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【入居時に確認を!】店舗テナントやオフィスの原状回復で余計なトラブルを未然に防ぐために必要なこと

原状回復後工事が終了したコンビニエンスストアの店舗

退去予告期間や退去予告通知に関するトラブル

店舗テナントやオフィスでの原状回復は、退去予告期間や退去予告通知に関するトラブル、原状回復工事の費用に関するトラブル、返還敷金に関するトラブルなどが頻繁に起こります。

国土交通省から原状回復に関するガイドラインが発表されていますが、賃料が市場家賃程度の民間賃貸住宅を想定して作られたものなので、必ずしも店舗テナントやオフィスにも適用されるかというと、そういうわけではありません。

そこで今回の記事では、店舗テナントやオフィスにおける原状回復でのトラブルを未然に防ぐために必要なことをご紹介します。

店舗テナントやオフィスの原状回復で起こりうるトラブル

原状回復をめぐるトラブルの大きな原因として、入居時や退去時における物件の確認が不十分であることが多くあります。

1.原状回復にかかる費用の相場を知らないために交渉がうまく進まない

借りる側が原状回復費用の相場を知らないことが多くあります。相場を知らないまま交渉を進めても、提示された金額が妥当なのかどうか判断することができません。そのため、交渉がうまく進まずトラブルになってしまうケースがあります。

2.工事を行う時間帯によって作業費用が高くなる

工事の時間帯も原状回復においてトラブルになりやすい問題です。夜間工事は、日中の工事よりも費用が高くつきます。そのため、借りた側は余分に費用の請求をされたと考えてしまいがちです。テナントが商業施設内など、昼の時間に止む終えず工事ができない理由がなければ、交渉することは可能です。

3.備品の原状回復について

退去するにあたり、新品にするように指示があった、備品を新品に換えるための費用などといった請求がトラブルに発展することもあります。

入居時、壁紙が新品ではなかったのに退去時にはすべて新品に交換するように言われたり、1ヶ月前に電球を交換したばかりなのに、新品に交換するように言われたという事例もあります。そのため、カーペットやクロス代なども負担しなければならないのか、事前に確認する必要があります。

4.入居時からあった傷も負担するのか

中には、入居時からあった破損についての修理費用を請求されたりするトラブルもあります。前に借りていた人の作った傷や、前からあった汚れまで負担ということもよくあるようなので、備品の原状回復と同様、事前の打ち合わせが必要となります。

5.指定内装業者以外からの見積もり

内装業者が指定されている場合、原状回復費用が相場と比べて割高になっていることがあります。見積もりが高額すぎるにもかかわらず、内装業者が指定のため金額の交渉が不可能というトラブルもあります。特に長期の契約期間の間に貸主が変わっている場合は注意が必要です。

明らかに高額な場合は交渉をすることができる場合があります。まずは、ほかの数社から見積もりを出してもらい相場を確認してみましょう。

6.保証金とほぼ同額の原状回復費用の請求

敷金や保証金とほぼ同額の見積もりが出てくるというのは、とても不自然に感じます。工事業者が指定されている場合は見積もりもできず、トラブルになってしまうこともあります。

7.借り主が話し合いに応じてくれない

原状回復の責任範囲に関して借り主と話し合いをしようとしても、「法的手段にでる」の一点張りで取り合ってもらえないというトラブルもあります。

一般的な借り主の責任範囲外で賃貸契約にも記載されていないものの原状回復費用を負担しろと主張してくる貸主は意外と少なくありません。

店舗テナントやオフィスの原状回復について

テナントやオフィスの場合、入居時と全く同じ状態に戻さなくてはなりません。また、経年劣化や破損の修理する必要があります。もし、新品状態で借りたのならば、新品状態に戻してから返します。基本的に原状回復費用は借主が全て負担します。

しかし、例外として居抜き物件で退去する場合のみ、原状回復工事は必要がありません。居抜き物件とは、前の借主の内装や設備、家具などをそのまま残した状態で次の入借主が入居することを言います。

