今回は、オフィス退去時の家具やOA機器取り扱いについてお話ししていきます。オフィスには、机などの自社で購入した家具やPCや複合機などリースで使用しているOA機器があるかと思います。
実際に、退去の際にはどのような処理が必要になってくるのかを詳しく見ていきましょう。また、オフィスの原状回復は特に行程が多い作業です。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。
目次
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自社で購入した家具や機器
まずは、自社で所有している物品の場合です。この場合、当然ながら、その家具や機器をどのように処理するかは、会社の判断となります。
オフィス移転で他の場所に移る場合には、移転場所にそのまま持っていく場合もあるでしょうし、古くなったから今ある分は処分して新たなものを購入する場合もあるでしょう。
そのまま持っていく場合は、引っ越し業者に持って行ってもらうだけですので簡単です。では、処分する場合には、どのような方法があるのでしょうか。
①粗大ごみとして処分する(廃棄する)
前述の通り、自社で所有している家具や機器については、会社の判断で処分してしまうことができます。
具体的には、各自治体の定めるルールにのっとって、粗大ごみなどで処分するか、不用品回収業者などに依頼して処分してもらう、引っ越しの際に引っ越し業者に引き取ってもらうなどの方法があります。
業者に依頼すると費用がかさむ可能性もあるので、自分たちで処理するのが一番費用を抑えることができますが、大型家具や精密機器などは搬出が大変だったり、自治体によっては粗大ごみとして回収していなかったりするので、その場合には業者に依頼するのが無難です。
私たちウラシコでも、オフィス機器や家具の回収処分を承っております。産業廃棄物収集運搬、古物商の資格を有しておりますので、安心安全に処分が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
②リサイクル業者に買取してもらう
①と似ていますが、リサイクル業者に買い取ってもらうことも考えられます。①はお金を払って処分するのに対して、この場合は逆にお金を受け取ることができます。
また、業者によっては回収なども無料でやってくれるところもあり、処分が楽になる可能性もあります。オフィス家具や機器専門の業者もありますので、一度検討してみる価値はあると思います。
一つ気を付けたいのが、買取業者の場合、電子機器などは10年以上前のものだと買い取ってもらえない可能性があるので注意が必要です。
③ (個人事務所などの場合)必要な知人に引き取ってもらう
個人で事務所を構えている場合、不要になったものを友人知人に引き取ってもらうことや買い取ってもらうこともできます。
これは、貰い手側の需要とマッチしなければいけないため、かなり難しいとは思いますが、不要になって捨てるくらいであれば、一度周りに聞いてみてもいいかもしれません。
オフィスで使用していたが、家庭で使用できるものもあるかもしれません。
リース・レンタルしている機器
次に、自社で購入したわけではなく、リースやレンタルで借用している機器についてです。まず、リースとレンタルの違いについて説明してから、処分方法について説明していきます。
リースとレンタルの違い
リースとは、リース会社が利用者の選定した機器を代わりに購入し、利用者に貸し出すことです。レンタルとは、レンタル会社が購入・保有している機器の中から利用者が使用を希望する機器を貸し出すことです。
どちらの場合でも、機器の所有権はリース・レンタル会社側にありますが、大きく違うのが、契約の途中解約する際の対応の違いです。
レンタルの場合、契約の途中解約が可能ですが、リースの場合は原則契約期間途中での解約ができず、どうしても解約する場合には、契約期間内に支払う予定であった料金(残債)を解約時に一括で支払わなければなりません。
これは、リース会計基準でフルペイアウトが条件として定められているためです。フルペイアウトとは、リース期間内の支払金額の合計が、契約対象の機器を購入するために必要な金額の90%以上であることで、不正に安く機器を入手しようとするリースの悪用を防止するために定められています。
以下では、リースとレンタルの主な違いを表示して表しています。
リース | レンタル | |
契約形態 | 非典型契約 | 典型契約 |
契約期間 | 原則、中長期 | 短期から長期まで幅広い |
機器の所有権 | リース会社 | レンタル会社 |
保守・修理 | 基本的には利用者
※オプションで保守契約も可 |
レンタル会社 |
期間終了後の機器の扱い | リース会社に返却、もしくは
再リース契約 |
レンタル会社に返却 |
途中解約 | 条件付きで可能 | 可能 |
利用料 | 基本的には一定
※利用料を変えることも可能 |
一定 |
機器の状態 | 新品 | 中古であることが多い |
リース、レンタルそれぞれに、メリット・デメリットがあるかと思います。それぞれ、使用する場面が異なってくるかと思いますので、ケースバイケースで、リースまたは、レンタルするのか、自身で購入するのかを検討してみてください。
リース・レンタルしている機器の返却
先にも述べましたが、リース・レンタルしている機器の所有権は、リース・レンタル元の会社にありますので、退去の際にそれ以上使用しないのであれば、返却しなければなりません。
機器の返却の際に、気を付けなければいけないことがいくつかありますので、紹介していきます。
途中解約可能かどうか
1つ目は、途中解約可能かどうかです。契約書に、途中解約の定めがない場合には、途中解約できないことがあります。また、途中解約の際には、返却時が契約期間内かどうかが重要です。
レンタル機器の場合には、契約期間内でも返却 (契約の解約) ができることが多いですが、契約書に違約金が発生する旨の記載がある場合には、支払い義務が発生します。リース機器の場合には、基本的に途中解約はできませんが、一定の条件を満たせば途中解約できることがあります。
先にも述べましたが、リース契約期間内の途中解約の場合には、残債 (残りの契約期間で支払予定のリース料)を清算しなければなりません。リース期間が残り少なく、残債もそれほど多くない場合にはいいかもしれませんが、残債がかなりある場合には、大きな負担になります。
さらに、契約書の内容次第では違約金も発生しますので、注意が必要です。途中解約の場合は、どちらの場合でも、一度リース・レンタル元の会社に確認してください。
返却時の費用負担先
2つ目は、返却時の費用負担先です。期間満了にしろ、途中返却にしろ、機器の返却には費用が発生する場合がほとんどです。多くの場合は、業者を手配して運んでもらうか、宅配便などで送ることになりますが、この費用を誰が負担するのでしょうか。
会社によって異なるとは思いますが、元払い(利用者負担)か着払い(機器の所有者負担)が考えられます。費用負担の問題もそうですが、返却の際に、運搬専門の業者や返却期日の指定などの条件も考えられますので、こちらもきちんと確認する必要があります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は、退去時のオフィス家具や機器の扱いについてお話ししてきました。この記事で、リースとレンタルの違いについて知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、余談にはなりますが、オフィスビルなどに入居している場合には、ビル独自で設置、配布している物品があるかもしれません。セキュリティカードや入館証なども返却しなければなりませんので、忘れずに行ってください。
オフィス解約時の必要手続きに関しましては、こちらの記事でより詳しくご紹介しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。