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解体工事に必要な手続きと届け出一覧|行政手続きを抜かりなく!安心安全な工事を進めるポイント

オフィスの退去

解体工事に必要な手続き

建物の解体工事をする際にはどのような手続きが必要なのでしょうか。今回は、解体工事で必要な手続きをわかりやすく解説します。

手続きの中には、施工業者に代理申請が可能なものもありますが、施主側も責任をもって手続きの内容を把握し、申請漏れがないようにしましょう。

また、私たちウラシコへのお仕事のご依頼の流れについてはこちらのページで詳しく解説しています。他の解体業者様と概ね同様の流れになるかと思いますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。

目次

解体工事前に必要な申請・届け出

それでは解体工事前に必要な申請・届け出をご紹介します。解体工事前には以下の手続きが必要です。

①解体工事届出

②道路の使用許可申請

③ライフラインの停止申請(水道以外)

④建築物除去届

なお、こちらでご紹介する届出や手続きは、法令で定めらている基本的な届出や申請のみです。

解体工事は自治体毎に条例などで細かい取り決めがありますので、本記事で概要を把握していただいたあとは、必ず各自治体に詳細をお問い合わせください。

解体工事前に必要な申請・届け出①解体工事届出

延べ床面積が80㎡(25坪)を超える家屋の解体をする場合など、一定の条件を満たす場合は「解体工事届け出」が必要です。さらに、適切な届出や許可を得ている業者しか解体工事を行うことができません。

これは、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(通称、建設リサイクル法)によって規定されており、違反すると罰則があります。(詳細は後述)

この届出は施主に提出義務があるものになります。ただし、施工業者に委任状を渡しておくことで施工業者が代理で手続きすることも可能です。その場合の費用の発生の有無は業者によって変わりますので、確認しておきましょう。

解体工事届出の申請が必要な条件

次の1または2を満たす場合には、解体工事届出が必要になります。

1. 特定建設資材を用いた建築物などの解体工事を行う場合

特定建設資材とは、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートのことを指します。基本的には何かしらが使われているはずです。

対象になるかどうかは自身で判断できないと思いますので、見積もりの際などに確認してみてください。

2. 特定建設資材を用いた新築工事などで対象建設工事に該当する場合

対象建設工事は以下に示す条件を満たす工事を指します。

建築物の解体工事 延べ床面積が80㎡以上
建築物の新築・増築 延べ床面積が500㎡以上
建築物の修繕・模様替え(リフォーム等) 請負代金の額1億円以上(消費税含)
その他の工作物に関する工事(土木工事等) 請負代金の額500万円以上(消費税含)

解体工事届出申請に必要な書類

解体工事届出書 申請に必要な書類、各都道府県窓口などで入手可能
分別解体等の計画等

(別表)

建物の構造や周辺状況、工程に応じた作業内容の詳細を記入

各都道府県窓口などで入手可能

設計図または写真 外観写真など(必要に応じて図面、設計図)
案内図 既製地図を使用して、工事する建物の場所を明記

1:1000~1:5000程度の縮尺の既製地図を使用

配置図 解体する建物と、その周辺の位置関係を示すもの
工程表 解体工事計画の工程表(自治体で書式が決まっている場合もある)
委任状 代理で申請してもらう場合のみ作成

※上記書類は、提出の際に原本とコピーの2部が必要になりますので、忘れずに準備してください。

※各自治体によって、追加で提出しなければならない書類がある場合もありますので、各窓口で確認するか、施工業者に確認してみてください。

解体工事前に必要な申請・届け出②道路の使用許可申請

解体工事を行う際に、敷地内に重機や工事車両を駐車することができる十分な広さがあれば問題ありませんが、そうでない場合が多いです。十分なスペースを確保できない場合には、家屋の前面の道路に工事車両を駐車することになります。

この駐車をするために警察署への申請が必要です。申請は使用したい道路を管轄する警察署に行うことになりますが、道路を管轄する警察署が2つ以上存在する場合にはそのどちらにも申請をする必要があります。以下のような申請が必要です。

・道路使用許可:重機やトラックなどを道路に停車する場合

・道路占用許可:資材や足場などを道路に置く場合

また、申請の際には手数料として、2,000円〜3,000円ほど徴収されますので忘れないようにしてください。この道路の使用許可申請に関しては、施工業者が代行してやってくれる場合が多いです。

