解体工事をしてもらう際に、万が一解体業者が不法投棄をしてしまった場合、自分にも責任があるのか、罰則はどのようになるのか気になる方いるでしょう。
今回はこれらの罰則や責任がどのようになるのかご紹介します。
産業廃棄物の種類については動画でも詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
不法投棄とは
解体作業により出た産業廃棄物は、一般家庭で出るゴミとは違い、ゴミを出した人が片付けなければいけません。
しかし、ゴミを片付けるためにはコストがかかります。それを嫌い、違う場所に捨てて来る行為や、埋めてくることをする業者がいますが、これは廃棄物を違法に捨てる行為になります。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律、つまり「廃棄物処理法」によると、「5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされています。
ちなみに、次のような違法に対して罰金が科せられます。
・廃棄物を不法に廃棄、焼却する。
・無許可で廃棄物処理の営業を行う。
・無許可業者に廃棄物処理の委託をする。
法人の場合、先ほどの懲役、罰金にさらに3億円以下の罰金も科せられます。
もし、業務改善命令が出されたにも関わらず、これに従わない場合には「3年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされています。
解体費用と不法投棄の関係
許可を持っている業者に頼むのはもちろんですが、それが必ず安全とは言い切れません。
悪質な業者は異様なほど安い解体費用で依頼をしてきます。廃棄物処分にはコストがかかります。そのコストを不法投棄により削減をすることにより、お得に見せかけて沢山の受注を受けようとする悪質な業者がいます。
この解体費用も相場を知らないと判断することは難しいです。インターネットで情報を集めることも可能ですが、確実なのは複数の解体業者に見積もりを出して、比較することです。
さらに、コピーでもいいので許可証を見せてもらうことも重要です。
施主にも不法投棄の責任があるかどうか
こちらの問題は多くの方が気にしているでしょう。解体工事では誰が「排出者責任」を負うのか、ということです。
解体してもらう物は発注者である施主の所有物なので、施主に責任があると多数の人が考えるでしょう。しかし、法律上では工事により廃棄物を発生させた解体業者が排出者責任を負うことになります。
したがって、もし解体業者が不法投棄をしたとしても、これらの罪が施主に来ることはないと解釈されており、施主が罪に問われる可能性は低いとされています。
しかし、不法投棄と知りながら仕事を発注した場合は例外が生じます。
「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」つまり「建設リサイクル法」では、施主に対して事前に解体工事の実行を届け出ることを義務付けられています。
もし届け出をしていなかったり、偽りの届け出をすると「20万円以下の罰金」が科せられることになります。
産廃を正しい処分を行う解体業者の見極め方
不法投棄をされてはもちろん困ります。では、どのようにして正しい処分をしてくれる解体業者を探せばよいのか。
それは、マニフェスト制度です。
マニフェストというのは、産業廃棄物が正しく処理されたか確認をするための産業廃棄物管理票になります。
こちらは誰がどこで、廃棄物をどのように処理したかを全て記録します。これらは排出事業者である元請業者には、作成および保管する義務が定められています。
業者を探しているときは、こちらのマニフェストも見せてもらうようにしましょう。
まとめ
不法投棄は依頼主が知りながらしない限りは自身が罪に問われることはあまりありません。
ですが、中には悪質な手口で責任を押し付けてくる業者もいる可能性がありますので、気を付けて依頼をするようにしましょう。
産業廃棄物とマニフェストの関係は、こちらの記事でより詳しく解説しています。解体工事を依頼される際は、必ず理解しておきましょう。