ダクトパッキンの解体時に、アスベスト調査を依頼されるケースが増えています。建材にアスベストを使用することは現在では厳しく規制されていますが、古い建材には使用されている可能性があり、解体時には決して自分で解体することのないよう注意が必要です。
今回の記事では、アスベストが使用されているアスベストダクトに注意が必要な理由について段階を追って解説していきたいと思います!
また、令和4年4月1日のアスベスト関連法令の改正実施内容に関しましては、こちらのページで詳しく解説しています。解体業者の現場目線で変更点を解説していますので、ぜひご参照ください。
目次
ダクトパッキンってどんなもの?
ダクトパッキンとは空調ダクトや換気ダクトのつなぎ目(フランジと呼ばれる)に挿入されるシール材(ゴムやテープ)のことを指します。ダクトとは複数の短い管で形成される空気の通り道です。
ダクトにはつなぎ目であるフランジやフランジを埋めるためのパッキンが必要不可欠です。パッキンを使わずボルトやナットで固定しただけの状態だと、ダクトを伝わる空気や汚れた煙などがつなぎ目から漏れ出してしまう可能性があります。
これは大気を汚すだけでなく、冷房効率の悪化による光熱費の増加をもたらします。二酸化炭素も排出するので地球温暖化を悪化させることにもつながります。こうした事態を防ぐためにも接合部にはしっかりパッキンを取り付けることが必要となります。
アスベストは何が問題なの?
アスベストは耐久性、耐熱性、電気絶縁性に優れ、コストもかからないため1970年代以降の高度成長期に建物の断熱材として一般的に使用されてきました。
しかし、大気中に飛散したアスベストを吸った人が肺がんや中皮腫などの健康被害を起こすことが広く知られるようになったので現在では建材にアスベストを使用することは厳しく規制されるようになりました。
古い建物の解体によるアスベスト飛散の問題は、2020年から2040年にかけてピークを迎えると見られており、現在もまだアスベスト被害の危険に晒されている状態は続いています。
古い空調ダクトには要注意!
前述したダクトパッキンについては、数年前までアスベストを使用していた経緯がありアスベスト含有率も非常に高いです。新しいものについては心配ありませんが特に注意が必要なのが、しばらく調査・点検を行っていない古いダクトパッキンの解体です。
ダクトパッキンはダクトのつなぎ目に挿入されており、この部分にアスベストが使われている可能性があります。解体を行う際は決して自分は行わずプロに任せるようにしてください。
ダクトパッキンは隠れていて目立たない箇所でもありますので、解体や交換を考える場合、アスベストの飛散を防ぐためにも事前に専門業者に調査してもらうようにしましょう。
ダクトの解体方法
実際にダクトを取り外す際はどのようにして行うのでしょう?まずは養生をしっかりしてアスベストの飛散を防ぐよう飛散防止設備を設置する必要があります。
その後、ダクトパッキンを外し、清掃を行い、検査して、アスベストが漏れていないかチェックをし、最後の検査という流れで行うのが一般的です。施工の際はつなぎ目のビスを外して解体するという従来の方法ではなく、つなぎ目を丸ごと切り取ってしまうという工法で行われます。
まとめ:ダクトパッキン撤去の際は必ず専門業者に依頼しましょう
長い間放置されている古い空調ダクトについてはこれまで説明してきたようにアスベストが使われている可能性があるので特に注意が必要です。アスベストダクトを個人で特別な準備もせず解体を行うことは大変危険なので、必ず専門業者に依頼して交換・撤去をしてもらうようにしましょう。
また空調ダクトのパッキンは経年劣化や摩耗により隙間ができやすい部分でもあります。そうした状態を放置すると空気が逃げることにより冷房効率も悪くなりますので、定期的な点検を欠かさないことも大切です。
令和4年のアスベスト改正実施はYouTube動画でも解説しています!
アスベスト関連法令の改正実施の解説はウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。解体業者の目線で現場がどのように変わるのかわかりやすく説明していますので、ぜひこちらもご参照ください!