やむをえずご自身の飲食店を閉店しなくてはならなくなった方は多いのではないでしょうか。今では新型コロナウイルスの影響もあって、閉店することになった飲食店も増えています。
飲食店の閉店にはやらなければならない様々な手続きがあり、それに伴って相当な費用もかかります。この記事では閉店のための手続きやそれにかかる費用、費用相場についてお伝えしていきます。
また、こちらのページでは実際に弊社が作成している見積書を掲載しています。チェックポイントも合わせてご紹介していますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
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飲食店の閉店までにかかる費用の種類
飲食店を閉店しなくてはならなくなったとき、閉店費用について考えなくてはなりません。
飲食店については開業の際でも数百万以上、高額な立地の場合1千万以上かかりますが、閉店の場合も結構な費用がかかります。
解約予告期間分の賃料
営業を終了した場合であっても、解約通知後から解約までの3~6ヶ月間(契約内容により期間は異なる)は家賃を払い続ける必要があります。仮に家賃が50万円かかるのであれば、6ヶ月で300万円もかかる計算になります。
水道・光熱費、食材費など
水道・光熱費については営業終了後も退去するまでかかってしまう費用なので、費用を捻出する必要があります。だいたいどれくらいかかるのか見積もっておきましょう。
リース料
厨房機器等で、リース契約をしているものがあれば解約する必要があります。残りのリース期間や、中途解約違約金などがあればその金額なども確認する必要があります。
人件費
従業員を雇っている場合は、30日以上前に解雇予告をする必要があります。そのため、残りの労働日数が30日以内であったとしても30日に不足する平均賃金を支払わなければなりません。
設備道具の処分費
設備道具については産業廃棄物として扱われる可能性が高く、ものによっては処分費用がかかります。処分業者に頼んで処分することが多く、中には買取りが可能なものもあったりするため、調べておきましょう。
原状回復工事費
賃貸建物を返却する場合、原状回復工事が必要となるケースがほとんどです。建物の状態をきれいに戻し、設備などを撤去し、建物の骨組みだけを残す状態にする必要があります。
これを「スケルトン工事」と言います。面している道路の広さや建物の階数、建物の構造などによって費用は異なりますが、多額の資金がかかります。
費用相場については、下記の通りとなります。ただし、こちらの相場は大まかな相場となりますので、あくまで目安としてお控えください。
・約20坪の物件:1坪あたり約2~4万円
・約30坪の物件:1坪あたり約5~7万円
・約50坪の物件:1坪あたり約8~10万円
20坪程度の規模のお店でも最低でも約40万円~約80万円と高額な資金がかかってきます。自分の建物の構造や規模について再度確認をしておきましょう。
閉店を検討するときに確認すること
契約書の確認
閉店を決断する前に、必ず「賃貸借契約書」の内容を確認しましょう。後から思わぬトラブルが起こり余分な費用がかかってしまう可能性もあります。
特に確認が必要なのは原状回復についてです。原状回復とは、お店を退店する際の店舗内装や設備などを「契約時の状態に戻す」ことを指します。どの程度の原状回復が必要かどうかで費用は大きく変わります。
ほとんどの賃貸物件では原状回復をする義務があるので、退店までに内装や設備を撤去する必要があります。認識のズレによるトラブルも多いため、内容を確認し、打ち合わせをしましょう。
また、解約を通知する期限についても確認しておきます。多くの契約が「解約する3~6ヶ月前に報告」する必要があります。物件によっても異なりますが、忘れず確認しておきましょう。
スケジュールの確認
閉店に関して様々な費用がかかる上に、段取り良く完了するためにスケジュールを組むことが重要です。特に「いつ解約予告をするのか」、「いつまで営業を行うのか」を決めるようにしましょう。
上記2点の予定によって、必要な期間や費用も変わってきます。無駄な時間や費用がかからないためにも効率的に進めましょう。
閉店時の注意点
保証金返金を頼りにしないこと
店舗を賃貸借契約をした場合、預けていた保証金が解約時には返ってきます。保証金は必ずしも全額戻ってくるわけではなく、返金も解約後数ヶ月かかることが多いですので、その点も含めて資金繰りの計画を立てましょう。
閉店までのスタッフのケア
閉店が決まったことをスタッフに伝えた場合、閉店までの間のスタッフのモチベーションのケアが必要です。おそらくスタッフは次の就業先を探しながら働くことになるかとは思いますが、閉店までに途中で辞めてしまう可能性も考えられます。
また、仕事に影響が出てサービスの質が低下してしまうこともあり得ますので、日頃から信頼関係に気を配っておきましょう。
借入残高やリース残高の確認
閉店時に借入残高がいくら残っているのか、また厨房機器などのリースがあればその残債はいくら残っているのかなどを把握しておく必要があります。
銀行や公庫から借入した場合、金銭消費賃借契約締結時に月々の返済額と毎月の残額を記した書類が交付されます。その書面にて内容を確認しましょう。
もし無くしてしまった場合でも銀行や公庫に依頼すれば再発行が可能なので、覚えておきましょう。
まとめ
閉店時には様々な費用がかかってしまうことがお分かりいただけたと思います。閉店はただお店を閉めればいいわけではなく、手続きも様々です。「もっと早く知っておけばよかった」とならないように事前に把握しておきましょう。
あまり状況として良くないときかもしれませんが、余計な資金を支払うことにならないためにも、スケジュールを立てて行動しましょう。
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