引っ越しシーズンに伴い、原状回復に関するトラブルのご相談を多くいただいています。これらのご相談は年々増えており、原状回復トラブルについて、国民生活センターが注意を呼び掛けるほどになっています。
参考:引っ越しシーズンに増加「原状回復」トラブルに注意 (2023年2月5日)
https://www.youtube.com/watch?v=iJ4cj2TahIw
退去や引っ越しの際に必要になる原状回復工事。実は、原状回復工事は非常にトラブルが多い工事です。トラブルを未然に防ぐ、トラブルの被害を最小限に抑えるためにも、対処法を学んでおきましょう。
目次
原状回復でトラブルが起きたときの相談窓口
まず最初に原状回復の相談に対応してくれる相談先をざっとご紹介いたします。実は、原状回復工事は非常にトラブルが多い工事もあります。
あまりにもトラブルが頻発するため、国交省が「原状回復回復ガイドライン」を制定するまでに至りました。自分で解決できないときは、専門の相談窓口に頼るのがいちばん。
どこに相談したらいいかわからない方は、まずはこちらに掲載している相談先に問い合わせてみてください。どの窓口も専門知識があるので、良いアドバイスをもらえます。
株式会社ウラシコ
私たち、株式会社ウラシコは愛知県名古屋市を拠点にしている原状回復の専門業者です。年間1500〜2000件以上の現場の原状回復工事を対応させて頂いております。
私たちのお客様は、物件オーナー様、不動産管理会社様、入居者様など様々です。私たちはお客様の立場、状況に関係なく、お客様に寄り添って対応させていただきます。
原状回復に関するご相談は無料で承っております。まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。
国民生活センター・消費者ホットライン
消費者ホットラインは、消費者生活センターが取り仕切っている窓口です。消費者全般のトラブル相談ができますので、気軽に利用できます。原状回復工事以外にも、管理会社や物件に関して困っていることは相談してみてください。
ただし、あくまで消費者(個人)向けの相談窓口になるため、店舗経営者、オフィスや事務所、事業主や企業の相談には対応していないのでご注意ください。
一般財団法人不動産適正取引推進機構
少し堅苦しい名前ですが、宅地建物取引士の国家資格を持っているスペシャリストが運営している会社です。不動産に関することならなんでも相談できるのが心強い味方です。消費生活センターからの依頼に応じて、不動産取引の紛争処理による調整や仲介も行っています。
弁護士(法テラス)
原状回復のトラブルは、弁護士に相談するのも一つの手です。弁護士に相談するなら、相談料が無料の「法テラス」を使ってみるのがおすすめです。法テラスは国が運営する相談窓口です。専門知識を持った弁護した対応してくれるので安心して利用できます。
原状回復のトラブル事例
まずは、過去にどのようなトラブルが発生していたのか、実際の事例を踏まえて紹介します。トラブルの実例を把握し、未然にトラブルを防ぎましょう。
トラブル事例①マンション退去時に経年劣化になった修繕費を原状回復工事費として請求された
実例
マンションの借主であるA様は、経年劣化であるはずの修繕費を、原状回復工事費として請求されました。本来であれば経年劣化に伴う修繕費は貸主側の負担です。
しかし、契約書には、経年劣化に伴う修繕費も契約者が支払うよう記載されていました。契約書を交わした時点で契約者も内容に合意したとされますが、本来は支払うべき費用ではないため裁判に持ち越されています。
解決策
原状回復とは、借りる前の状態に戻すことです。とはいえすべてを借りる前に戻すわけではありません。この事例は工事内容に関するトラブルです。契約時の特約を覆すことは難しく、最終的には裁判まで発展しています。
解決策としては、事前の話し合いで原状回復範囲をすり合わせてから工事に着手することです。工事をした後ではどちらかが必ず費用を支払わなければなりません。事前の相談を綿密に行い、双方が納得行く形で工事に着手するようにしましょう。
トラブル事例②オフィス退去時に借りる前からある通路の穴の工事も費用に盛り込まれていた
実例
オフィステナントを退去する際、原状回復工事費の見積もりを出してもらったところ、借りる前からある通路の穴の工事も費用に盛り込まれていました。
原状回復工事は入居前の状態に戻す工事のため、管理会社に内容の不備について伝えたが、管理会社は前は無かったと主張し口論になった。
解決策
2つ目の事例はとくに居抜き物件を借りられる際に注意したい例です。居抜き物件は一から内装工事をしなくていいため、初期費用を抑えられるのがメリットですが、入居前にテナントの状態をよく確認しておかなければなりません。
内見時に写真を撮る、知人以外の第三者に立ち会ってもらうなどで未然に防ぎましょう。また入居時に念の為、原状回復の工事範囲を特約で決めておくことも大切です。
トラブル事例③テナント退去時に貸主側から突然「入居前の状態ではなくスケルトンで戻してほしい」
実例
居抜き物件を借りた際、退去時には原状回復工事(スケルトンの指定なし)が条件であることを確認した借主。しかし、いざ退去する段階になると貸主側からクレームが来たそうです。
理由は「自分が満足できるような状態にしてほしい。スケルトンで戻してほしい」とのこと。居抜きでの引き渡しを指定していたにもかかわらず、これはおかしいということで、トラブルに発展したそうです。
解決策
次の事例もよくあるトラブルです。これは入居時の賃貸契約書を顔を合わせて確認しましょう。特約で、スケルトン引き渡しなどの義務が明記していない場合、借主側がスケルトン引き渡しをする義務はありません。
非常に単純な対応で解決する問題ですが、頻発するトラブルの一つです。
トラブル事例④オーナーや管理会社が決めた原状回復業者の見積もり金額が高すぎる
実例
原状回復工事は原則、貸主や管理会社が決めた施工会社が行います。ある借主は、その指定業者とは別に、ほかの施工会社にも見積もりをお願いしていました。
実際に指定業者からの見積もりを見てビックリ。想像を超える金額が見積もりに出されていたそうです。当然不服を申し立てるも貸主は指定業者で決められているの一点張り。
解決策
こちらも非常によくあるトラブルです。解決策としては周りに相談することと、原状回復工事を止めることです。入居時の特約で指定業者が決められている場合、それを覆すことはなかなか難しいのが現状です。
だからこそ、まずは周囲の相談窓口や原状回復工事業者に相談して解決策を模索しましょう。特に見積もりを出してもらい、不当に高額なことを証明できる証拠を揃えることが有効です。そのうえで、消費者センターや法テラスなどの相談窓口を用いながら交渉を進めましょう。
また、特約などで原状回復業者が指定されていない場合は、借主側で原状回復業者を探すことをおすすめします。優良な原状回復業者の見分け方はこちらの記事で解説しておりますので、合わせてご参照ください。
原状回復のトラブルを最小限に抑えるために
原状回復のトラブルは、いつ誰が起こってもおかしくありません。今回紹介した事例を踏まえながら、トラブルを未然に防ぎましょう。
株式会社ウラシコは原状回復・内装解体工事の専門業者で、トラブルが起こらない原状回復工事をモットーとしております。こちらの記事ではいくつかの相談先を掲載していますが、ぜひ私達にもお気軽にご相談ください。
原状回復に関するご相談、お見積もりは無料で対応させて頂いております。原状回復のプロがお悩み解決のお手伝いをいたします。
今回は私達が実際に対面したトラブルを事例を交えて紹介します。トラブルが起きた際の相談窓口も掲載しましたので、相談しやすい場所を利用しましょう。