お店や会社を開業するために物件を探してみると、スケルトン物件という言葉を耳にするかと思います。今回は、スケルトン解体についてメリットやデメリット、相場などの観点からまとめます。
なお、スケルトン解体とよくセットで使われる「原状回復」につきましてはこちらの記事で詳しく解説しています。スケルトン解体の理解を深めるためにも、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
スケルトン解体の費用をお得にするポイントは動画でも解説しています!ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
スケルトン解体とは
スケルトン解体とは、躯体(柱、梁、壁、床などの骨組み部分)だけを残し、天井、床材、壁材、パーティションなどの内装をすべて撤去する解体工事です。造作や構造体だけではなく、エアコンや電気配線、排気設備、配管設備などの設備も併せて撤去します。
現代の主流である鉄筋コンクリート造の店舗やビルでスケルトン解体を行うと、コンクリートの打ちっ放し状態になることが多いです。そのため、コンクリート打ちっぱなしの状態を「スケルトン物件」「スケルトン仕上げ」「スケルトン状態」や単純に「スケルトン」と呼びます。
スケルトン解体のメリット
内装のレイアウトや間取りを変えられる
スケルトン解体を施すと、次に建物を利用する際、内装や間取りなどを自由に変えられます。新たに内装工事を行い、新しい設備や配管、配線の設置、防音性の壁など、次の使用用途に合わせた利便性が得られやすくなります。
建物の現状を把握できる
スケルトン解体を行うと、普段見えない柱や梁などの基礎部分を見ることができます。その際に傷んでいる部分や補修工事が必要な個所を確認することができます。必要に応じて、解体作業と並行して補強工事を行うことも容易です。
スケルトン解体のデメリット
補修費用・初期費用が高くなる
内装や設備をすべて解体するスケルトン解体では、解体費用はもちろんのこと、次にそれらを新しく取りそろえるための初期費用が高くなってしまいます。解体費用、初期費用のどちらも念頭に置いて、どれくらいコストがかかるのかを計画的に検討することが大切です。
物件引き渡しまでに時間がかかる
スケルトン解体は、居抜き退去に比べてかなりの日数を要します。工事期間は建物によってバラバラですが、最低でも1週間から長くて3週間程度かかります。さらに、内装が全く無い状態のため、新たにテナントが入る際は、内装をゼロから作る工事が必要となります。そのため、「厨房を残し残りはスケルトン」などの一部分のみを残して他をスケルトン解体する手法もよく用いられます。
スケルトン解体の費用相場
以下の表が大体の相場ですが、建物の立地や廃棄物の量、種類、電機や水回りの処理方法などにより、解体費用が上下します。
躯体の構造 | 1坪あたり | 30坪あたり | 50坪 |
木造 | 3~5万円 | 90~150万円 | 150~250万円 |
軽量鉄骨造 | 4~7万円 | 120~210万円 | 200~350万円 |
鉄筋コンクリート造 | 5~8万円 | 150~240万円 | 250~400万円 |
業態 | 1㎡あたりの費用相場 |
カフェ、バー | 5,500円~ |
レストラン | 6,500円~ |
居酒屋、ラーメン屋 | 7,300円~ |
焼肉屋 | 8,000円~ |
スケルトン解体の費用を安くする方法
自分で処分できるものは処分しておく
解体工事が行われる前に、自分で処分できるものは処分しておくことで、工事費用を安くすることができます。家具や家電はもちろん、オフィスの備品なども処分しましょう。
業者を通して処分してもらうと、解体工事費用に上乗せされて処分費用がかかってしまいます。自分でリサイクルショップに売ったり、クリーンセンターに持ち込んだりすることで、無駄な出費を省けます。
また、不用品の買取もまとめて行ってくれる業者に依頼することもオススメです。私たちウラシコのように古物商許可を得ている業者を探してみましょう。そういった業者は、解体工事と合わせて不用品の買取も行ってくれます。
スケルトン解体の注意点
工事範囲を明らかにしておく
スケルトン解体をお願いする業者が決まったら、打ち合わせや現場での下見などで工事範囲を入念に確認しておきましょう。
残しておきたかったところまで解体された、解体予定の部分が取り壊されていなかった、といったトラブルを避けるためです。双方に相違点がないように、しっかり確認しましょう。
電気・ガスなどのライフラインを止める
解体工事着工前に、電機・ガス・水道などのライフラインを停止しておきましょう。しかし、工事中に水道を利用する解体業者もいますので、水道だけは事前に業者に確認をとってから停止するようにしましょう。
安さだけで業者を選ばない
費用を安く抑えられれば確かにありがたいですが、適正価格や相場から大きくかけ離れた安すぎる業者には注意しましょう。処分するはずのものが不法投棄されたり、地面に埋められたりした事例があります。
また、工事開始後に、何かしら理由を付けて追加で請求してくる場合もあります。スケルトン解体の適切な相場価格を知り、経験と実績のある業者を選ぶようにしましょう。
着工前に近隣の方に挨拶する
スケルトン解体を行う際、騒音やほこりが発生してしまうことは避けられません。そのため、工事の前に周辺の方々へ挨拶しに行くことも大切です。
解体工事を行うことを告げずに工事を進めてしまうと、苦情が来る可能性があり、トラブルになってしまいます。スムーズに工事を進めていくためにも、近隣への配慮は怠らないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。スケルトン解体を含む原状回復工事は、物件を退去する際、ほとんどの場合に行わなければなりません。退去に伴うトラブルは非常に多いため、経験豊富で技術が高い業者選びが肝となってきます。
株式会社ウラシコでは、10年間に渡り、年間2000件以上の原状回復工事に携わってきました。丁寧な作業と適切な価格設定で、みなさまのご要望にお応えいたします。
解体工事では、残念ながら”悪徳業者”も数多く存在します。「壊せば終わり」と考えている業者には要注意です!こちらのページでは解体工事でよく起こるトラブルや、悪徳業者の手口、対処法、優良業者の選び方を体形的にまとめています。ぜひこちらもご覧ください。