
店舗を構える前にオーナー様を悩ませる共通の難問。それは、壁を「塗装(ペイント)」にするか、「クロス(壁紙)」にするかという選択です。
今回は、名古屋を拠点に解体・原状回復から内装設計までを一貫して手がける株式会社ウラシコが、「塗装 vs クロス」のお悩みの正解をプロの視点で解説します。
名古屋のリアルな相場も参考にしつつ、失敗しない店舗づくりの参考になれば嬉しいです。
目次
内装は塗装とクロスどっちがいい?結論は「コンセプト」と「予算」
結論から申し上げますと、どちらかが絶対的に優れているということはありません。
大切なのは、「どのようなお店にしたいか(コンセプト)」と「いつまでその内装を使うか(ランニングコスト)」のバランスです。
- 塗装(ペイント)が向いているケース: 唯一無二の質感、高級感を出したい。ブランドの個性を強く打ち出し、数年で内装を変える予定がない店舗。
- クロス(壁紙)が向いているケース: 工期を極限まで短縮したい、初期費用を抑えたい、特定の柄(木目やレンガ、幾何学模様など)を手軽に取り入れたい店舗。
まずはこの基本を念頭に、それぞれの詳細なメリット・デメリットを深掘りしていきましょう。
塗装 vs クロスのメリット・デメリット
まずは素材としての特性を比較します。
塗装(ペイント)のメリット・デメリット
塗装の最大の魅力は、「質感のよさ」と「継ぎ目のない美しさ」です。
メリット
- 自由な色作り(調色): 既存のカラーチャートにない、お店だけのオリジナルカラーが作れます。企業カラーの再現も容易です。
- 重厚感と高級感: 光の当たり方で表情が変わる壁面は、空間の質を格段に引き上げます。近年では、無機質でモダンな印象を与える「モルタル調仕上げ」や、職人が手掛ける特殊塗装など、意匠性の高い仕上げが高級感を求める店舗で人気です。
- 補修のしやすさ: ちょっとした汚れや傷なら、同じ塗料で上から塗る「タッチアップ(部分補修)」が可能です。
デメリット
- 工期が長い: 塗る前の「下地処理(パテ埋めなど)」に時間がかかり、乾燥時間も必要です。
- 初期費用が高い: 職人の技術料が大きく反映されるため、クロスに比べて割高になります。
クロス(壁紙)のメリット・デメリット
最もポピュラーなのが、ビニールクロスを使用した壁紙仕上げです。
メリット
- 圧倒的なコスパとスピード: 材料費が安く施工も早いため、開店準備期間を短縮し、早期の収益化が期待できます。
- 多彩なデザイン: リアルなコンクリート調、木目、レンガ、ファブリック調など、印刷技術によるバリエーションが豊富です。
- 機能性: 消臭、抗菌、防汚加工に加え、防火性能を持つ製品もあります。消防法などの規制が厳しい店舗物件において、内装制限をクリアしやすい点は大きなメリットです。
デメリット
- 経年劣化: 5年〜10年で継ぎ目が目立ってきたり、端から剥がれてきたりします。
- 部分補修が困難: 一箇所破れると、その面すべてを張り替えないと色が合わない(色あせによる差が出る)ことが多いです。
店舗運営で気になる費用と工期(名古屋市参考)
ここでは、弊社ウラシコのある名古屋エリアの相場を参考に比較表を作成しました。都市部での店舗づくりの参考にしてください。
| 項目 | 塗装(一般的な水性塗料) | クロス(量産品) |
| 名古屋の平米単価(目安) | 2,500円 〜 5,000円 | 1,000円 〜 2,000円 |
| 工期(100㎡の場合) | 4日 〜 7日 | 2日 〜 3日 |
| メンテナンス | 汚れた部分のみ塗り重ね可能 | 全面張り替えが基本 |
| 耐用年数 | 15年以上(塗り替え推奨) | 5年 〜 10年 |
初期コストはクロスが優勢
単純な「安さ」だけで選べばクロスに軍配が上がります。壁面の下地がボコボコであれば、クロスでも塗装でも下地調整費が発生しますが、厚手のクロスであればある程度の凹凸を隠せてしまうというメリットがあります。
維持費(ランニングコスト)の視点は?