次のテナントも同じような業態で営業するなら、次の借主も内装工事や設備、家具などを用意をしなくて済むので、少ない開業資金で開店することができます。

また、居抜き物件はテナントのオーナーにとっても、原状回復工事の期間を空けずに次の入居者に貸し出せるという利点もあります。なお、居抜き物件の原状回復に関してこちらで詳しく解説しております。こちらも併せてご参照ください。

原状回復でのトラブルを防ぐポイント

原状回復工事の範囲や例外などの詳細は、賃貸契約書に細かく明記されています。退去時のトラブルを防ぐためには、まず契約時の契約書の記載をしっかり確認しておくことからはじめましょう。

退去予告期間や予告方法、原状回復義務の有無や範囲、敷金に対して償却があるかどうかなども合わせて確認しておきましょう。

契約内容を確認する

まず初めに契約時に一通り目を通してチェックしておくとスムーズです。そうすることで、もしトラブルが起こってしまった場合でも、まずは契約書にて契約内容を確認することができます。

賃貸契約では特に特約には注意が必要です。特約とは、一般的な契約条件とは異なる利益を伴う契約のことです。特約の内容は、公序良俗または強行規定に反するものでなければ、貸主が自由に決められます。

よくある特約は「楽器の演奏不可」「鍵交換の費用は借り主が負担」といったものです。これらは一般的な特約ですが、悪質なものでは「退去時には指定業者のオフィスクリーニングを入れる」「退去時にはフロアを全て張り替える」などといったものまであります。

賃貸契約時にこのようなものを見落としてしまうと、後々高額な退去費用を請求されてしまうこともあります。賃貸契約書はよく確認しましょう。

チェックリストの作成

入居時に退去時のことまで考えるのは難しいことと思います。店舗テナントやオフィスとなると借りている期間が長くなるため、損耗の箇所、傷の発生の時期など事実関係の有無などをめぐってトラブルになりやすい傾向があります。

トラブルを未然に防止するためには入居時と退去時にチェックリストを作成し、部位ごとの損耗の状況や原状回復の内容について、テナントやビルのオーナーも立会いのうえ一緒に確認することが有効です。

この場合、損耗の箇所や程度についてより分かりやすく、当事者間の認識の差を少なくするために、具体的な損耗の箇所や程度といった物件の状況を平面図に記入したり写真を撮るなどをして残しておくことも重要です。

こうしたチェックリストは、後日トラブルとなり訴訟になってしまった場合にも証拠資料となるため、迅速な解決のためにも作成することをおすすめします。

チェックリストの内容

チェックリストに記載しておいた方がよい内容の一例をご紹介します。

1.賃借人の負担割合の確認

修繕する範囲の箇所や面積、修繕する施工の方法、賃借人の負担割合などを決めておくとよいでしょう。

2.経過年数を考慮するものと考慮しないものについて

考慮するものに関しては賃貸人と賃借人の負担割合を事前に決めておきます。また、考慮しないものに関しては消耗品が多いため賃借人が負担すると記載しておきましょう。

3.見積り費用の確認

指定業者の有無や、原状回復費用の見積りの算出の仕方を確認しましょう。

もし、原状回復トラブルが起こってしまったときには

トラブルと聞くと、マイナスなイメージしか浮かばないと思います。もしかすると、裁判などの法的手段が頭をよぎってしまうかもしれません。原状回復においては貸主との関係が悪くなってしまうと、話し合いや交渉が難しくなってしまいます。

トラブルになる前に原状回復の専門業者に相談するのが一番よいですが、トラブルが起きてしまった後でも、専門の業者に相談してみましょう

トラブルを深刻なものにしないためにも、プロから適切なアドバイスや対応を取れるよう指導してもらいましょう。また、私たちが知らないことも多いので、しっかりと専門的な知識は必要となります。

万が一トラブルが発生してしまった場合は、相談先こちらの記事でより詳しく解説しております。こちらも併せてご参照ください。

まとめ

テナント退去時のトラブルを防ぐために必要なことは、契約内容の事前確認からはじまります。その次のチェックリストの作成です。双方でしっかりと話し合いが必要となります。

それでもトラブルになってしまった場合は、自分たちで解決させようとせず、まずは我々にでもお気軽にご相談ください。もしトラブルが起きてしまった際は、相談先をこちらの記事でまとめています。ぜひこちらも御確認下さい。

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