閉店や、契約の満了などで店舗やオフィスなどの明け渡しの際に必要になってくるのが原状回復です。原状回復とは、借りている物件を借りた時の状態に戻して返却することです。
店舗やオフィスなどの事業用物件では、原状回復を借り主の負担で行わなければならない場合が多く、少しでも費用を抑えたいと思われいる借り主様は多いのではないでしょうか。
原状回復費用は、これからご紹介するいくつかの方法を実践することである程度費用を削減することができる可能性があります。原状回復工事専門業者の目線から、今すぐ皆様が実践できる方法をご紹介します。
なお、店舗でなく、オフィスの原状回復は特に行程が多く、最低でも半年から3ヶ月程度の期間を要するとされています。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理のスケジュールに関してはこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。
目次
原状回復の基礎知識はYouTube動画でも解説しています!
原状回復工事の基礎知識に関しましてはウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。この動画では10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひご参照ください。
原状回復工事の相場
原状回復工事の費用は、構造の違いで以下のように目安となる坪単価が決まっています。そのため、解体工事の行われる物件の坪数によって大まかな費用を算出することができます。
- 木造 3〜5万/ 坪
- 軽量鉄骨造 4〜7万円/ 坪
- 鉄筋コンクリート造 5〜8万円 / 坪
しかし、実際には様々は費用が上記に加算されることになります。以下では、実際の工事例を元にした費用です。これからわかるように、必ずしも延床面積に比例して費用が高くなるとは限りません。
工事の期間、重機が使用可能かどうか、どれくらいの人手がかかるのかなど様々な要因が合わさって費用が決定されます。
工事内容 | 延床面積 | 解体期間 | 解体費用 |
スケルトン解体 | 約21坪 | 3日間 | 約220万 |
約25坪 | 3日間 | 約110万 | |
約21.2坪 | 7日間 | 約115万 | |
約15.1坪 | 5日間 | 約140万 | |
内装解体 | 約21.2坪 | 7日間 | 約160万 |
約16.6坪 | 3日間 | 約250万 | |
約6坪 | 4日間 | 約23万 |
今すぐできる原状回復費用をできる限り安くする方法
①引き渡し日までに余裕を持つ
原状回復は、内装解体やハウスクリーニングなど様々な工程があるため、相当の日数を要します。そのため余裕を持ったスケジュールを建てる必要があります。工事の日数が延びてしまい、引き渡し期日に間に合わないとなると、家賃の追加請求などが行われる場合もあります。
また、タイトなスケジュールでの工事を依頼すると、突貫工事が必要とあんり、余計な費用がかさむ原因になりかねません。少なくとも退去の1ヶ月前までに工事の打ち合わせを済ませておくと良いでしょう。
ここで更に考えなければならないのが天候と時期の問題です。特に1月〜3月末までの繁忙期などは、工事がストップしてしまう(依頼できない)可能性もあります。このようなことも勘案して余裕を持って工事を依頼しましょう。
②自分で工事業者を探し直接依頼する
原状回復工事を内装会社や管理会社などに丸投げしてしまう方も多いと思います。しかし、管理会社に丸投げしていまうと、馴染みの指定業者に依頼されてしまい、管理会社と結託して高額な費用を請求される可能性があります。
それを防ぐためにも、ネットや知人を通してご自身で調べ、直接依頼することをおすすめします。人生で1回あるかどうかのことですから、手間を惜しまず調べてみてはいかがでしょうか。
③不用品の処分、買取依頼
解体の際に発生するゴミや不用品をすべて解体業者に処分してもらうと、産業廃棄物扱いとなり、一般ごみよりも処分費用が割高になってしまいます。そこで、自分で処理できるゴミは一般ごみとして処理し、まだ使えるものに関しては買取を依頼しましょう。
一般ごみとして処理する場合には、行政などの区別に従って処理し、買取の場合には、インターネットで検索すれば出張買取サービスなど多数出てくるでしょう。
そのような業者に不用品を買い取ってもらうことで解体費用の足しにすることができる上に、産業廃棄物処理費も抑えることができるため、一石二鳥です。
④原状回復の工事内容を入念に確認する
原状回復は、不動産契約書にその内容が記載されていることがほとんどです。その内容と実際の見積もりを比較確認せずに工事を依頼してしまうと、不必要な工事まで行われてしまうことがあります。
解体業者に見積もりを依頼する際には、契約書の内容を確認した上で、オーナー立ち会いのもと、本当に必要な工事なのかを確認た上で依頼しましょう。
原状回復費用を抑えるときの注意点
①安すぎる業者に注意
工事費用は安ければいいというものでもありません。あまりにも安すぎる見積もりには、何かの費用が含まれていない、追加で費用が請求される可能性があります。
最悪の場合には、工事が途中でストップしてしまい、追加の費用が発生し、更に納期にも間に合わなくなるという事態に陥ります。
②下請け会社に丸投げする会社に注意
業者によっては、自社では全くなんの工事もせず、下請けの会社に丸投げして、マージンだけ取るような会社もないわけではありません。
見積もりを依頼するときに、どこ業者が、どこまでの工事をしてくれるのか、どの手順を扱うことができないのかなど、予め調べてから依頼しましょう。
まとめ
今回は、原状回復工事をできるだけ安く抑える方法をメインに説明してきました。
工事など専門的な知識や技術を要する部分はさておき、業者の選定や見積もりの依頼などは、個人の努力でカバーできるとこになっているかと思います。
すべてを人任せにするのではなく、借り主の最後の責任として、信頼できる業者を選定し、後腐れなく追われるように最後まで気を抜かずにやっていきましょう。
また、解体工事では、残念ながら”悪徳業者”も数多く存在します。「壊せば終わり」と考えている業者には要注意です!こちらのページでは解体工事でよく起こるトラブルや、悪徳業者の手口、対処法、優良業者の選び方を体形的にまとめています。ぜひこちらもご覧ください。