コロナ禍の影響で閉業に追い込まれた店舗やテナントは、日に日に数を増しています。これから開業を検討されている方は、少しでも安い物件を契約したいと思っているのではないでしょうか?
そこで注目してもらいたいのが「居抜き物件」です。居抜き物件は、イチから店舗やテナントを作るよりも費用を安く抑えられます。とくにコロナ禍では居抜き物件が多くあるため、条件が合えば初期費用もあまりかかりません。
居抜き物件を契約するときに必要なのが、居抜き工事というものです。居抜き工事とはどういうものなのか、種類や流れとともに解説していきます。少しでもお得な物件を見つけたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
店舗やテナントの居抜き工事とは
居抜き物件とは、前の店主が使っていた設備や家具、什器などがそのまま残されている物件です。これから店舗やテナントを借りようという方はこれらを調達する必要がないため、初期費用を安く抑えられるメリットがあります。
とはいえ、以前使われていたままお店やテナントをオープンするのは、コンセプトやターゲットの違いからお店のイメージに合わないことが多々あります。そこで必要になるのが居抜き工事です。
居抜き物件はある程度、必要なものはそろっていますが、そのまま開店できるのはほんのわずか。多少なりとも工事が必要となります。
居抜き工事の種類と具体的な内容
それでは居抜き工事の種類にはどんなものがあるのか紹介していきます。考えられる工事は、以下に挙げる3つです。とくに内装工事やクリーニングは、必要な工事といってもいいでしょう。
外装工事
店舗やテナントの第一印象を決めるといっても過言ではない外装デザイン。居抜き物件では、外観を大きく変えて新しいお店をアピールすることが大切です。看板はもちろん、一目でコンセプトがわかるようなデザインを取り入れると、お客様への印象付けができるでしょう。
内装工事
居抜き物件でいちばん工事に時間を費やすのは内装工事です。内装デザインが前の店舗やテナントのままだと、イメージもそのまま受け継いでしまいます。外観同様、新しい店舗だということはアピールしなければいけません。
具体的には下記などが挙げられます。
- 壁紙や床の張り替え
- 照明器具の取替や設置
- トイレや洗面台の取替
機器や設備のメンテナンスやクリーニング
特に飲食店が注意してほしいのが、以前からある調理機器や厨房設備です。長年、調理機器や厨房を使っていると汚れはもちろん、劣化は避けられません。場合によっては内装工事と同時に、メンテナンスやクリーニングが必要になってきます。
あまりにも状態の悪いものであれば、新しく買い替えた方がいいことも。この場合は勝手に買い替えできませんので、契約時にしっかり確認しておきましょう。
こちらの記事では飲食店が閉店がしたときにやるべきことを詳しく解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。
居抜き工事を進める流れ
居抜き工事の流れは、おもに4ステップで進められます。工事を依頼する前には準備も必要なので、店舗やテナントのオープン3~4ヵ月前には動くようにしましょう。
見積もり依頼とスケジュールを決める
まずは施工会社に見積もり依頼をします。ここで注意したいのが、依頼するのは複数社にすること。ただし多ければ良いというわけではありません。目安としては3社ほどに絞るといいでしょう。
見積もり依頼する中で、さまざまな課題も生まれてくると思います。先ほども説明したように、3~4ヵ月前には動かないといけないため、スケジュールは余裕を持って立てるようにしてください。
施工会社を選ぶ
実際に居抜き工事を依頼する施工会社を選択します。過去の実績や料金を考慮しながら、親身に相談にのってくれる業者を選びましょう。解体からクロスの張り替え等、繊細で丁寧な作業を行ってくれる業者が良いでしょう。
工期の開始
いよいよ居抜き工事の開始です。工期は物件の広さによってまちまちですが、居抜き物件は基本的な設備が揃っているため、小規模であれば数日で工事は完了します。
物件の引き渡し
居抜き工事が終了すると、やっと物件の引き渡しです。工事に抜け漏れがないか最終確認を済ませて物件の引き渡しを行いましょう。
居抜き工事の注意点
居抜き物件は初期費用が抑えられるというメリットがありますが、物件を契約するときには注意が必要です。場合によっては「居抜き工事が進められない」や「大幅な費用がかかってしまう」こともあります。契約前にしっかり確認をしておきましょう。
前店舗やテナントのイメージや退去した理由
居抜き物件は、前の店主が残したものをそのまま使います。内装や家具がそのままだと、今までのイメージが引き継がれ、場合によっては集客にもつながりません。
また居抜き物件の多くは、お金が払えなくなって契約解除という理由です。以前の店舗やテナントとは違うというところをお客様に見せなければ、開業してもうまく行かない可能性が高くなります。そのためにも、居抜き工事はとても大切な過程といえます。
未解約物件になっていないか
居抜き物件の中には、解約通知を出していない物件も多々あります。このとき問題になるのが下記の2つ。
- 賃貸条件をそのまま引き継げる
- 居抜きの許可を得ていない
賃貸条件の引き継ぎはあくまでも借主の想定にしかすぎず、居抜きのまま引き渡すことも貸主が許可していないとトラブルも発生し、実際にはスケルトン状態で物件契約を交わす羽目になったという事例もあります。
未解約物件は居抜き工事がスムーズに行えないこともあるため、物件が解約されているかしっかり確認しておきましょう。
まとめ
コロナの影響もあり、居抜き物件は例年になく増加傾向にあります。その分、条件の良い物件も見つかりやすくなりました。
しかし、居抜き物件は前店舗やテナントのイメージが強く付いています。イメージを払拭するには居抜き工事が大きな役目を果たします。コンセプトやターゲットを明確にし、新しい店舗やテナントとして心機一転してみてください。