アスベスト調査とは、取り壊し予定の建物がアスベスト(石綿)を含有しているか、含有している場合は、含有量や状態はどうかといった調査のことです。
とはいえ、実際にどんな方法でアスベスト調査を行うのか、どんな建物や工事が対象になるのかなど、よく分からないこともあると思います。
そこで今回は、アスベスト調査について詳しく解説していきます。建物の解体やリノベーションをご予定の場合には、必ずお役に立てる内容ですのでぜひ最後までご覧ください。
アスベスト調査についてはYouTubeでも紹介しています。お時間がある方はぜひこちらもご参照ください。
目次
アスベスト調査とは?
アスベスト調査とは、建物の解体やリノベーションの工事を開始する前に、建材にアスベストが含まれているか調査することです。
現在、一定の基準を満たした建物を解体・リンベーションする場合、アスベスト調査が法律によって義務付けられています。
そのためまずは、建物がアスベスト調査の義務となる条件を満たしているか確認する必要があります。
アスベスト調査の対象になる建物の条件
アスベスト調査の対象になるのは、以下のような条件に当てはまる建物を解体・リノベーションを行う場合です。
- 建物の解体工事:解体部分の延べ床面積が80㎡以上
- 建物のリノベーション工事:請負金額が税込み100万円以上
建物以外では、特定の工作物(請負金額が税込み100万円以上)と、鋼製の船舶(総トン数が20トン以上)の解体もしくはリノベーション工事が当てはまります。なお、以下のような条件の建物は、アスベスト調査の対象外になります。
- 床面積が80㎡未満
- 請負金額が100万円未満
たとえば、小規模な個人住宅やビルなどの解体・リノベーション工事は、アスベスト調査の対象外になる可能性があります。
アスベスト調査の目的
アスベスト調査の目的は、建物の解体・リノベーションでアスベストが飛散することによる健康被害を予防することです。
アスベスト調査によって、どこに・どれぐらい・どんな種類のアスベストが含まれているか把握できれば、解体・リノベーションの際に適切な対処ができます。
アスベストの健康被害は、吸引してから数十年後に現れることがあります。しかも、重大な健康被害であることが多く、最悪の場合、命を落とすことがあるほどです。
アスベスト調査は、建物の近隣住民のみならず、解体・リノベーションに関わるスタッフの健康を守るのに大変重要な役割があるといえます。
アスベスト調査の主な種類
アスベスト調査は、最近では主に「みなし判定」と「分析調査」の2種類を用います。ここでは、それぞれの主な特徴について詳しくご紹介しましょう。
みなし判定
みなし判定とは、解体もしくはリノベーションを行う建物に、アスベストが含まれていることを前提として、規定の除去作業や処理を行うことです。みなし判定では、アスベスト調査を行わないことが最大の特徴といえます。
メリット
- アスベスト調査にかかる時間と手間がかからない
- アスベスト調査の工程を省けるため、工期を短縮できる
- アスベスト調査にかかる費用を節約できる
デメリット
- 築年数が新しい建物はアスベストを含んでいる可能性が低いため、メリットがない
- アスベストを含まない場所もアスベスト対策が必要になる
- みなし調査を選択する場合でも、事前調査結果の報告義務がある
分析調査
分析調査とは、実際に建材のサンプルを採取し、アスベストが含まれているか調査する方法のことです。
分析調査は、建物の書面調査・図面調査・現地調査を行い、アスベストが含まれている可能性が高い部分を特定することから始めます。
次に、採取したサンプルを、偏光顕微鏡やX線回折装置などの専門機器を使用して測定するのです。
メリット
- アスベストの種類・含有量などを主な場所ごとに正確に把握できる
- アスベストが含まれている建物をを安全に解体・リノベーションできる
- アスベストを含まないことが判明した場所はアスベスト対策をしなくて済む
デメリット
- 調査にかかる時間を考えた工期の設定が必要不可欠
- 工期が短い場合は、完成予定日までに間に合わないことがある
- 分析調査を洗濯する場合でも、事前調査結果の報告義務がある
どちらの方法でも事前調査結果の報告が必要不可欠!
アスベスト調査では、みなし判定の分析調査のどちらを選択しても、事前調査結果の報告を行う必要があります。
もしも事前調査結果の報告を忘れてしまったり、意図的に行わなかったりすると、6か月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されることがあるため、注意が必要です。
事前調査結果の報告を行わないとアスベスト調査を行った意味がなくなってしまうので、十分に気を付けてください。
みなし判定と分析調査の特徴を理解して比較して選ぶ
アスベスト調査は、みなし判定と分析調査の特徴を理解し、よく比較して選ぶことが大切です。みなし判定と分析調査は、どちらにもメリット・デメリットがあり、絶対にこちらがよいとは断言できません。
そのため、信頼できる調査会社に相談して決めることがおすすめです。
なお、2023年10月以降、アスベスト調査は、厚生労働大臣指定の講習を受けた専門家が行うことが義務付けられています。この点も、アスベスト調査を依頼する際に、調査会社にきちんと確認しておきましょう。
アスベスト調査を調査会社に依頼するときのポイント
アスベスト調査は、信頼できる調査会社に依頼することが大切です。ここでは、依頼する前にどんなポイントを確認すべきか、具体的に見ていきましょう。
アスベスト調査で豊富な実績があるか確認する
まずは、アスベスト調査で豊富な実績がある調査会社か確認しましょう。実際にアスベスト調査を依頼された実績が豊富にあれば、信頼できると判断できます。
アスベスト調査を確実に行うには、高度な専門知識と経験が必要です。豊富に依頼された実績がある時点で、この点をクリアしているといえます。
現場視察や見積もりで対応のよさをチェックする
現場視察や見積もりを依頼すると、業者の対応のよさをチェックできます。信頼できる調査会社の多くは、無料もしくは低料金で現場視察や見積もりを行っているものです。
現場視察や見積もりだけでも、スタッフの手間と時間がかかります。そのため、調査会社の中には、少しでも利益を上げようと、高額な費用を請求してくることがあるため、注意してください。
調査会社とのやり取りで不明な点を残さない
アスベスト調査を依頼する際、調査会社とのやり取りで不明な点を残さないことが大切です。そのためにも、調査会社との円滑なコミュニケーションを心がけるようにしましょう。
建物の解体・リノベーションを安全に行うには、アスベスト調査をきちんと行うことが重要になります。不明な点があるときは、すぐに調査会社に連絡して説明を受けるべきです。
まとめ
アスベスト調査は、解体・リノベーションを予定している建物にアスベストが含まれているかどうかの調査です。
アスベストを吸引すると重大な健康被害を起こすことから、一定の条件を満たした建物の解体・リノベーションでは、アスベスト調査を行うことが基本になります。
なお、アスベスト調査は、アスベスト調査実績が豊富にあるなどさまざまなポイントをチェックし、信頼できると判断した調査会社に依頼しましょう。
私たちウラシコも、アスベスト調査で豊富な実績があり、多くの皆さんから大変ご好評をいただいています。まずは、お気軽にお問い合わせください。