倉庫代わりにしたり、簡易的な部屋にしたりと便利なプレハブですが、プレハブが不要になった場合にはどうすればいいのかわからない方も多いと思います。今回はプレハブの解体方法とその費用相場について説明していきます。
2024年の空き家の解体費用の相場は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご確認ください。
【2024年版】空き家の解体費用相場はどれくらい?|費用削減のコツと相続問題など空き家撤去のポイントをまとめて解説します
目次
プレハブの解体工事費用
プレハブの本体工事費用は、材質によって変わってきます。料金の目安は以下のようになります。
材質 | 1坪当たりの費用 |
木造 | 2~4万円 |
鉄骨造 | 2.5~4.5万円 |
鉄骨コンクリート造 | 3~6万円 |
頑丈な造りになるほど工事や廃棄物の処分に手間がかかるため費用が高くなっています。
解体工事費用には他にも、産業廃棄物の運搬・処理費用、人件費、重機を使用する場合には重機の運搬費用などが別途必要になります。これらは、工事内容などによって変動するため一概に料金を出すことはできません。
また、詳しくは後述いたしますが、プレハブはその種類が多岐に渡るため、一概にも解体費用を提示することが難しくなっています。そのため、料金の目安を知るには、解体工事会社に問い合わせて確認することをおすすめします。もちろん私たちウラシコにもお気軽にご相談ください。
プレハブとは?
プレハブの定義
「プレハブ」と聞くと、工事現場などに設置してある仮設住宅のような簡易的なつくりの建物を想像する方が多いと思いますが、「プレハブ」とは「プレハブ工法」という建築工法のことで、プレハブ工法によって建てられた建物を一般的に「プレハブ」と呼んでいます。
「プレハブ工法」とは、建物の部材の一部またはすべてを工場で生産し、現場で組み立てる建築方式のことで、品質が安定しており組み立てるだけで利用できるのが特徴です。工場で組み立てたものを現場で組み立てるという点では、ユニットバスと共通点があります。
プレハブの種類
プレハブには使用されている建築部材によって木質系、鉄鋼系、コンクリート系、ユニット系の4つの種類に分かれます。それぞれの特徴を簡単に紹介していきます。
木質系
木質系は、柱・梁・壁など建物の主要部分に木材や木質系パネルを使用していることが特徴です。地震などの災害が起こった際に力を建物の面全体に分散させることができる一体構造で作られていることが多く、ゆがみや狂いが起きにくいのも特徴です。
鉄鋼系
鉄鋼系は鉄骨などの鋼材を使って建てられたプレハブで、一般的な建物と同じレベルの耐久性を備えていることが特徴です。工場で作られた部材をボルトで固定するだけのため、工期が短く、鋼材のコストが比較的安定していることが利点です。また、敷地への対応力も高いため、間取りの自由度も高いです。
コンクリート系
コンクリート系は、工場で生産されたコンクリートパネルを現場で組み立てたもので、工期は他のものに比べると長くなりますが、性能の高さは群を抜いています。耐火性や耐久性に優れ、他のタイプよりも耐用年数が長いことが一番の特徴です。
ユニット系
ユニット系は、鉄骨や木製の柱で箱型のフレームを作り、セラミック系の板で壁を作って箱型のユニットを作るものです。配管やキッチンセットなどの設備も工場で設置するため、品質が安定しており、工期もかなり短くなります。
プレハブの解体方法
プレハブの解体方法は、一般的な家屋と流れは同じです。基本的な流れは、①解体業者の選定、②事前準備、③プレハブの解体、④整地・後処理となります。以下で詳しく説明します。
①解体業者の選定
プレハブの解体が決まれば、まずは解体業者の選定を行います。また、設置したときの業者に相談するという方法もありますが、その業者がプレハブの解体を自社で行うのであれば、問題ありませんが、多くの場合別会社に解体作業を発注することになります。
そうすると、中間マージンが発生し解体業者に直接依頼した場合よりも費用が高くなりますので、注意が必要です。
見積もりを取る際に注意すること
まずは工事費用の相場を知るために、適正な値段で工事を依頼するために工事業者に見積もりを依頼してみてください。見積もりを出してもらう際には、電話などで説明して料金を出してもらうだけでなく、一度解体するプレハブや周辺を確認してもらってから見積りを出してもらうようにしてください。
