
オフィスの移転や店舗の退去・閉店が決まり、引っ越し作業などで慌ただしい中、「原状回復工事の工期が退去日に間に合わないかもしれない」となった場合、何をすればいいのかわからず、さらに精神的に追い込まれてしまう可能性もあります。
原状回復工事の工期遅延は、高額な違約金や損害賠償問題に発展する可能性があるため、決して軽視できることではありません。
今回は、万が一原状回復が間に合わなかった場合に誰にどのような責任が発生するのか、そして賃借人の立場で今すぐ取るべき具体的な対処法を詳しく解説していきます。
期限が迫っている方、どうぞご安心ください。正しい対処を行えば万が一間に合わない場合でも、被害を最小限に抑えることができます。まずは落ち着いて、対処していきましょう。
テナントの原状回復費用の流れについてはこちらのYouTube動画でも解説しています!ぜひこちらもご覧ください。
目次
原状回復工事が期限に間に合わない!賃借人が取るべき具体的な対応
原状回復工事が予定通りに進まず、契約上の退去日(明け渡し日)に間に合わないという事態は、賃貸人にとっても賃借人にとっても非常に大きなリスクを伴います。
もし間に合わなかった場合、賃借人は賃貸人(オーナーや管理会社)に対する契約違反となり、重大な責任を負うことになります。
ここでは、工期が間に合わないことが判明した時点で、賃借人が賃貸人および工事業者に対して迅速に行うべき対応を説明していきます。
賃借人側→賃貸人への対応
まず大前提として、原状回復工事が遅れて明け渡しに間に合わない場合、その直接的な責任は賃借人が負うことになります。
賃貸人との間で「期日までに原状回復をして物件を明け渡す」という契約を結んでいるのは他でもない賃借人ですので、「工事業者の作業が遅れているから」という理由は賃貸人に対しての免責理由になりません。
工事が間に合わない場合、多くは賃貸借契約書に記載されている「明け渡し遅延損害金」(退去日を過ぎた場合のペナルティとして支払うお金)を請求されます。
これは、本来の賃料の1.5~2倍程度の金額に設定されていることが多く、日割り計算で請求されるため、遅れれば遅れるほど高額になります。
さらに、次の入居者が決まっていた場合、その入居者が予定通りに入居できなくなったことによる損害賠償まで請求される恐れがあります。このような事態を最小限に抑えるために、以下の対応を速やかに行ってください。
①できる限り早く状況を報告し、謝罪する
工期が間に合わない可能性が少しでも浮上した時点で、直ちに賃貸人または管理会社に連絡を入れてください。事後報告や期日ギリギリの連絡は多くの人に迷惑をかけますので、誠意を持って状況を説明することが第一歩です。
②正確な完了予定日を提示する
工事業者と急いで協議し、「いつなら確実に原状回復が完了し、明け渡しができるのか」という明確なスケジュールを提示します。不確実な日程を伝えて何度も遅延することは絶対に避けなければなりません。
ウラシコでは期間が迫った現場でも「工期厳守」を徹底しています。一度設定した工期は絶対に遅らせません!期間が迫った突貫工事が必要な現場でもお気軽にご相談ください。
③遅延損害金や違約金についての交渉を行う
契約書に基づき賠償金が発生するのは原則ですが、次の入居者の有無と事前の交渉次第では「通常の家賃の延長分のみでよい」など、賠償金が減額される可能性もあります。
賃借人側→工事業者への対応
賃貸人に対する責任は賃借人が負いますが、その遅延の原因が工事業者にある場合は、賃借人は工事業者に対して責任追及と損害賠償の請求を行う権利がありますので、以下の点を確認してください。
①遅延の明確な理由と責任の所在を確認する
なぜ工事が遅れているのか、その原因を確認します。天災や予期せぬ建物の構造上の問題といった不可抗力によるものであれば、業者の責任を問うのは難しくなります。
しかし、職人の手配ミスや資材の発注忘れ、スケジュール管理の甘さなど、業者側の落ち度が原因であれば、明確に業者の責任を追及できます。
②損害賠償請求の意思を伝える
業者の過失によって賃貸人から「明け渡し遅延損害金」を請求された場合、この賠償金や追加の賃料など、賃借人が被った実損額を工事業者に損害賠償として請求する旨を伝えます。
これを伝えることで、業者側も事態の深刻さを再認識し、人員を増やすなどして急ピッチで作業を進めてくれる可能性があります。
③工事請負契約書の内容を確認する
工事業者と交わした「工事請負契約書」に遅延損害金に関する条項が記載されているかを確認します。もし記載があれば、その条項に則って請求を行いますが、記載がない場合でも、民法に基づく債務不履行として損害賠償請求は可能です。
原状回復工事の遅れを防ぐための対策
原状回復工事の遅延は金銭的にも精神的にも大きなダメージをもたらします。このような最悪の事態を避けるためには、工事が始まる前、あるいは工事業者の手配段階から計画的に動くことが不可欠です。
事態を未然に防ぐために取りうる具体的な方法を、工事開始前と工事開始後の2つの段階に分けて説明していきます。
工事前に取りうる回避策
工事区分の確認と早期の行動を!