道路の使用許可申請に必要な書類

道路許可申請書 管轄の警察署で入手(警察署により様式が異なる)
使用する道路の地図 解体工事現場周辺の地図等(Web状の地図などでも可)
現場見取り図 解体工事を行う現場の見取り図

※申請には手数料が 2,000〜3,000円程度必要です。

解体工事前に必要な申請・届け出③ライフラインの停止申請(水道以外)

解体工事の前までに、電気、ガス、インターネットなど水道以外のライフラインを停止しておく必要があります。万一、電気やガスなどを停止せずに工事を開始した場合、あやまってガス管を傷つけた場合にはガスが漏れることになりますし、電気線を傷つけた場合には最悪の場合、感電死などの危険性もあります。

水道に関しては、工事中にホコリや粉塵の飛散防止のために水をまきながら作業することもありますので、基本的には停止させません。この辺は、工事業者から事前にお願いがある場合が多いですが、各施工業者によって変わりますので、確認しておきましょう。

解体工事前に必要な申請・届け出④建築物除去届

建築基準法第15条の規定により、工事施工者が解体工事(建物を除去する工事)を行う場合、都道府県知事に届出をする必要があります。

基本的には、施主(依頼人)が工事前日までに行うことになっていますが、他の申請同様委任状を作成し、代理で申請してもらうことができます。

解体工事後に必要な申請・届け出

解体工事後にも必要な申請と届け出があります。工事前の申請と同様にこれらを怠ると罰金が課せられるケースもありますので、抜かりなく抑えておきましょう。

解体工事後に必要な申請・届け出①建物滅失登記

建物の解体工事完了後、1か月以内に建物滅失登記の手続きをしなければなりません。これは、必要書類を集めて法務局に提出することになりますが、解体の時だけではなく台風や津波で建物が滅失した場合も行う手続きです。

法務局で建物滅失登記を行うことで、その情報が連携され、固定資産税の算出などにも影響してきますので必ず行ってください。

法務局に申請に行く時間がないなどの理由で自身で手続きを行うことが困難な場合には、家屋調査士に代理で申請を依頼することができますが、その場合には3~5万円程度追加の費用が発生しますので、可能であればご自身で手続きを行うことをお勧めします。

建物滅失登記申請に必要な書類

登記申請書 法務局で入手し作成(コピーも必要)
住宅地図 グーグルマップを印刷したものなどでも可
取毀し証明書 施工業者に発行を依頼
解体業者の印鑑証明書 施工業者に発行を依頼
解体業者の資格証明書もしくは会社謄本 施工業者に発行を依頼
委任状※ 代理で申請してもらう場合のみ作成
依頼人の印鑑証明※ 代理で申請してもらう場合のみ必要

解体工事後に必要な申請・届け出②水道停止手続き

解体工事後、必要があれば水道の停止手続きを行います。工事で散水などに使用しない場合には、工事前に他のものと一緒に停止させておくほうがいいです。

アスベストが使われている場合の手続き

建築資材にアスベストが含まれている場合には、下記の申請が別途必要になります。アスベスト(石綿)は、粉塵の発生しやすさを表す発じん性に応じて、レベル1~3に分類されており、最も発じん性が高いのはレベル1です。この発じん性に応じて手続きが変わりますので、注意してください。

アスベスト(石綿)に関しては、事前調査から撤去まで特別なスキルや経験を持った作業員が行うことになります。2006年以降に建てられた建物に関しては、ほぼ使用されてませんが、それ以前に建てられた建物には、アスベスト(石綿)が使用されている場合がありますので注意が必要です。

工事計画届出

工事計画届出は、発じん性レベル1のアスベストを含む建物の解体をする際に必要です。アスベストの解体工事専門業者が、作業開始日の14日前までに、労働基準監督署へ提出します。

建物解体等作業届出

建物解体等作業届出は、発じん性レベル1、レベル2のアスベストを含む建物の解体をする際に必要です。こちらは、アスベストの解体工事専門業者が、作業開始前までに、労働基準監督署へ提出します。

