屋の仕事といっても、全員が現場で作業する現場職として働いているわけではなく、仕事をとってくる営業などの非現場職の人もいます。また、現場職の中でも保有している資格に応じて作業内容が変わってきます。
ここでは、解体屋で働く人の仕事内容について現場職と非現場職の2つに分けて紹介していきます。
解体屋の現場職
解体作業員
解体工と呼ばれることもありますが、手作業や工具を使用した解体を行っていくのが主な仕事で、解体工事現場で中心となって働くのが作業員であり、解体屋にとって欠かせない人たちです。
解体工事業者の仕事内容として一番イメージしやすいものではないでしょうか。現場監督の指示の下、工具などを利用して解体作業を進めていくことになりますが、最前線で働く人たちですのでその分危険も伴います。
オペレーター(重機運転手)
オペレーターとは、ショベルカーなどの重機を操縦して、壁や梁などの柱といった建物の構造部分の解体作業を進めていったり、解体した大きながれきや破片をトラックで運搬できるサイズまで粉砕したり、粉砕した廃棄物をトラックに積み込んだりするのが主な仕事です。
重機の種類によっては免許や資格が必要になり、工事現場によっては一定以上の実務経験や知識が必要になるため、誰でも行うことができるというものではありません。
作業員同様最前線で活躍する仕事ですが、操作一つで近くで作業している人を命の危機にさらしてしまう可能性がありますので、細心の注意を払って作業することが求められます。
ドライバー
解体現場では必ずガラと呼ばれる解体工事で出るゴミ(廃材)が発生しますので、このガラを処分場まで運搬する仕事が必要です。解体工事で発生したガラは産業廃棄物運搬の許可を持っている業者でなければ運搬できませんので、解体工事業者がこの許可を持っていなければ、運搬許可を持っている別業者に外注する必要があります。
鳶工(とび)
解体現場においては、「足場鳶」と呼ばれることが多い鳶工ですが、解体工事前の足場や養生、防音パネルの設置・撤去などを行うことが主な仕事です。
そのため、解体工事が始まってから足場や養生の撤去までの間、解体作業自体を行うことは少ないですが、防音・防塵のための養生を行うことは、近隣トラブルを防ぐために必要なものであり、工事を円滑に進めるためには不可欠です。
鳶工に関しては、会社ごとに雇用しているしていないが異なってきますので、現場単位で外注していることも多いです。
現場監督
現場監督とはその名の通り現場を指揮する役職で、解体工事のスケジュール管理を行ったり、各種関係先との連携、工事に関する施主との調整・交渉、現場作業員全体の安全管理など工事に関する管理のほか、近隣トラブルやクレームに対する対応などその仕事内容は多岐にわたります。
基本的には、数々の現場を経験してきていることが多いため、状況に応じて臨機応変に対応していきます。作業員の安全を確保しつつ、計画通りに期日までに作業を終わらせるための手腕が試される仕事です。
会社の規模によっては、後述の営業と兼任になることもあります。
解体屋の非現場職
営業
現場職の人たちが活躍するためには、解体する現場が必要になります。この解体工事現場を獲得するために動くのが営業の仕事です。具体的には、問い合わせ対応、見積作成、工事内容の説明、工期の調整など仕事を獲得するためにアプローチを続けるのが仕事です。
地方自治体や官公庁が行う公共工事の入札を行うことも重要な仕事です。顧客とのコミュニケーションをとるだけでなく、必要に応じて各種申請書や資料の作成が必要になりますので、対人スキルと事務処理能力の両方が求められます。
事務
どの会社でも共通ですが、総務や経理関係などの事務仕事をする人が必要です。会社の規模によっては、社長や部長といった役職の人が行っている場合もありますが、書類仕事も現場で働く人たちの努力を台無しにしないためにも重要です。
解体屋で働くには
ここまで解体工事業者の職種と仕事内容について説明してきましたが、解体屋になるにはどのような資格がいるのか、どのような人が向いているのかについて少し触れていきます。
解体屋で必要な資格
解体屋で働くにあたって必要な資格は特にありません。しいて言うならば、普通自動車の運転免許、大型車両の運転免許、ショベルカーなどの操縦資格や免許を保有していれば、働き始めてからいろいろと有利になります。
重機の操縦に関しては、「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」(3t未満の車両系建設機械の場合)や「車両系建設機械運転技能講習」(3t以上の車両系建設機械の場合)を受講すれば、一定の重機の操縦を行うことができるようになります(労働安全衛生法)。
また、労働安全衛生法第60条の2で、事業者はおおむね5年ごとに安全衛生教育を施す義務があるとされていますので、重機の操縦を行う従業員に対しては、使用する重機に関する再教育を行わなければなりません。
解体屋で必要な素養!
体力、筋力
就労に際して、特に資格や免許は必要ありませんが、工事現場の最前線で働くことになりますので、相応の体力と筋力が必要です。一般の仕事より休憩の数は多いですが、炎天下の中屋外での作業になりますので、かなり体力を使います。
また、安全確保のため真夏でも長袖の着用を行うことも多く、通常よりも暑くなりやすいので、かなりの体力が必要になります。また、重いものを運んだり支えたりしなければならないことも多い仕事ですので、筋力が重要になります。
チームワークを大事にできる
解体工事は基本的にチームで仕事を行うことになります。そのため、一人輪を乱す人がいれば、その分作業時の危険度が増し、また作業自体もスムーズに進めることが出来なくなります。チームで仕事をしているということを忘れずに仕事をしていくことができることが重要です。
メンタル力
解体工事現場という特性上、仕事中常に騒音、粉塵の中での仕事になりますので、それだけでもストレスですが、騒音の中的確に指示などを通すために、大声で叫ぶ場面も出てきます。
このような日常生活であればストレスを感じてしまう状況の中で仕事しなければならないため、ある程度のメンタルの強さが必要になります。
まとめ
今回は、解体屋の仕事内容と解体屋になるために必要なことを紹介してきました。ひとえに解体工事業者の仕事といっても、いろいろあることが分かったと思います。
現場で作業してくる人はもちろんですが、営業や事務など目立つところではないですが、現場作業員を支える大事な仕事を担っています。
解体工事といえば、きつくてつらい仕事だというイメージがありますが、給料がよかったり、残業が少なかったりと、働く環境的には整っています。また、手に職をつけられるという点では、将来安心できるということも考えられます。
解体工事業者にご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。