解体工事現場において必ず見かけるのが「職長」という人物です。職長には多くの責任が伴い、解体工事現場においては外すことのできない大事な役割を持っています。
この記事では解体工事現場に必要不可欠な「職長」について、職務内容や役割、職長になるために必要なことなどについてわかりやすく解説をしていきます。
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職長とは
解体工事現場において、作業を行う作業員に対して指揮・監督を行う立場の人のことを「職長」と言います。
作業員を作業種毎に配置を行ったり、作業予定を組んだり、作業員の能力に合った持ち場へ配置を行ったりします。作業員の健康や安全を守るためにも非常に重要な立場となります。
解体工事現場では常に危険が伴いますので、自分の作業にばかり集中してしまい、周りへの注意を怠ってしまうと思わぬ事故が起きる可能性があります。
そういった事故などを事前に防ぐためにも、「職長は各現場に必ず一人は必要」であり、現場を常に確認し、作業員の状態を把握して的確に指示を出す必要があります。
職長の役割
円滑に作業工程が進むように、作業種毎にチームを作り、現場の責任者として安全管理や品質管理、作業員の体調管理などまで行います。それぞれの役割については以下の通りです。
安全衛生管理
作業員が安全に作業が行えるように、現場の管理を行います。
品質管理
成果物が一定以上の品質のものになっているかを管理します。良いものを作るためにも定期的に確認を行い、作業員への指示を行います。
環境管理
解体工事現場内の危険なものや、産業廃棄物などを適正に処理・管理を行います。危険な作業を行う作業員のため、影響にも考慮して気を配る必要があります。
工程管理
現場作業の工程をしっかり把握し、管理を行います。作業が予定通り円滑に進んでいるのかを常に確認し、状況によって作業員の能力毎に人員配置を行ったり、指揮を執ります。
原価管理
現場作業の無駄を無くし、不要なコストを発生させないようにします。効率良く作業を行い、材料などに関してもより安く仕入れられるように管理します。
人間関係・体調管理
体調や健康状態を良好に保っていないと、危険な現場において事故が起きる可能性があります。万が一の事故を避けるためにも、作業員の体調は常に確認・把握しておきます。
円滑に作業が進められるように、働きやすい環境づくりを心がけ、作業員のモチベーションの維持にも努めます。
職長になるには
職長はだれにでもなれるわけではなく、安衛法60条の定めにより、「職長教育を受け、職長教育修了証を交付される」必要があります。
職長教育の内容については、「作業方法や作業員の配置について」、「危険についての事前対策や起きた場合の対処について」、「現場監督者として行うべき労働災害防止活動について」などがあります。
職長教育は2日間にかけて学び、特にテストはありませんが、実技による練習などがあります。
職長教育修了証がなければ、職長として現場の指揮・監督を行ってはいけません。また、一人の職長が何人まで作業員を管理できるというような決まりはありません。
そのため、大規模な解体工事現場の場合、一人の職長では目が行き届かない可能性があるため、複数人の作業員毎に作業チームを分けて、それぞれのチームに職長を一人ずつ配置して現場を指揮・監督する必要があります。
職長の職務内容について
基本的には、作業員が安全かつ効率的に作業を進められるように作業手順を考え、指揮・監督を行います。状況により作業工程を見直して、良くなるように常に改善を図っていきます。
ここでは代表的な職長の仕事の内容をご紹介します。
作業員の教育
作業員に対しては適切に教育指導を行い、作業現場で必要な知識や技能を身に着けさせます。作業員のモチベーションの維持にも努め、現場が雰囲気良く作業が進められるようにします。
作業員毎の能力についてもしっかり把握し、それぞれの作業員に合った指導・指示を行い、指示通りに作業が行えているのかどうかも監督します。
また、作業員に対して指示だけではなく、作業員自身で考えて作業が行えるように、作業方法や改善方法などの提案をさせて、効率的に行動できるように工夫をさせます。
重機の利用
解体工事現場では、重機などの危険な機械も使用するため、事故が起きないように事前に危険性や有害性について確認をしてから作業を行います。危険性や有害性が発生した場合は、速やかに改善を行い、安全を確保してから作業を再開します。
重機などの機械については、定期的に安全衛生点検を行い、異常の早期発見に努めます。
危険の予防
また危険については、職長自身だけではなく作業員にも意識をさせ、現場にいる全員が常に高い安全意識を持つようにします。何か起きてからでは遅いので、何事も事前に確認するように意識づけしましょう。
火災の発生の予防
火災が発生した場合は、被災者の救助を最優先に行い、二次災害が広がらないように努めます。また、安全を確保した後、再発しないように防止対策を忘れずに行います。
まとめ
職長について簡単に解説をしましたが、いかがだったでしょうか。解体工事現場の安全確保について必要不可欠なものが職長になります。
危険や災害について常に意識をして、自分だけではなく大切な作業員を守るためにも、しっかりと知識や経験を身に着けて、事故が起こらないようにしましょう。
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