場合によっては、工事後に追加料金を請求されてしまうこともありますので、現地調査は必須です。
安すぎる見積もりに注意すること
複数の業者に見積もりをとった際に、明らかに費用が安い業者があった場合に、その業者に依頼したいと思うかもしれませんが、いったん落ち着いて見積内容を確認してみてください。
見積書に工事内容の詳細が記載されていない場合には、詳細な見積もりを出してもらってから内容を精査してみてください。
費用が安すぎる場合には、本体工事の料金のみで廃棄物の運搬・廃棄費用などが含まれていなかったり、工事の際の養生費用が含まれていなかったりといった問題点が潜んでいるかもしれません。
②事前準備
工事業者を選定し、工事の日程が決まれば工事に向けた準備を行ってください。具体的な内容は工事業者から説明などがあると思いますが、一般的には、ライフラインの停止、プレハブ内部に置いてある家具などの撤去、配管や配線の撤去などがあります。
電気や水道、インターネットなどの配線が施されている場合には、工事前までに撤去しておく必要があります。これは、各自で電気会社や回線業者に依頼しなければなりませんので、工事の日程が決まればすぐに依頼して日程調整してください。
これらの準備が工事開始日に間に合わない場合、工事を行うことができないことも考えられますので、注意してください。
また、工事の際には重機や工具を使用して騒音や振動が発生する可能性がありますので、迷惑を欠けるかもしれない近隣の方には事前に工事の内容などを伝える近隣挨拶を行ってください。基本的には、工事業者が行ってくれますが、場合によっては依頼者も同行しましょう。
③プレハブの解体工事本番
工事前の準備が整えば実際に解体工事になります。先にも述べた通り、プレハブは工場で生産されたものを組み立てるものですので、解体も組み立てたものを外していくことで完了します。そのため、家屋の解体よりも作業が少なく、重機を使用しなくても解体できてしまう場合もあり、1日ほどで完了することが多いです。
④整地・後処理
プレハブの解体が完了すれば、廃材の片付けや整地作業になります。解体工事で発生したがれきなどの廃材は産業廃棄物として適切な方法で処分しなければなりません。
また、場合によってはプレハブ撤去後の土地がでこぼこになっていますので、ローラーで平らにするなど整地を行う必要があります。
プレハブ撤去後の使用方法が決まっており、整地方法を指定したい場合には、追加料金になる可能性もありますが、業者選定の際に相談してみてください。
プレハブ解体は自分でもできる?
プレハブは大きさにもよるとは思いますが、自身でも解体できるのではないかと思う方もいらっしゃるかと思います。
結論から言えば、自身で解体することもできますが、相応のリスクがあり何か起きてもすべて自己責任であることを把握しておいてください。
自分で解体するときには以下のような点に注意してください。
事前調査をきちんと行う
通常の工事の際にも必要になることですが、「解体するプレハブの面積が80㎡以上かどうか」、「アスベストが使用されていないかどうか」この2点は必ず確認する必要があります。
解体するプレハブの面積が80㎡以上の場合には、建設リサイクル法に基づいた届出をしなければなりません。
アスベストが使用されている場合には、専門の資格やノウハウを持っている業者出なければ工事を行うことができません。さらに、アスベスト除去工事を行う届出を関係各所にしなければなりません。もし違反した場合には、罰せられる可能性もありますので十分注意してください。
建物滅失登記を行う
プレハブが登記されている場合には、解体後1か月以内に建物滅失登記を行う必要があります。自身で行う場合には、窓口でやり方を確認したり家屋調査士に代行を依頼することもできます。
廃棄物の適切な処分
工事内容のところでも少し触れましたが、解体工事で発生した廃材は埋め立てたり、勝手に捨てたりすることができませんので、きちんと調べて処分するか、一般廃棄物処理業許可を有している業者に処分を依頼してください。
まとめ
今回は、プレハブの解体に関して説明してきました。工具を調達したり、事前調査や廃棄物の処分を依頼する場など自分でできないことも多くあるため、解体工事業者に依頼することをおすすめします。
私達にご依頼いただいた場合のお問い合わせから工事完了までの一連の流れについてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。