特定粉塵排出等作業の実施の届出

特定粉塵排出等作業の実施の届出は、発じん性レベル1、レベル2のアスベストを含む建物の解体をする際に必要です。こちらは、アスベストの解体工事専門業者が、作業開始日14日前までに、都道府県の該当窓口へ提出します。

申請を怠った場合の罰則

ここでは、各種手続きを行わなかった、定められた期限までに手続きをしなかった場合の罰則について説明します。ここで紹介する以外にも、各自治体の決まりで過料になる可能性もあるので、各自できちんと確認してください。

解体工事届出

先にも述べましたが解体工事届出は、建設リサイクル法で提出が義務付けられているものですので、この手続きを怠った場合には罰則があります。といっても、期限内に申請を行わなかっただけで即罰せられるわけではありません。

届出がなされていない場合にはまず施主のもとへ届出を行うよう通達が届きます。この通達に従わなかった場合には、是正勧告があり、さらに従わなければ最大20万円の罰金が科されることになります。

通達が来た時点で届を行えば罰金はありませんが、長期で不在にしている場合など自身でこの通達が来ていることがわからない場合もあるかと思いますので、事前にしっかり施工業者と打合せをしておいてください。

建物滅失登記

先ほど、解体工事完了後1か月以内に申請をする必要があることはお伝えしましたが、これを怠ると、最大で10万円の罰金が科されるだけでなく、場合によっては余計な固定資産税がかかることもあり、結果的に大きな出費になることがあります。

さらに、新たな物件を契約する際の住宅ローンの審査にも悪影響を及ぼす危険がありますので、申請はきちんと行いましょう

アスベスト関連の申請

工事計画届の提出を怠った場合には、50万円以下の罰金が、特定粉塵排出等作業の実施の届出を怠った場合には、3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

亡くなった人の家屋を解体する手続きについて

亡くなった人の家屋を解体する際には、建物の名義人や抵当権などに関する手続きに悩む方が多いかもしれません。以下に手順をご紹介します。

亡くなった人の家屋を解体する手続き①建物の名義人を確認する

まず、建物が誰の名義であるかを調べます。法務局で登記簿謄本を取得することで、所有者を確認できます。また、法定相続人についても確認する必要があります。複数の相続人がいる場合は、全員の許可が必要になります。

亡くなった人の家屋を解体する手続き②建物の抵当権の有無を確認する

もし住宅ローンが返済中であれば、抵当権が設定されています。抵当権は金融機関が家屋を担保にする権利を指します。ローンが完済されるまで抵当権を解除できないため、解体工事は実施できません。

ローンが完済された後、金融機関から建物滅失に関する同意書を取得し、解体工事の手続きを始めることができます。抵当権が残ったまま解体工事を行うと、金融機関から訴訟を起こされる可能性があるので、注意が必要です。

亡くなった人の家屋を解体する手続き③法定相続人と協議する

相続人たちと話し合いを行い、誰が相続するかや解体費用の負担などを決定します。また、建物滅失登記を行う際には遺産分割協議書が必要となる場合があるので、作成しておきましょう。この書類を提出する際には、法定相続人全員の押印が必要です。

亡くなった人の家屋を解体する手続き④解体業者に依頼し、建物を取り壊す

相続関係などの話し合いがまとまったら、解体業者に依頼して建物の取り壊しを進めます。

亡くなった人の家屋を解体する手続き⑤相続人が建物滅失登記を行う

家屋の所有者が亡くなり、相続人が手続きを行う場合には、以下の書類が必要になります。

これらの書類を揃えて、管轄の法務局で申請を行いましょう。

解体業者と連携してスムーズに手続きを進めましょう

いかがでしたでしょうか。今回は申請関連の話で難しい文言もあったかと思いますが、申請の際には基本的に施工業者や窓口の担当者の方に助けてもらうことができますので、安心してください。

また、今回ご紹介した届出以外にも自治体にもよって、近隣説明会を開催しなければならない場合もございます。繰り返しになりますが、必ず工事前に最新お条例や法令を各自治体に確認しましょう。

解体工事では、残念ながら”悪徳業者”も数多く存在します。「壊せば終わり」と考えている業者には要注意です!こちらのページでは解体工事でよく起こるトラブルや、悪徳業者の手口、対処法、優良業者の選び方を体形的にまとめています。ぜひこちらもご覧ください。

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