この記事では、一宮市に店舗を構えているオーナー向けに、閉店に向けての流れや手続きをご紹介します。物件によって多少条件は異なりますので、賃貸借契約書も確認しておきましょう。
また、愛知県の原状回復費用の相場についてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
テナント退去の流れはYouTube動画でも解説しています!
テナント退去の流れとスケジュール感はウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。賃貸テナントの退去の流れは、契約の解除から原状回復工事、引き渡しまで複雑な行程があります。基本の流れとスケジュール感を押さえて、スムーズな退去を実現しましょう!
店舗・テナント退去における原状回復とは
店舗やテナントを退去するときは、原状回復が必要になってきます。原状回復の詳細は物件ごとに異なるので注意が必要です。まずは原状回復の定義と、借主が負担する範囲までをご紹介します。
原状回復とは
原状回復とは、物件を借りる前の状態に戻すことをいいます。物件を借りると、さまざまな設備を設置しますが、退去時にはそれらの撤去が必要です。借主には原状回復義務があるため、何もせず退去することは認められていません。
原状回復の責任範囲
借主による原状回復の責任範囲は、一般的に以下のようなものが該当します。
- 入居後に設置した設備の撤去
- 壁や床などの張り替え
- 照明や配線の撤去
原状回復の範囲は、物件によって異なります。詳しい内容は、賃貸借契約書に記載されていますので、閉店を決める前に事前に確認しておきましょう。原状回復では範囲の見解の相違からトラブルに発展する場合がとても多く、事前の確認は非常に重要です。
一宮市での店舗・テナント退去の流れ
一宮市で店舗やテナントを構えている場合、基本的には以下の流れで退去を進めていきます。特に原状回復工事はある程度の日数を要するため、早め早めに動きましょう。
賃貸借契約書を確認
まずは、物件に対する原状回復の範囲を確認します。原状回復の内容は、賃貸借契約書に明記されているので、こちらで内容を確認しましょう。また、賃貸借契約書には期間や費用面も記載されているので、細かくチェックしていきます。
本来、入居時に原状回復範囲の確認をしておくことが望ましいですが、入居時に確認できなかった場合は、退去を決めた時点で確認し、不明点を明確にしておくといいでしょう。
解約予告をする
賃貸借契約書で原状回復の確認をしたら、貸主に解約予告を行います。解約予告とは、貸主に退去申請することです。
多くの物件では退去日の約6ヵ月前に申請するようになっていますが、期間は物件によって異なります。いつまでに申請しなければいけないのか、賃貸借契約書で再度確認しておきましょう。
一宮市の各行政機関へ届出
一宮市の各行政機関への届出は、主に廃業日後に提出するものが多いです。しかし、閉店直後はさまざまな手続きが混在するため、必要な書類をこの時点でそろえておくといいでしょう。
行政機関への手続きは、主に7つあります。
- 保健所
- 税務署
- 県税事務所
- 警察署
- 消防署
- 公安職業安定所
- 日本年金機構
- 労働基準監督署
ただし、業種や従業員の有無によって、不要な行政機関もありますので、詳しくは一宮市役所に確認しましょう。いずれの業種でも手続きが必要な、保健所、税務署、県税事務所に関しては、後ほど詳しく解説します。
一宮市役所 https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/
※2022年現在、市役所のホームページがリニューアル中のため、廃業に関する問い合わせページが準備中となっています
原状回復工事
原状回復工事は、退去日までに完了しなければいけません。そのため余裕をもったスケジュールで望みましょう。
多くの物件では、工事業者は貸主が指定しています。指定業者に不当な見積もりを提出されたときのために、複数業者に見積もりを取っておくのもトラブルを避けるポイントです。
事業者の原状回復はトラブルが頻発しているため、未然に防げるところは防ぐようにしておきましょう。
敷金・保証金の返金
原状回復工事も終わり、無事退去日を迎えたら、敷金や保証金の返金があります。ただし返金は退去と同時ではありません。一般的に、退去して約1ヶ月から最大で6ヵ月ぐらい時間がかかるとされています。そのため、すぐお金を要する方は別のところから調達するようにしましょう
敷金や保証金は全額返金されるものと思いがちですが、そうではありません。原状回復費用は敷金からまかなわれるため、工事費を引いたものが返金されます。基本的に全額返金されることはないと思っておきましょう。
愛知県一宮市の行政機関の手続き
ここからは前述した一宮市の各行政機関へ提出する書類の手続きを説明していきます。どの書類にも期限が設けられているので、期限に遅れないよう手続きを進めてください。
保健所
保健所への手続きは、主に飲食店を経営していた方が必要になります。飲食店を閉店するときは以下の2つを提出してください。
- 食品営業許可証
- 廃業届
食品営業許可証は、保健所へ返還します。どちらも廃業日から10日以内が提出期限。事前に準備しておくと、閉店後に慌てることもないと思います。
一宮市保健所 https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/shisetsu/1008920/1037355.html
愛知県税務署
税務署へは4つの届出が必要ですが、人によっては2~3つと必要な書類は異なります。
提出する届出 | 提出期限 |
個人事業の開業・廃業等届出書 | 廃業日から1ヶ月以内 |
所得税の青色申告の取りやめ届出書 | 申告をやめる年の翌年の3月15日 |
給与支払い事務所等の開設・移転・廃止の届出 | 廃業日から1ヶ月以内 |
事業廃止届出書 | 廃業後すぐ |
従業員を抱えず経営していた方は、個人事業の開業・廃業等届出書と所得税の青色申告の取りやめ届出書の2つで問題ありません。ただし、課税事業者の方は事業廃止届出書も必要です。それぞれ提出期限が違いますので、間違えないよう十分注意してください。
愛知県税務署 https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/location/aichi.html
愛知県税事務所
最後は県税事務所への手続きです。店舗やテナントを構えていた場合は、管轄にあたる県税事務所に退去届を提出しなければいけません。ちなみに、一宮市に店舗やテナントを構えていた方は「西尾張県税事務所」が担当の事務所になります。
退去届の提出期限は、廃業日から2ヵ月以内。退去届の様式は都道府県によって異なるので、事前に西尾張県税事務所に確認しておくといいでしょう。
愛知県税事務所 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/zeimu/0000026176.html
まとめ
店舗やテナントの退去は、思いのほか手続きが多くあります。それぞれ時期や期間が決まっていますので、賃貸借契約書で確認しておいてください。
また行政機関の手続きも、届出機関によって提出期限に余裕がないところもあります。退去を決めたら、必要な書類を準備しておくといいでしょう。
私たちウラシコでは、一宮市でも多数の施工実績があります。施工事例ページでは、費用や日数の実例を提示しております。ぜひ施工事例も合わせてご参照ください。