「解体工事を依頼しようと考えているけど、解体工事ができる時間帯って決まっているのかな」
「解体工事の騒音や振動のトラブルの対処法を知りたい」
このように、店舗や家の解体工事を依頼する際、解体工事ができる時間帯に疑問を持たれている方は、多いのではないでしょうか。この記事では、解体工事ができる時間帯から、夜間の騒音や振動のトラブルの対処までを詳しく解説していきます。
解体工事は、なにかとトラブルがつきもの。特に、解体工事ができる時間外の工事や騒音・振動といったトラブルが多いのが現状です。
解体工事が可能な時間や騒音・振動についてなにも知らないと、のちにトラブルに発展してしまう可能性があるでしょう。解体工事でのトラブルを防ぐためにも、この記事を確認チェックしてみてください。
また、万が一トラブルが起きてしまった際の相談先はこちらの記事でまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
目次
解体工事が許される時間とは?
解体工事は、重機を使用したり騒音や振動を引き起こす観点から、いつの時間帯でもおこなっていいわけではありません。
近隣住民に配慮した時間帯や、道路を通行止めにできる時間帯などを考慮しておこなう必要があります。解体工事ができる時間帯は以下のように定められています。
区域 | 工事可能な時間帯 | 工事の1日の作業時間 | 工事可能な日数 |
第1号区域(特定建設作業) | 午前7時〜午後7時 | 10時間以内 | 連続6日まで |
第2号区域(特定建設作業) | 午前6時〜午後10時 | 14時間以内 | 連続6日まで |
基本的に、第1号区域(第一種・二種低層住居専用地域、第一種・二種高層住居専用地域、第一種・二種住居地域、準住居地域、商業地域、準工業地域)は、住居が密集しており人通りが多い観点から、作業可能な時間帯が狭い範囲に限られています。
特に、夜間作業ができない点に関しては、第2号区域(工業地域、工業専用地域)と異なります。一方、第2号地域は午後10時までの解体工事ができるようになっており、夜の遅い時間まで解体工事が可能です。
また、1日の作業時間が第1号区域・第2号区域ともに決まっているため、工事可能な時間帯の最初から最後までずっと工事できるわけではありません。併せて、工事の可能日数も連続6日までと決まっているので、1週間の内に最低1日は休みの期間を設ける必要があります。
解体工事で道路を通行止めにできる時間とは?
解体工事で道路を通行止めにできる時間帯は、午前6時30分〜午後7時30分までです。第1号区域と照らし合わせると前後30分の猶予がありますが、準備と片付けの時間が含まれています。また、道路の通行止めができる最大の時間は11時間です。届け出は管轄の警察署に提出となります。
解体工事の騒音規制法とは?
騒音規制法は、「建設工事によって起こる相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行い、生活環境を保全し、国民の健康の保険に資することを目的とする」と定めています。
解体工事は、重機やくい打機などを使用するため、騒音を発生させることがしばしばあります。工事現場の近くの住人や会社などは、ストレスに感じることがあるでしょう。住民の生活を守るために騒音を規制したのが騒音規制法です。
騒音の基準とは?
騒音規制法では、85デシベル以下と定められています。デシベルは以下が目安になります。
- 70デシベル→セミの鳴き声など
- 80デシベル→救急車のサイレンなど
- 90デシベル→カラオケの店内など
基本的に85デシベルは超えてはなりません。しかし、場合によっては85デシベルを超えることもあるでしょう。一時的な騒音でのクレームは少ないですが、長い間続くとクレーム・トラブルに発展する可能性があります。解体工事中は、時々現場を訪れて騒音が大きすぎないか確認するといいでしょう。
騒音規制法の特定建設作業とは?
特定建設作業とは、解体工事の中で著しい騒音・振動を引き起こす作業のことを指します。特定建設作業に該当する重機などを使用する場合は、作業開始日の7日前までに各市町村に届け出を出す必要があります。※1日で終わる場合は届け出不要です。
特定建設作業は以下になります。
- くい打機、くい抜機を使用する場合
- びょう打機を使用する場合
- さく岩機を使用する場合
- 空気圧縮機を使用する場合
- コンクリートプラント、アスファルトプラントを設ける場合
- バックホウを使用する場合
- トラクターショベルを使用する場合
- ブルドーザーを使用する場合
上記に該当する作業を行う場合は、「特定建設作業実施届」「作業場付近の見取り図」「工事工程表」の提出が義務図けられているので注意が必要です。
解体工事の振動規制法とは?
振動規制法は、「建設工事によって引き起る振動について必要な規制をするとともに、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする」と定めています。重機などの使用で著しい振動を抑制するために制定されたと考えていいでしょう。
振動規制法では、敷地境界線において75デシベルを超えないようにと定めています。特定建設作業を行う場合は、75デシベルを超えないようにしまければなりません。
解体工事の騒音・振動のトラブル対処法
解体工事の騒音・振動のトラブルを対処する方法は、以下4つです。
- 近隣へのあいさつ回りを欠かさずおこなう
- 使用する養生を頑丈にする
- 工事のやり方を変える
- 時間外の工事はしない
上記4つを頭に入れて、解体工事のトラブルを未然に防ぎましょう。
近隣へのあいさつ回りを欠かさずおこなう
基本的に解体工事のあいさつ回りは解体工事業者がします。しかし、未然にトラブルを防ぐという意味では、業者と一緒に近隣にあいさつ回りをした方がいいでしょう。近隣あいさつの漏れを防ぐことができますし、信用度が高まります。
使用する養生を頑丈にする
解体工事に使用する養生の種類はさまざまです。飛散物を飛ばないようにするだけのものや騒音を抑える効果を持つものなどがあります。
養生を頑丈にするだけで、騒音をある程度抑えることができるというわけです。頑丈な養生を使用すると費用が高くなるので、依頼する段階に費用の確認をしておきましょう。
工事のやり方を変える
工事のやり方を変えることも騒音や振動を抑える一つの手段でしょう。たとえば、著しい騒音や振動を引き起こす特定建設作業に該当する重機を使用せず、他の作業機械に変えるなどです。
重機を使用しない分、人員を多く配置しなければなりません。解体費用が上がってしまう可能性があるので注意しましょう。
時間外の工事はしない
騒音規制法に定められている時間外に作業する解体業者も中には存在します。時間外の作業は、トラブルを引き起こしかねません。時間内に作業が終わっているかなどを都度確認しにいくといいでしょう。
まとめ
この記事では、解体工事ができる時間帯から、夜間の騒音や振動のトラブルの対処までを詳しく解説しました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 解体工事が許される時間は、騒音規制法によって定められている
- 道路を通行止めにできる時間は午前6時30分〜午後7時30分と定められている
- 住民の生活を守るために騒音を規制したのが騒音規制法
- 住民の生活を守るために振動を規制したのが振動規制法
- 騒音規制法の特定建設作業に該当するものを使用する場合は、各市町村に届け出を出さなければならない
- トラブルを防ぐためには、近隣へのあいさつ回りをおこない、使用する養生を防音効果のあるものにする
解体工事ができる時間は決まっていますが、騒音・振動を巡るトラブルは時間内であっても起こります。事前に対策を取る必要があるでしょう。上記のポイントをチェックして、解体工事の時間や騒音、振動でトラブルを引き起こさないようにしましょう。
内装解体業者を選ぶポイントにつきましてはこちらの記事で詳しくまとめています。是非こちらも合わせてご参照ください。