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ケレンとは?解体や建築塗装で使われる専門用語を初心者向けにわかりやすく解説

解体工事のお見積りを提出したときによくお客様から「ケレンとはなんですか?」というご質問をいただきます。あまり聞き慣れない用語だと思いますが、実はケレンは、解体工事後のリフォームの際において大変重要な役割を持っています。

そこで今回は、ケレンとは何かについて詳しく解説します。主な役割や種類、塗装工事で失敗しない方法についても触れますので、ぜひご一読ください。

ケレンとは?

ケレンとは、建築・塗装・解体の現場で使われる専門用語で、サビや汚れ、古い塗膜などを削り落とし、下地を整える作業のことを指します。語源は英語の「クリーン(clean)」がなまって「ケレン」になったと言われています。

既存の塗膜や付着物が残ったままでは、新しい塗料がうまく密着せず、剥がれや劣化の原因になります。そのため、ケレン作業によって下地をきれいに整え、新たな塗装に適した状態に調整します。

ケレンの目的

塗膜の剥離を防ぐ

ケレンの主な目的の一つが、塗膜の剥離を防ぐことです。せっかく塗装を行っても、下地の状態が悪いと、塗膜がしっかり密着せず、剥離しやすくなってしまいます。塗膜の剥離を防ぎ、長持ちさせるためにも丁寧なケレンが大事です。

塗膜の仕上がりをよくする

ケレンを行う目的として、塗膜の仕上がりをよくすることも挙げられます。ケレンによって下地のサビや汚れ・不純物などを除去することで、塗膜の密着性が高まり、美しい仕上がりになります。

女性の化粧に例えると、ケレンは「洗顔・クレンジング」にあたります。どんなに高級なファンデーションや化粧品を使っても、メイク前に肌の汚れや古い角質、皮脂が残っている状態では、化粧ノリが悪くなったり、すぐに崩れてしまいますよね。

ケレンも同じで、サビや古い塗膜を落とさずに塗装してしまうと、塗料が密着せず、早期の剥がれや劣化につながります。

つまり、

見えない工程ですが、仕上がりと持ちの良さを決める、とても重要な作業です。

ケレンの主な種類

ケレンには、1種~4種まで主に4つの種類があります。それぞれの種類の特徴についても押さえておきましょう。

種類 内容 主な用途
1種ケレン サビ・塗膜を完全除去(ブラストなど) 重度のサビ
2種ケレン 強固なサビを除去 鉄骨・外部鉄部
3種ケレン 浮きサビ・劣化塗膜を除去 一般的な塗替え
4種ケレン 軽い汚れ・目荒らし 軽補修・原状回復

※数字が小さいほど作業レベル(手間・費用)が高くなります。

1種ケレン

4種類のケレンの中で、最も大掛かりな作業が1種ケレンです。研磨剤を圧縮空気を利用して吹き付けることにより、サビや汚れ・異物・塗膜を除去します。

ウォーターブラストやサンドブラストなどがあります。またアスベストを含む場合は研磨した粉塵を吸い込む機能がついた「バキュームブラスト」というものもあります。

除去効果が非常に高いのですが作業時に騒音や粉じんが発生するため、橋梁・船舶などの塗装前に主に使われ、一般住宅ではほぼ見かけません。

使用する工具など 効果・目的
主にブラスト法や薬剤による化学処理工法で進められる 下地の表面のサビ・汚れ・劣化した塗膜などを効率よく完全に除去する

2種ケレン

2種ケレンは、ディスクグラインダーやサンダーなどの削ることを目的とした工具を使用して職人が手作業で進めていきます。屋根や壁の塗装工事でよく行われます。主に、サビが広範囲に発生している場合などに採用される方法です。

1種ケレンほどではありませんが、塗膜の密着性や高品質な仕上がりになります。ただし、職人が手作業で進めることから、広範囲の作業だと時間(=費用)がかかります。

使用する工具など 効果・目的
ディスクサンダーやグラインダーなどの動力工具 下地の表面のサビ・汚れ・劣化した塗膜などを効率よく除去する

3種ケレン

手工具によって行うのが、3種ケレンです。騒音規制などでサンダーやグラインダーが使用できないときなどで採用されます。

手工具によるため、作業時間が長くかかります。また、必要最低限の下地処理となるため、主に部分的な塗膜の補修などに採用されるのが一般的です。

使用する工具など 効果・目的
サンドペーパー、スクレーパー、ワイヤーブラシなどの手工具 現状問題がない塗膜を残したまま、劣化した塗膜だけを除去する

4種ケレン

4種ケレンは、4種類のうち最も簡単な方法で行われます。ごく一部の塗装のやり直しや補修で、塗膜にサビや汚れがほぼない状態に採用されることが多くなります。

使用する工具など 効果・目的
サンドペーパー、スクレーパー、ワイヤーブラシなどの手工具 簡単に塗膜の表面を研磨し、塗膜の密着性を高める(細かな仕上がりは問われない)

