屋根リフォームや解体作業の一環として行われる「瓦降ろし」。老朽化した住宅や空き家の取り壊しや耐震性の向上を目的に、屋根の瓦を撤去する作業が必要になることがあります。
とはいえ、「瓦降ろしっていくらかかるの?」「自分でやっても大丈夫?」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
本日は瓦降ろしの基礎知識から費用相場、作業の流れ、業者選びのポイントまで、解体のプロがわかりやすく解説します。
目次
瓦降ろしとは
瓦降ろしとは、屋根に敷かれている瓦を一枚ずつ取り外して撤去する作業のことを指します。日本の伝統的な住宅では、瓦屋根が多く採用されており、老朽化や建て替え、リフォーム時にはこの瓦を撤去する必要があります。
瓦は重たく、屋根全体で見ると相当な重量になるため、地震などの際に建物に大きな負担をかける可能性も。そうした背景から、最近では瓦から軽量な屋根材に変更するケースも増えており、瓦降ろしのニーズも高まっています。
また、瓦の撤去は単なる解体作業にとどまらず、防水性の確認や下地材の劣化チェックにもつながる重要な工程です。屋根全体のメンテナンスや今後のリフォーム計画においても、避けては通れないステップといえます。
瓦降ろしは自分でできる?
「費用を抑えたいから、自分で瓦を降ろしたい」と考える方もいるかもしれませんが、基本的にはおすすめできません。なぜなら、瓦降ろしは高所作業であり、重労働かつ危険を伴うからです。
瓦一枚の重さは3〜4kg前後あり、屋根上で何百枚もの瓦を運び、下ろす作業は非常に過酷です。さらに、屋根の傾斜や天候の影響によって滑りやすくなるため、落下事故のリスクも高まります。
加えて、瓦を安全かつ効率的に下ろすには、専用の道具や足場の設置も必要となります。安全を優先するためにも瓦降ろしは、やはり解体業者やリフォーム専門業者に依頼するのが確実です。
瓦降ろしの費用相場
瓦降ろしにかかる費用は、屋根の面積や作業内容、瓦の種類によって変動しますが、一般的な相場としては以下の通りです。
瓦降ろしをする面積 | 費用相場 |
約1㎡ | 約2,000円〜5,000円 |
約55㎡〜65㎡ | 約110,000円~325,000円 |
30坪(約99㎡)の一般家屋の屋根は、勾配を考慮して約55〜65㎡の屋根面積があります。
上記金額には、瓦の撤去作業、足場の設置、瓦の処分費などが含まれていますが、業者によっては別途費用がかかるケースもあるため、見積もり時に詳細を確認することが重要です。
瓦降ろしの流れ
瓦降ろしは単純な作業のように見えますが、実は複数の工程を踏んで安全かつ丁寧に進める必要があります。ここでは、一般的な瓦降ろしの流れを紹介します。
①瓦の撤去をする
最初に行うのが、屋根にある瓦を一枚ずつ丁寧に取り外す作業です。職人が屋根の上に上がり、瓦を滑らせるようにして撤去していきます。この際、瓦が破損しないよう慎重に作業を行います。瓦を再利用する場合は特に丁寧な取り扱いが求められます。
②防水シートを撤去する
瓦の下には、防水シートが敷かれています。これも経年劣化している場合が多く、瓦を撤去する際に合わせて取り除きます。防水シートの状態によっては、雨漏りや構造体の腐食が発見されることもあり、補修や交換が必要になるケースもあります。
③屋根上の清掃をする
瓦と防水シートを取り除いた後は、屋根上に残ったゴミや釘などをしっかり清掃します。これにより、新しい屋根材の設置や下地の修復といった次の工事をスムーズに進められます。瓦降ろし後の作業にも影響を与えることから、手を抜けないステップの1つです。
瓦降ろしの業者選びのコツ
瓦降ろしは安全性と丁寧さが求められる作業のため、信頼できる業者に依頼することが大切です。業者選びで失敗しないために、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
