店舗・テナントなどの移転や廃業の際には、内装解体を行い、入居前の状態に復旧する必要があります。
復旧するためには、内装解体の流れや内容を理解しておかなければスムーズに工事を進められません。また、無駄な費用がかかってしまう恐れもあるでしょう。
本記事では、物件退去時の内装工事の流れについて分かりやすく解説していきます。内装解体工事を考えている方は、本記事を参考に進めてみてください。
株式会社ウラシコは内装解体(原状回復)に特化した解体会社です。内装解体や原状回復についての不安や相談については、お気軽にご相談ください。
目次
物件退去時、借主は内装解体を行う義務がある
冒頭で述べた通り、賃貸物件の退去時には、内装解体(原状回復)を行う必要があります。かつて、オーナーと契約者の間では、退去時に残されたキズや汚れに関してトラブルが相次いでいました。
そこで、国土交通省は1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しました。そのため、内装解体は、契約者の義務として定められています。
原状回復とは
原状回復とは、物件から退去する際に内装解体や清掃等を行い、入居時の状態に戻すことです。
先程述べた通り、基本的に原状回復は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」と物件契約時の賃貸契約書の内容に沿って行います。
ただし、店舗やテナントなどの場合は、上記ガイドラインは適応されない場合が多いので注意しましょう。実は、上記ガイドラインはマンションや借家など、主に住居目的の建物を対象としています。
そのため、店舗やテナントの場合は、契約時に記載されている賃貸借契約書に沿って原状回復を行われることがほとんどです。
物件退去時の内装工事の8つの流れ
ここでは、物件退去時の内装工事の流れについて解説していきます。
- ①入居時の賃貸借契約書を確認する
- ②オーナーに解約予告を行う
- ③原状回復業者から見積もりをもらう
- ④地域の行政機関に届け出を提出する
- ⑤内装解体業者の選定を行い依頼する
- ⑥近隣への工事通達や挨拶を行う
- ⑦原状回復工事の着工
- ⑧物件の引き渡しを行う
基本的に、上記の8つの流れに沿って内装解体工事を行うことが多いです。しっかりと理解しておきましょう。
①入居時の賃貸借契約書を確認する
まずは賃貸借契約書を入念に確認しておきましょう。賃貸借契約書には、退去時の規定や注意点について書かれている場合が多いです。内容として、以下のような記載内容の一例があります。
- 原状回復の範囲
- 解約予告期間
- 原状回復業者の指定
- 敷金に保証金の内容
- 退去時の日時を超えた際の遅延損害金の請求
それぞれの内容に沿って計画を立てていきましょう。また、不明点があればオーナーに確認しておくのがおすすめです。もし、あいまいな状態で賃貸借契約書にサインしてしまうと、余分な費用を支払わなければならない恐れがあります。
②オーナーに解約予告を行う
物件を退去する意思をオーナーへ連絡することを「解約予告」と言います。解約予告を行う期限は、住居物件であれば1か月~3か月前まで、オフィスやテナントであれば3か月~6ヶ月前までに、とする場合が多いです。
もちろん、物件によって、それぞれ解約予告期間が異なります。解約予告の内容については、賃貸借契約書に記載されている場合が多いため、事前に確認しておきましょう。
③原状回復業者から見積もりをもらう
オーナーへの解約予告を終えたら、原状回復業者に見積書を依頼しましょう。しかし、オーナーから原状回復業者の指定がある場合、その指定業者に依頼しなければいけません。もし、原状回復業者を変更したい場合は、早めにオーナーに変更の相談を行っておきましょう。
④地域の行政機関に届け出を提出する
店舗やテナントで開業している方に限りますが、地域の行政機関に届け出を提出しましょう。開業を行う際に行ったときのような届出を、廃業する際にも提出する必要があります。提出する先は同じですが、届け出の資料や内容は異なります。
それぞれの資料と届け出先を把握して、届け出を行っていきましょう。ちなみに、名古屋市の廃業についてのお問い合わせは、下記のリンクから行えるため、必要な際は合わせてご参照ください。
参照:名古屋市|廃業等の届出
⑤内装解体業者の選定を行い依頼する
内装解体業者の選定を行ったら、実際に内装解体を依頼しましょう。選定には、費用の安さだけでなく、期間内に適切な作業と範囲を行ってもらえる内装解体業者を選ぶと良いです。