ケレン作業の費用相場について

ケレン作業の相場は、全国的に大きな差はありませんが、作業内容(何種ケレンか)・面積・現場条件によって金額が変わります。詳しい相場は相見積もりを取り、比較されることをおすすめします。

種類 相場(税別) 備考
1種ケレン 3,000〜5,000円/㎡ ブラスト等・重度サビ
2種ケレン 1,000〜3,000円/㎡ 電動工具中心
3種ケレン 800〜1,500円/㎡ 一般的な塗替え
4種ケレン 300〜800円/㎡ 軽清掃・目荒らし

ケレンと同じ意味の専門用語

ケレンはその作業自体がシンプルなため、現場や見積り時には様々なことばで呼ばれます。以下ケレンと同じ意味を持つ建築用語です。

下地処理(したじしょり)

最も一般的で分かりやすい言い換えだと思います。サビや汚れ、旧塗膜を除去して塗装に適した状態に整える作業全般を指します。※ケレンは「下地処理」の中の代表的な作業です。

素地調整(そじちょうせい)

塗装仕様書や公共工事でよく使われる正式表現です。JIS規格や国交省仕様では「1種素地調整」「2種素地調整」などと表記されます。= ケレンとほぼ同義(特に鉄部)

旧塗膜除去

文字通り、古い塗装を剥がす作業。ケレン作業の一部工程を指す言葉です。家の壁の塗り替えなどでこの言葉がよく使われます。

サビ落とし

現場でよく使われる口語的な表現です。専門的にはケレン(または素地調整)に含まれます。

目荒らし(めあらし)

塗料の密着性を高めるため、表面に細かな傷をつける作業です。コンクリート床などによく用いられます。「古い塗膜を除去する」という意味合いが強いケレンとは目的が異なりますので混同しないように注意しましょう。

目荒らしについては以下の記事をご参照ください。

建築用語の目荒しとは?なんのために行う?目荒しの効果をコンクリートはつり業者がわかりやすく解説します

ウラシコのケレン作業の様子

壁面タイル撤去後の下地ケレン作業

タイル撤去後の下地には、接着剤の残りにより凹凸が残るため、そのままでは次の工程に進むことができません。これらの付着物をディスクグラインダーで削り取り、仕上げ工事に支障が出ないよう下地を整えました。

下地の状態を確認しながら、必要以上に削りすぎることなく、適切な強さでケレン作業を行うことで、後工程の施工精度を高めています。見えない部分の下処理を徹底することが、仕上がりのきれいさと長持ちにつながります。

シャッターの塗り替え前のケレン作業

表面に付着したサビや汚れ、劣化した旧塗膜を手作業で丁寧に除去しました。シャッターは下地処理を怠ると塗装後すぐに剥がれやサビが再発する原因になります。

ウラシコでは、塗料がしっかり密着するように、丁寧に下地を整えたうえで、塗装工程へ進みます。見た目だけでなく、耐久性を重視した施工を心がけています。

床材撤去後のケレン作業

床材を撤去した後の下地には、接着剤の残りや下地材の凹凸、細かな汚れが残ります。不要な付着物をスクレーパーを用いて手作業で丁寧に除去し、仕上げ工事の精度と耐久性を高めています。

床ケレン作業は原状回復工事において非常によくある作業になります。意外と力がいる大変な作業です。

アスベストを含む壁面のケレン作業(剥離剤併用手工具ケレン工法)

アスベスト含有が確認された壁面については、法令に基づき、飛散防止対策を徹底したうえで慎重にケレン作業を行います。そこで用いられるのが、「剥離剤併用手工具ケレン工法」です。

化学的に塗膜を剥離させる剥離剤を塗布して、スクレーパーなどの手工具によるケレン作業を行います。

まとめ

ケレンは、次の塗装の寿命や仕上がりに大きく影響するため、大変重要な工程です。私たちウラシコでは、名古屋市を中心に数多くの解体・塗装工事をお受けした実績がございます。

今回ご紹介したケレンも丁寧に行おります。ケレン作業のお見積りはまずはお気軽にお問い合わせください。

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