工事前に最も注意すべきは「誰が費用を出し、誰が業者を決めるか」です。原状回復工事の業者を借主が指定できる場合には、業者の選定から借主が実施しなければなりませんので、解約日の少なくとも2〜3ヶ月前には見積もり依頼を開始する必要があります。
借主が指定できない場合は、解約が決まった段階で指定業者に連絡を取り、工事スケジュールを決めていきましょう。
遅延損害金条項を盛り込んだ契約書の締結
工事業者と契約を結ぶ際、口約束だけで済ませることは絶対に避け、契約書の中には、必ず「工期遅延時の違約金・損害賠償の負担」に関する明確な条項を盛り込むようにしましょう。
着工前の入念な打ち合わせ
工事開始前までに、賃貸人も立ち会いの上、原状回復工事の詳細な内容を確認するようにしてください。工事範囲に認識にズレがあると、工事終盤になってやり直しが発生し、大幅な工期遅延の原因となりますので、事前に工事範囲を明確にしておいてください。
工事開始後に取りうる回避策
業者に工事を発注し契約を結んだからといって、丸投げにするのは危険です。借主も施主として積極的に関与することが工事の遅延防止に繋がります。
定期的な進捗報告の義務付け
工事期間中は、業者に対して定期的な進捗報告を依頼しましょう。予実報告に加え、写真付きのレポートを定期的に提出してもらうのが理想的です。現場の状況をリアルタイムで把握できれば、遅延の兆候が見えたとしても、早期に対応策を講じることができます。
ウラシコでは工事の進捗をLINE等でこまめに報告しております。必要な場合は現場スタッフが写真や動画を共有いたしますので、目で見て確認することができます。
原状回復が間に合わない場合の対応まとめ
原状回復工事が間に合わないという事態は、明け渡し遅延損害金が発生するだけでなく、賃貸人や次の入居者にも多大な迷惑をかける大きな問題です。
万が一遅れが発覚した場合には、直ちに賃貸人へ正直に報告し謝罪と交渉を行うとともに、過失のある工事業者には毅然とした態度で責任追及と損害賠償請求の意思を伝えることが重要です。
しかし、最も重要なのは「間に合わない事態を作らない」ことです。退去が決まったら一日でも早く行動を開始し、
- 余裕のある工程表を組める優良な業者の選定
- 遅延損害金を明記した契約の締結
- そして工事中の徹底した進捗管理を行いましょう。
原状回復は計画性とコミュニケーションが成功の鍵となります。余裕を持ったスケジュールで、トラブルのないスムーズな退去を目指してください。
愛知県内における原状回復工事や解体工事のことなら私たちウラシコにご相談ください。
原状回復工事の専門業者として経験豊富なスタッフがご相談から工事終了まで一貫して丁寧にサポートいたしますので、お気軽にご連絡ください。
皆様からのご連絡をお待ちしております。