安さだけで決めてしまうと、作業が雑で原状回復に不備があったり、退去日までに間に合わなかったりする恐れがあります。
最悪の場合、追加工事や遅延損害金などで余分なコストを支払う必要が出てくるでしょう。そのためにも、信頼ある内装解体業者に依頼するのがおすすめです。
⑥近隣への工事通達や挨拶を行う
内装解体を行う際、どうしても騒音や振動などが起こります。事前に近隣の方への工事通達や挨拶を行っておきましょう。もし、工事通達を行わずに工事を着工した場合、近隣の方からのクレームが出て工事がストップする恐れがあります。
スムーズに工事を行うためにも、必ず事前に行っておきましょう。また、工事の期間やどのくらいの騒音が出るのかなどを解体業者に確認しておくと、より詳しい通達ができるためおすすめです。
⑦着工
準備ができたら、着工です。工事期間が長い場合、一定期間での工事経過を確認しておきましょう。
工事経過を確認しておくと、工事期間に間に合わなかったり、余分な原状回復の工事を未然に防げるメリットがあります。また、不安要素があれば、物件オーナーの立ち合いのもと「中間検査」を行うと良いでしょう。
⑧物件の引き渡しを行う
内装解体工事が完了したら、オーナーに物件の引き渡しを行います。工事完了後に行う「完了検査」で、内装解体(原状回復)が適正に行われたかをオーナーに確認してもらいます。
完了検査で追加工事がなければ、オーナーに無事物件を引き渡して完了となります。内装解体業者にも立ち会ってもらえるのであれば、詳しい工事箇所の説明なども行ってもらえるためおすすめです。
物件退去時の内装解体工事を行う際の注意点
物件退去時の内相解体工事の流れを説明しましたが、その中で注意した方がよい点があります。ここでは、内装解体工事を行う際の注意点について解説していきます。
- 入居時の契約書を理解しておく
- 現地調査前に工事範囲を把握しておく
- 早めに内装解体工事を依頼する
さまざまな注意点がありますが、大きく3つの注意点に分けて解説していきます。それぞれ詳しく確認しておきましょう。
入居時の賃貸借契約書を理解しておく
物件時の賃貸借契約書を確認しておくと良いでしょう。契約時の賃貸借契約書には、内装解体工事の内容が記載されています。
基本的に、賃貸借契約書の記載内容に沿って工事が行われるため、理解していないと余分に原状回復工事をさせられる可能性があります。一例として、下記の内容を参考にしてみてください。
- 入居時からあるキズや破損の請求をされる
- 壁紙や床材を新品に変えさせられる
- 変えたばかりの照明の電球を新品に変えさせられる
- 共有のスペースまで原状回復させられる
- 費用が高い内装解体業者を指定される
退去時の内装解体でトラブルを防ぐためにも、未然に賃貸借契約書をしっかりと理解しておくと良いでしょう。
現地調査前に工事範囲を把握しておく
見積もりを目的とした現地調査の際、範囲と内容を理解しておかなければ、正確な見積書であるかどうかの判断ができません。
工事範囲が正確ではなく、そのまま工事を進めてしまうと追加工事を余儀なくされる場合があります。工事範囲を把握して正確な見積もりを作成してもらうためにも、図面や現場写真などを現地調査時に準備しておくと良いでしょう。
早めに内装解体工事を依頼する
物件退去時の内装解体工事の注意点には、早めに内装解体工事を依頼しておく必要があります。内装解体工事は、原則として退去日までに完了させる必要があります。早めに依頼し、余裕のあるスケジュールを立てておかなければ、工期に間に合わなくなる恐れがあるでしょう。
また、予期せぬトラブルや天候関係での工事ストップなども想定されます。もし、期限を過ぎてしまうと、遅延損害金を請求されます。そのためにも、早めに内装解体工事を依頼して、余裕を持ったスケジュール計画を立てましょう。
物件退去時には内装解体工事の流れを理解しておこう
物件退去時の内装解体工事の流れは、以下の通りです。
- 入居時の賃貸借契約書を確認する
- オーナーに解約予告を行う
- 原状回復業者から見積もりをもらう
- 地域の行政機関に届け出を提出する
- 内装解体業者の選定を行い依頼する
- 近隣への工事通達や挨拶を行う
- 原状回復工事の着工
- 物件の引き渡しを行う
物件退去時の内装解体工事の流れを把握しておくと、余分なコストや期間の超過を未然に防げます。株式会社ウラシコでは、依頼から工事まで自社の社員で行っています。そのため、打ち合わせと作業のズレがなく、コストも抑えられるメリットがあります。原状回復業者をお探しの方は、お気軽にご相談ください。