解体工事で出てくるスクラップ。現場によっては大量のスクラップが発生し、その処理費用にびっくりしてしまう方も多いのではないでしょうか。
一言にスクラップと言っても、種類はとても豊富です。今回はスクラップの種類や定義をご紹介します。
スクラップの知識を深めるためには、産業廃棄物についてよく理解しておきましょう。産業廃棄物とマニフェストの関係は、こちらの記事でより詳しく解説しています。解体工事を依頼される際は、必ず理解しておきましょう。
解体工事におけるスクラップとは
解体工事におけるスクラップとは、建材を解体したときに出てくる金属製の廃材のことをいいます。また、廃車になった自動車や古くなった機械、動かなくなった機械もスクラップとして扱われます。
スクラップと呼ばれると「不用品」のイメージがありますが、これらの金属はそれぞれ用途があり、貴重な資源になります。そのため、スクラップは回収されることが多く、買収もされています。
一般的には鉄が多くでますが、その他にもアルミニウム、ステンレスなど、様々な種類の金属くずがあります。
スクラップの行き先
解体業者や産業廃棄物処理業者に集められたスクラップは、スクラップ業者、金属買取業者、リサイクル業者などに届けられ、磁気などを使ってさらに金属の種類ごとに分類されます。
分類された金属スクラップは、破砕・圧縮・切断・粉砕を経て、金属精錬メーカーや資材調達業者に出荷されます。これらのメーカーは、精製された金属を原料として扱い、鉄工所や製品を加工製造する工場などへ供給します。
解体工事で発生する金属屑の種類
解体工事により出てくる金属屑は、その多くがスクラップ業者へ売却する体制が取られています。売却した金額は、解体工事の施主に還元されるケースが一般的です。
解体工事費用から差し引かれる形が多く、見積書では、明細内容に「値引き(金属売却分)」か「有価物買収」などで記載されます。
①鉄屑(てつくず)
主に構造材や柱に使われている鉄骨などの金属のことをいいます。解体工事の中では一番出やすい金属屑になります。鉄くずはさらに、銑くずと鋼くずに分けられます。
②アルミニウム
窓やドア枠などに使用されているサッシは、アルミニウムで作られていることが多く、こちらも発生頻度が高いです。こちらは「非鉄金属」となります。非鉄金属とは磁石にくっつかない、鉄以外のものを主にいいます。
③電線・銅線
解体工事で発生する電線や銅線は、建物内部に張り巡らされている配線で使用されている電線が主になります。電線は、銅とプラスチックの金属屑で、非鉄金属の中では比較的高価なものになります。そのため、高値で買い取ってもらえます。
④一般金属
解体工事をしていく中で、建物に使用されている金属屑とは別に発生するものです。主に金属が使われている調理器具や家庭用品、ステンレスで作られている風呂おけなど、様々な種類があります。
まとめ
スクラップには色々な種類や定義があります。これらを理解して、正しい廃棄物の処理の仕方を覚えましょう。
また、解体業者を選ぶ際は、スクラップなどの産業廃棄物をきちんと適正に処理してくれる業者を選ぶことが重要です。産業廃棄物の適正処理は、工事費用がお得になるだけではなく、環境にも優しいのです。
解体工事では、残念ながら”悪徳業者”も数多く存在します。「壊せば終わり」と考えている業者には要注意です!こちらのページでは解体工事でよく起こるトラブルや、悪徳業者の手口、対処法、優良業者の選び方をわかりやすくまとめています。ぜひご覧ください。