実績があるか
瓦降ろし業者やリフォーム会社を選ぶ際にまず確認したいのが実績です。施工事例の数だけでなく、どのような施工内容で、どんな建物に対応してきたかがポイントになります。
自分が希望するリフォームや解体に近い事例があるかをチェックしましょう。公式サイトやパンフレット、SNSでの発信も参考になります。
また、創業年数や地域での活動履歴などから、その会社が地域密着で信頼を積み上げてきたかどうかも見えてきます。過去の実績が多いほど、技術やノウハウが蓄積されていることが多く、安心して任せられる材料になります。
口コミや評判が良いか
インターネット上の口コミや、実際にその会社で施工した人の評判も大切な判断材料です。GoogleマップやSNS、住宅系の口コミサイトなどを活用し、リアルな声を確認しましょう。
「対応が丁寧だった」「トラブルにも迅速に対応してくれた」など、スタッフの人柄やアフター対応についての評価は参考になります。逆に「説明が不十分だった」「費用が不明瞭だった」といったマイナスの声が多ければ、慎重に検討する必要があります。
実際の利用者の声は、会社の広告よりも信頼できる生の情報です。
見積もりに透明性があるか
瓦降ろしや瓦の処分を行うには、様々な工程を伴うため費用が高額になりがちです。そのため、見積もり内容が明確であるかを必ず確認しましょう。
内訳がざっくりしていたり、説明が不十分な見積もりだったりする場合は要注意です。「材料費」「工事費」「諸経費」などが細かく分かれており、それぞれの金額や内容が説明されるか確認しましょう。
追加費用の発生条件についても事前に確認しておくと、後のトラブルを防げます。信頼できる業者ほど、見積もりに納得がいくまで丁寧に説明してくれます。
保証やサポート体制が整っているか
瓦降ろしの工事は高所作業であり、屋根材の撤去にともなう破損や、周辺への飛散などのリスクも伴います。そのため、施工後の不具合や事故に備えた保証制度やサポート体制の有無は重要な確認ポイントです。
信頼できる業者であれば、工事中・工事後のトラブルに対して責任を持って対応してくれます。たとえば、万が一雨漏りが起きた場合の補修対応や、撤去後の仕上げに関するサポートなど、事前にしっかり説明してもらえる会社を選びましょう。
また、工事後でも気軽に相談できる窓口があるかどうかも安心材料になります。保証内容やサポートの範囲は、契約前に書面で確認しておくのがおすすめです。
コミュニケーションが円滑であるか
瓦降ろしの工事では、作業のタイミングや工期、騒音・ホコリなど近隣への配慮が必要なケースも多いため、業者とのコミュニケーションのしやすさは非常に重要です。
現地調査時や見積もり相談の際に、こちらの要望をしっかり聞き取り、わかりやすく説明してくれるかどうかを見極めましょう。
専門用語ばかりで話されても不安になります。しかし、丁寧で親身な対応があれば、安心して工事を任せられます。また、質問への返答スピードや柔軟な対応力も大切なポイントです。
工事中は足場の設置や騒音の発生もあるため、事前に丁寧な説明がある業者なら、近隣トラブルの防止にもつながります。信頼関係を築ける業者を選ぶことが、業者選びで失敗しないコツです。
まとめ
瓦降ろしは、見た目以上に専門性と安全性が求められる作業です。費用相場は1平方メートルあたり2,000〜5,000円が目安となります。高所作業のため、無理に自分で行うよりも、経験豊富な業者に依頼するのが安心です。
実績・評判・見積もりの透明性など、業者選びのポイントをしっかり押さえれば、トラブルなくスムーズに作業を進めることができるでしょう。屋根のリフォームや解体を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
私たちウラシコでも住宅の瓦降ろしで豊富な経験があります。愛知県内の瓦降ろし作業に関しましてはお気軽にお声がけください。