高低差のある土地の上に建物を建てるとき、擁壁(ようへき)と呼ばれる構造物を設けて建築することがあります。擁壁が老朽化して安全でないと判断した場合には、擁壁の解体・建て替えが必要となります。
本記事では擁壁の解体費用、撤去する方法を解体工事のプロが分かりやすく解説します。
また、こちらの記事では建築資材で建物の壁や床の下地材である石膏ボードについて詳しく解説をしています。ぜひ合わせてご参照ください。
目次
擁壁(ようへき)とは
擁壁とは簡単に説明すると、斜面の土を留めるための壁状の構造物のことを言います。高低差のある土地に建物を建てる時、高い土地に荷重や圧力がかかると斜面が崩れる可能性があります。その斜面の土を留めるためにつくられる壁状の構造物です。
擁壁(ようへき)の種類
擁壁にはいくつかの種類があり、素材や形状などそれぞれ異なります。素材としては鉄筋コンクリート造り、コンクリート造り、石造りなどがあります。
鉄筋コンクリート造り
最も多く使用されている素材が鉄筋コンクリートです。基礎部分を鉄筋で組みコンクリートで壁を作っていくという造りです。鉄筋を使用することで強度が上がり、安全面で安心できる素材です。
コンクリート造り
無筋コンクリート造りとも言われ、鉄筋コンクリート造りとは違って鉄筋で基礎部分を作っていません。重い材料で構築することで圧力に対抗する擁壁になっています。
石造り
石を積み上げて造られた擁壁のことです。石造りの中でも練積み式は、石を積み上げて間にはセメントやモルタルを流し込み、堅固に連結させる手法で擁壁を作っています。
一方、空積み式と言われる石造りは石を積み上げ、間にセメント等を流し込まない作りで擁壁の中で最も簡単な造りになります。
擁壁(ようへき)の解体費用
擁壁の解体費用はその構造や素材、大きさ立地などによって変わってきます。鉄筋コンクリートなどの強度が高い構造・素材の擁壁は、強度が高い分専撤去する費用も高くなります。
また、大きさはもちろん大きいほど費用が高くなります。立地に関しては道路の狭さや近隣の家との距離などが関わってきます。道路が狭いと工事の際に運搬車を停めるスペースがなくなり、工事道具などを運ぶための人件費が高くなり結果総費用が高くなります。
また、費用を抑える分離発注についてこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。
擁壁(ようへき)の撤去方法
擁壁の撤去する方法は、擁壁の種類によっていくつかの方法があります。それぞれの種類の撤去方法を以下解説します。
練積み式擁壁
練積み式とは、石やブロックを積み上げて作った擁壁のことを言います。練積み式は結合部分の強度が低いため下の方に圧力をかけると一気に壁が崩壊してしまう恐れがあります。そのため上の方からショベルカーなどで少しづつ解体していく必要があります。
コンクリートを使用した擁壁
コンクリートを使った擁壁には、「重力式擁壁」と「L型擁壁」があります。これらの擁壁は「バースター工法」と言って、油圧ブレーカーを使ってコンクリート擁壁を静的に打破します。
こういった壁は、壁の後ろの斜面から強い圧力がかかっていることが多いので、壁を破壊することで急に土砂崩れを起こさないように、斜面の土留めをしながら工事する必要があります。
擁壁(ようへき)を解体するタイミング
では擁壁を解体すべきタイミングとはどのような時なのでしょうか。
年数が経っている時
当然擁壁を建てて年数が経っていると、劣化してきてしまいますのでそのままにしておくと危険です。一般的にコンクリート擁壁の場合、耐用年数は30~50年です。耐用年数は擁壁の厚みや環境の違いによっても変わるので不安な時は早めに調査してもらいましょう。
擁壁を全て解体してやり替える必要がなくても、擁壁にヒビが入っている時などには補修・補強工事を行う必要があります。
建物の敷地スペースを広げたい時
所有している敷地をより広く活用したい時、擁壁を解体して広げることがあります。具体的には、擁壁の一部分を解体したり、削るなどししてその部分の土地を活用するという方法です。
敷地のスペースを広げるために擁壁の解体をする時は、解体後の安全面をしっかり考慮したうえで解体を行っても大丈夫かどうか判断しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。斜面の土を留めるための建築物である擁壁ですが、その解体方法や費用は種類によって変わってきます。擁壁を解体する時、するべきか悩んでいる方は専門知識をもった人に相談しましょう。
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また、優良な解体業者に見分け方に関しましては、こちらの記事一覧ページにてまとめております。こちらも合わせてご参照ください。