例えば、カフェなどで椅子が壁に当たって傷がついた場合、塗装ならオーナー様自身で少しタッチアップして直せます。
これにより、数年おきに発生する「クロスの全面張り替え費用(面積により数万〜数十万円)」という大きな支出を回避できるのは、経営上の大きな強みです。
クロスは剥がれを放置すると一気に劣化が進み、5年〜10年スパンで見ると塗装の方が美観を維持しやすいケースも少なくありません。
原状回復の視点で見る「塗装」と「クロス」の違い
一見すると、クロスは安く、塗装は高いという印象を持たれがちですが、実務では必ずしもそうとは限りません。
クロス張替えのコスト感と考え方
クロスの場合、張替えの単価は比較的分かりやすく、原状回復では以下のような考え方が一般的です。
- 量産クロスであれば㎡あたりの単価が低い
- 汚れや傷があれば「全面張替え」が前提になりやすい
- 部分補修はほとんど選択されない
そのため、「1面だけの汚れ」でも「部屋全体の張替え」になることが多く、範囲が広がりやすい=合計金額が読みにくいという側面があります。
一方で、契約書にクロス張替えの扱いが明記されているケースが多く、貸主・借主双方が金額に納得しやすいというメリットもあります。
塗装の塗り替えコスト感と考え方
塗装の場合、㎡単価だけを見るとクロスより高く見えることがあります。しかし、原状回復の現場では以下の点がポイントになります。
- 軽微な汚れであれば部分補修で済む可能性がある
- 下地が良好であれば、再塗装をしない判断もあり得る
- 全面塗り替えになると一気にコストが跳ね上がる
特に注意が必要なのは、「部分補修ができると思っていたが、結果的に全面になった」というケースです。
色ムラや経年変化の影響で、補修跡が目立つ場合は全面塗り替えの判断になり、想定より大きな費用が発生することがあります。
原状回復業者目線で伝えたい選び方のポイント
原状回復を見据えた選び方として重要なのは、以下の3点です。
- 短期利用なら、張替え前提でコストが読みやすいクロス
- 長期利用なら、補修対応が可能な塗装も選択肢になる
- 契約書に「原状回復範囲」を具体的に書けるか
特に店舗やオフィスでは、退去時の原状回復費用がトラブルになりやすいため、内装を決める段階で、張替え・塗り替えの考え方を共有しておくことが重要です。
原状回復業者としては、「仕上げを決めてから相談」ではなく、「仕上げを決める前に相談」していただく方が、結果的にコストを抑えやすいと感じています。
【新提案】張り替え不要?「マジカルウォール」という選択肢も!
「塗装の質感が欲しいけれど、費用も抑えたい。将来の張り替えの手間も省きたい…」 そんな声に答える画期的な第三の選択肢が、独自の染色技術を用いた「マジカルウォール」です。
これは、既存のクロスを剥がさず、その上から特殊な塗料を塗布することで、クロスを新品同様に再生させる施工方法です。
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- コストと時間を大幅カット: クロスを剥がす人件費や、産業廃棄物としての処分費用が一切かかりません。
- 驚きの機能性と安全性: この塗料には「抗菌」「消臭」「防カビ」効果が含まれており、施工後はタバコやペットの臭い、カビの発生を抑制します。ホルムアルデヒド等の有害物質を含まない「ノンVOC」仕様で、安全性にもこだわっています。
- 美しい仕上がり: クロス特有の凸凹(エンボス)を埋めることなく着色するため、張り替えたばかりのような自然な質感が蘇ります。
- 将来のメンテナンスも安心: 一般的なペンキと違い、壁紙をボードに固着させないため、数年後に「やっぱり別のクロスに張り替えたい」となった際も、通常通り剥がすことができます。廃材を出さない工法として注目されています。
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「居抜き物件を低コストでリフレッシュしたい」「短期間で店舗の印象をガラリと変えたい」という場合に、おすすめできる工法です。
店舗内装に迷ったらプロに相談
店舗の内装は、単なる「壁の色選び」ではありません。 集客力に直結するデザイン性、日々の掃除に関わる機能性、そして維持コスト。これらのバランスが重要です。
株式会社ウラシコは、名古屋を拠点に「作るプロ」であり「壊すプロ」でもあります。設計・施工から解体、原状回復までを一本化することで、作業コストや業者間のコミュニケーションコストを大幅に削減しています。
- 物件探しから内装デザインの相談をしたい
- 塗装とクロス、両方の見積もりを比較して納得して決めたい
- 退去時のコストを最小限に抑えた内装プランを立てたい
どんな小さなお悩みでも構いません。「まずは概算費用を知りたい」「物件の現状を見に来てほしい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

