「オフィスの移転を考えているんだけど、どのような退去手順を踏んでいけばいいんだろう」
「オフィスの退去をする流れの中で気をつけるべきことはあるのかな」
このように、オフィスの移転や会社の廃業などで今のテナントから退去をする予定だけど、どのような手順で退去をすればいいのか迷われている、オーナーの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、オフィスの退去の手順から必要な手続き、退去する際に注意すべきポイントを詳しく解説していきます。オフィスの移転や会社の廃業で避けて通れないのが、今のテナントの退去に必要なさまざまな手続き。
押さえておかなければならない、退去時のポイントが多くあります。重要な部分を見落としてしまったり、忘れているとオフィスの退去がスムーズに進まない可能性が。オフィスの退去をスムーズに終わらせるためにも、要点を抑えておきましょう。
オフィス解約時の必要手続きに関しましては、こちらの記事でより詳しくご紹介しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
オフィス退去をする際に一番最初に確認すること
オフィスの退去をする際は、退去を考えている6ヶ月前までに、管理会社に連絡をして賃貸借契約書の確認をしましょう。賃貸借契約書の中で必ず確認しておくべきポイントは以下4つです。
- 原状回復工事の指定業者があるか
- 原状回復の指定範囲
- 解約予告期間はどのくらいか
- 敷金・保証金の返却時期
上記のポイントは、オフィス退去時にかかる原状回復の費用や期間を大きく左右するので、詳しくみていきましょう。
原状回復工事の指定業者があるか
基本的にテナントの原状回復の業者は、テナントのオーナーによって指定されている場合が多いです。なぜかというと、テナントの構造を熟知している業者に、原状回復の工事を任せるのが最適だからです。
しかし、中には原状回復工事の指定業者がないテナントもあります。業者の指定がされていな場合は、借主側が業者を探さなければなりません。賃貸借契約書の原状回復項目を確認して、指定業者があるのかないのかをしっかりと確認しておきましょう。
原状回復の指定範囲
どこまでの原状回復が求められるのかも必ず確認しなければなりません。契約の内容によって、原状回復の範囲はさまざまです。電気などの設備機器や壁紙などを残す場合もあれば、設備機器なども全て取り払った、スケルトン状態にする場合もあります。
特に注意すべきなのが、居抜き物件のオフィスを借りた場合です。居抜き物件のオフィスは、退去時も居抜きのままで返却するとは限りません。契約によっては、スケルトン状態で返す必要があります。
賃貸借契約書に記載されている原状回復の範囲に従って、原状回復をすることが求められるので事前に把握しておきましょう。
解約予告期間はどのくらいか
オフィスの退去をする際には、事前にテナントのオーナーに対して退去する旨を伝える義務があります。テナントの空室期間を最小限に抑え、オーナーの収入を維持するためです。
一般的には、6ヶ月前に解約予告をする契約が結ばれていることが多いです。テナントによっては、2ヶ月や3ヶ月などさまざまな期間が定められているので、事前に確認して早めの報告をしましょう。
敷金・保証金の返却時期
敷金・保証金は、退去時にすぐ戻って来ないので注意しましょう。敷金・保証金は、「1ヶ月以内に」「3ヶ月以内に」など契約書に記載されている時期に返還されます。
新しいオフィスの敷金や保証金に、退去するテナントの敷金や保証金を充てることはできないので注意してください。
オフィス退去の手順
オフィスの退去は、これから紹介する5つの手順を踏んでいくとスムーズに進むでしょう。補足情報も併せて参考にしてみてください。
①テナントの解約通知を出す
オフィスの退去が決まった時点で、できるだけ早くテナントの解約の旨を、テナントのオーナーまたは管理会社に伝えましょう。解約予告期間が過ぎている場合は、テナントのオーナーか管理会社と賃料や違約金などの交渉をする必要があります。
②原状回復の業者の手配
原状回復の業者が指定されていな場合は、借主自身が業者を探して手配する必要があります。工事の期間や工事費用に焦点を当てて業者を選ぶといいでしょう。
工事の期間に関しては、工事の終了が退去ギリギリにならないように、ゆとりを持つようにしてください。費用は、原状回復の契約条件によってさまざまですが、原状回復の相場を参考にて考えるといいでしょう。
③原状回復工事
原状回復工事が終わった際に、契約で指定されている範囲の原状回復になっているのかを必ず確認しましょう。業者と借主の間で原状回復の範囲で相違があると、求めていない原状回復ややり残しがある場合があります。
テナントのオーナーとのトラブルを防ぐためにも、原状回復工事の終了後の確認を怠らないようにしてください。
④清掃・不用品処理など
原状回復工事が終わった後は、工事で出た産業廃棄物の処理やゴミ、ほこりを取って綺麗にする必要があります。産業非廃棄物の処理や清掃を借主がするのか、原状回復の業者にお願いするのかを業者を決める際にハッキリ決めておきましょう。
⑤テナントのオーナーと確認
原状回復工事が全て終了したら、テナントのオーナーか管理人に最終チェックをしてもらってください。原状回復の範囲で貸主と借主の間でトラブルになりやすいため、工事前にテナントのオーナーと原状回復の範囲の相違をなくしておきましょう。
オフィス退去の注意点
オフィスを退去する際には注意すべきポイントがあります。のちに後悔しないためにも確認しておいてください。
契約満了前の解約
物件を借りる際は、2年や3年など契約期間が決まっています。契約期間が満了する前に退去すると、違約金や残りの賃料を請求される可能性があります。契約書の特約などを確認し、契約満了前の解約について確認しておきましょう。
退去予告の取り消し
退去予告の取り消しは基本的にできないと民法で決められています。退去予告した後の撤回をする際は、貸主と交渉するしかないでしょう。退去予告の撤回をしないように、事前に移転や退去の予定を細かく決めて行動に移すようにしてください。
原状回復工事の費用
原状回復工事の費用は、業者をテナントのオーナーが指定する場合と借主が決める場合で、大きく差ができる可能性があります。テナントのオーナーが指定する場合は、費用の交渉ができないため、借主が決めるよりも原状回復工事の費用が高くなる傾向にあります。
原状回復の費用を抑えるのであれば、業者の選定を借主ができるようにする交渉をテナントのオーナーにしてみてください。指定業者との相見積もりはウラシコにお任せください!
まとめ
この記事では、オフィスの退去の手順から必要な手続き、退去する際に注意すべきポイントを詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 退去する6ヶ月前までに契約書の「原状回復の指定業者」「原状回復の指定範囲」「解約予告期間」「敷金・保証金の返却時期」を確認する
- 貸主と原状回復の範囲の相違がないように話し合いをしておく
- できるだけ早い退去予告をする
- 退去で貸主とトラブルを引き起こさないためにも余裕を持った工事の工期・期間の設定をする
- 原状回復工事後の清掃と産業廃棄物の処理を業者がするのか借主がするのかを決めておく
- 退去予告の取り消しは基本的にできないため移転などの予定を細かく決めた上でおこなう
- 原状回復費用を抑えるためにも業者指定ができるように貸主に交渉をする
オフィスの退去は考えているよりも大変な作業の連続でしょう。抜けや漏れがあると費用が余分にかかってしまったり、貸主とトラブルになってしまう可能性があります。オフィスの退去で不必要な出費や、トラブルを引き起こさないようにするためにも、上記のポイントを参考にしてくみてください。
また、優良な解体業者に見分け方に関しましては、こちらの記事一覧ページにてまとめております。こちらも合わせてご参照ください。