「アスベストに関連する工事に着るべき防護服はどのようなものがいいんだろう」
「アスベストを含む工事をする際の防護服に関する基礎知識を知りたい」
このように、アスベストに関連する工事をする際に、どのような防護服を着用すればいいか分からなくて悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、アスベストに関連する工事をする際に着用すべき防護服について詳しく解説していきます。アスベストは断熱材などに使用される素材で、多くの建物に使用されてきました。しかし、便利な素材である一方、身体に害のある素材としても有名です。
アスベストに関連する工事をする際に、基準を満たしていない服装でおこなってしまうと後に身体に影響を及ぼしてします可能性が。アスベストを含む建物の工事で身体に害を及ぼさないためにも、この記事をチェックしてみてください。
また、令和4年4月1日のアスベスト関連法令の改正実施内容に関しましては、こちらのページで詳しく解説しています。解体業者の現場目線で変更点を解説していますので、ぜひご参照ください。
目次
令和4年のアスベスト改正実施はYouTube動画でも解説しています!
アスベスト関連法令の改正実施の解説はウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。解体業者の目線で現場がどのように変わるのかわかりやすく説明していますので、ぜひこちらもご参照ください!
アスベストのレベルとは?
まず前提として、アスベストは身体に害を及ぼす素材として知られていますが、その中にもレベルがあります。アスベストのレベルによってどの程度の防護服が必要がどうかが変わってきます。それぞれのレベルを把握しておきましょう。
レベル1に該当する作業
レベル1の作業は、主にアスベスト含有吹き付け剤を使用している建物を工事が該当します。アスベスト含有吹き付け剤は、廃じん性がとても高いです。
基本的にレベル1作業は身体に危険を及ぼす可能性があるので、アスベスト専門の解体業者が作業をおこないます。作業をするにあたり必要となる防護服・防護用品は、最低でも後ほど解説する「呼吸用保護具」と「保護衣」が必要になります。
レベル2に該当する作業
レベル2作業に該当するのは、主にアスベスト含有耐火被覆材とアスベスト含有保温材です。レベル1に次いで発じん性が高い作業になります。
レベル2も発じん性が高いので、基本的にはアスベスト専門解体業者もしくは委託が作業をおこないます。作業に必要となる防護服・防護用品は、レベル1と同様に最低でも「呼吸用保護具」と「保護衣」が必要になります。
レベル3に該当する作業
アスベストのレベル分けの中でも、一番発じん性の低いのがレベル3作業です。主にアスベスト含有成形板などが当てはまります。
発じん性が最も低いことから、アスベストを工事する専門の業者でなくても作業をすることができます。木造住宅の解体がレベル3作業に当てはまるので、覚えておきましょう。
アスベストに適している防護服・防護用品とは?
アスベストの保護衣は、カバーオール又はつなぎ服、呼吸用保護具、ゴーグル、頭巾、手袋、シューズカバーとなっています。アスベストの保護衣として適している「防護服」と「防護用品」は、「JIS T 8115:2010化学防護服の浮遊個体粉じん防護用密閉服(タイプ5)又は同等品を使用する」と定められています。
JIS T 8115は化学防護服のことで、化学防護服は気密性、部分化学防護服、密閉服の3種類です。アスベストに関する作業で求められるのは、密閉服になります。また、密閉服はタイプ2からタイプ5まで幅広い種類が存在しますが、アスベストに対応しているのがタイプ5です。
防護服に関しては、使い捨てタイプを使用しなければなりません。隔離されている作業場から出るたびに廃棄します。廃棄の際は、特別管理作業廃棄物として処理しなければなりません。
基本的にアスベストがついた防護服を着用したまま隔離場以外に出ることは禁じられています。二次感染を防ぐために通常の作業着などと区別して保管する必要があります。
アスベストに適している防護服・防護用品の特徴とは?
アスベストの粉じんが防護服の内側に入ってこないように、服が一体化(カバーオールやつなぎのように)しています。服と手袋や服と靴のような隙間が生じやすい部分もしっかりと密閉してくれるのが、化学防護服(密閉服)のタイプ5の特徴です。
また、非常に細かいアスベストの粉じんが入ってこないように、防護服の表面は繊維が何重もの層になっています。高品質な防護服になると縫い目にテープが施されている場合が多いです。一般的な作業着は隙間から粉じんが入ってくる可能性が高いので、使用しないようにしてください。
まとめ
この記事では、アスベストに関連する工事をする際に着用すべき防護服について詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- アスベストのレベルによってどの程度の防護服が必要がどうかが変わってくる
- レベル1とレベル2の作業は発人生がとても高いため、最低でも「呼吸用保護具」と「保護衣」が必要
- アスベストに関連する工事の作業をする際は、JIS T 8115:2010化学防護服の浮遊個体粉じん防護用密閉服(タイプ5)又は同等品を使用しなければならない
- アスベストの作業は隔離場から出る度に捨てる必要がある
- アスベストの防護服は、非常に細かいアスベストの粉じんが入ってこないように、防護服の表面は繊維が何重もの層になっている
アスベストは身体に害を及ぼす非常に危険な物質です。くれぐれも普段使用している作業を着用して作業をしないようにしてください。上記のポイントを参考にして、アスベストに関連する作業をおこなうようにしましょう。
アスベストに関する記事はこちらのカテゴリーでまとめています。令和4年度の改正法令を反映した記事を公開していますので、ぜひ合わせてご確認ください。