コロナ禍の影響でペット人気が高まり、お家でペットを飼いたいという方が増えています。とはいえ賃貸物件にお住まいの方の中には、「退去費用が高くなるかも…」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回の記事では、ペットを飼っていた場合の退去費用の負担割合や、退去費用を抑える方法について解説します!賃貸物件でペットを飼っている方は是非ご覧ください!
目次
賃貸物件における原状回復の考え方
まずは賃貸物件における原状回復の一般的なルールを見ていきましょう。現在の原状回復のルールにおいては、経年劣化(時間がたったことにより生じる劣化)や通常損耗(自然な使い方により生じる損耗)の費用については賃貸人が負担すべきと考えられています。
ただし、通常の使用を超える酷い使い方をしたとみなされるケースについては、賃借人が費用を負担すべきとされることが多いです。賃貸物件の原状回復とは「経年劣化や通常損耗の範囲を超えた使用による傷や損耗部分を元に戻すこと」と考えることもできます。
ペットを飼っていた場合の退去費用はどうなる?
ペット飼育可の物件で飼っていた場合
ペット飼育が禁止されていない物件でペットを飼っていた場合、ペットを飼育することによって生じた損耗は誰の負担になるのでしょうか?
個々の契約内容によっても異なりますが、基本的にペットを飼うことによって生じた損耗は、通常の使用を超えた使い方に該当するとされ、その分の費用は借主負担となるので高額な請求につながりやすいです。例えば、部屋に染みついたペットの臭いや、壁・床などについたひっかき傷、ペットがクロスにつけたシミなどはすべて借主が負担することになります。
ただし、クッションフロアやカーペット、クロスなどの経過年数が考慮される部分の損耗については少し事情が異なります。例えばクロスが変色していることにより全面貼り換えが必要になった場合においては、ペットによって生じたとされる損耗箇所以外は、必ずしも借主が費用を負担する必要はないと考えられます。
ペット飼育禁止の物件でペットを飼っていた場合
ペットの飼育が禁止されている物件でペットを飼うことは契約違反行為であり、ペットを飼うことによって生じた損耗の修復にかかる費用は当然すべて借主の負担になります。また契約書にペット禁止物件でペットを飼った場合の違約金を支払う旨が明記されている場合は、ほぼ確定で支払う義務が生じるので注意しましょう。
ペットを部屋で飼っていた場合に高額請求されやすいケースは?
それではペットを部屋で飼っていた場合、高額請求されやすいのはどのようなケースなのでしょうか?大きく言って以下のケースが考えられます。
・床で爪とぎをした場合(特にネコ)
・ドアや柱をかじってしまった場合(特に犬)
・壁に深い傷や大きな穴が開いた場合
・部屋全体にペットの臭いが染みついている場合
特にペットが床で爪とぎをしたり、ドアや柱をかじってしまったりした場合で損傷部分が複数あるとなると、補修や張り替え工事で費用が膨らむ可能性が高いです。
壁に深い傷や大きな穴が開いている場合はクロスの張替えだけでなく、下地ボードの交換まで必要になってくるので費用が高くなります。
ペットのトイレの清掃などをマメに行っていない場合、部屋全体にペットの臭いが染みついてしまい、消臭のための「特殊清掃」が必要になるなどして費用が高額になりやすくなります。
退去費用を抑える方法とは?
退去費用を抑える方法その①:床にマットを敷く
ペットが床に傷をつけてしまうのを防ぐために、床にマットを敷きましょう。また床全体に敷ける大きなカーペットなら敷くのが面倒という方にもおすすめできます。
退去費用を抑える方法その②:壁に保護シートを貼る
特にネコを飼っている場合は、爪が鋭いので、壁に大きな傷をつけてしまうリスクがあります。ホームセンターで売っている保護シートは、簡単に貼ることができ、剥がしても跡が残らないため、大変重宝します。全面に貼る必要はなく、ネコの手が届く範囲内だけでいいので貼っておくと安心できます。
退去費用を抑える方法その③:ペットの爪をこまめに切る
特に爪とぎの習慣があるネコを飼っている場合は、床や壁に傷をつけないように、爪を定期的に切ってあげるのも大切なことです。爪を切る頻度は、犬なら1ヵ月に1回程度、ネコなら2~3週間に1回程度が目安です。爪が伸びていないか、定期的にチェックしてあげることを心がけましょう。
退去費用を抑える方法その④:定期的な換気や消臭剤を使用する
ペットの臭いが部屋中に充満するのを防ぐために、日頃からこまめに換気を行ったり、消臭剤を使用したりして対策しておくようにしましょう。ペット用の消臭剤にも用途に応じてたくさんの種類があるので、飼っているペットの種類に合ったものや、ペットに有害でない臭いのものを選んで購入するようにしましょう。
まとめ
ペットを飼育していた場合の退去費用や、退去費用を抑える方法などをご紹介しました。本記事で説明したように、賃貸物件でペットを飼っていた場合は、高めの原状回復費用を請求されることが多いので注意しましょう。
またペット飼育が許されている物件であっても、ペットを好き放題にさせておいていいわけではありません。借りている物件であるという認識を持った上で、傷や汚れをつけないように細心の注意を払って飼ってあげるようにしてください。
原状回復費用についてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。