賃貸借契約を結んでいる店舗は、退去する際には契約期間内に原状回復工事を済ませて返却しなければなりません。
原状回復するにあたって、解体、修繕、工事区分などについてしっかりと理解し、スケジュールを立てていくことが必要になります。この記事では原状回復にまつわる注意点や、具体的にどのようなタイミングで原状回復に取り組んだら良いかについて解説します!
目次
原状回復工事って何?
借りた物件を退去する際には原状回復工事が必要になります。居住用の物件については、大家の負担で行われることが多いですが、店舗の場合は一般的に借り手が費用を負担することになっています。原状回復とは物件を借りる前の状態に戻すことをいい、まれに「原状復帰」と呼ばれることもあります。
物件を退去した時などに聞く「原状回復」とは一体何か?こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご参照ください。
原状回復工事の内容について
ここからは原状回復工事の具体的な内容について見ていきましょう。
内装解体
建物を残した状態で内装だけ解体することを内装解体工事といいます。基本的には建物の構造物以外は全て撤去されます。テナントが入っている場合の原状回復工事などで行われることが多いです。
テナント(借り手)の都合で設置した設備を始め、天井や床材なども取り除き、コンクリート打ちっぱなしの状態まで戻す大掛かりな工事となります。次の入居者が既に決まっている場合は、全てを取り除かず、部分的に残すこともあることを頭に入れておきましょう。
廃棄物の撤去
工事を行うことで排出された廃棄物の処理も原状回復工事に含まれます。これらの廃棄物を処理する義務は原状回復を行う会社が負うことになっています。
今回ご紹介した道具は主に内装解体工事で使用されます。内装解体についてはこちらの記事で詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。
店舗の原状回復っていつからやれば良いの?
まず確認しておくべきことは、現在入居している店舗の退去日までに、原状回復工事を終わらせた上で明け渡す必要があるということです。店舗の場合は契約書で退去日が決められているため、その日から逆算して工事を実施するスケジュールを決めることとなります。
なお原状回復工事にかかる期間は店舗の大きさや状況にもよりますが、30坪程度の店舗で1~2週間、100坪未満なら1か月程度が目安となります。
3~4月などの繁忙期は引っ越し業者のスケジュールを押さえるのが難しいので、退去を決めた時点で引っ越し業者と原状回復工事の施工業者の選定を早めにスタートさせることが重要です。
店舗の退去日決定から明け渡しまでの流れ
原状回復工事業者の選定
原状回復工事業者の選定に際して気をつけたいポイントは下記の5つです。上記のポイントを踏まえて間違いのない業者に依頼することが大切です。また見積りは1社だけではなく、2~3社で行うようにした方が良いでしょう。
1.対応が早い
2.懇切丁寧に説明してくれる
3.配慮が行き届いている
4.確かな技術力を持っている
5.無駄な経費の掛からない直接施工の業者を選ぶ
現地調査
次に行うのは物件の現地調査です。原状回復の認識に関してズレがないように物件の管理会社やオーナーにも同席してもらい工事の範囲や程度などを確認していきましょう。工事範囲を明確にしておかないと、工事金額が通常より高くなってしまうこともあるので注意しましょう。
発注
数社の工事業者から提出された見積書を比較し、工事を依頼する会社を決定していきます。契約内容をしっかり確認し、納得して契約書にサインすれば発注が完了となります。
原状回復工事の着工
2週間~1ヵ月の工事期間を目安に早めに計画を立てましょう。
退去日
この日までに原状回復工事を終了させたうえで店舗の明け渡しとなります。
まとめ
店舗を退去すると決めたら明け渡し日に間に合うように余裕をもってスケジュールを立てることが大切です。ここでもう一度大まかな流れをまとめておきます。
1.賃貸借契約書を確認し、原状回復工事に着手する日程の見当をつける
2.「原状回復の範囲」に関して、管理会社と認識を一致させておく
3.原状回復工事施工業者の見積もりを取り、細かい部分を調整
4.担当業者や管理会社と相談の上、明け渡し日を決定する
「明け渡し日」を工事施工業者や管理会社と共有し、ゆとりを持って原状回復工事に着手してもらいましょう。またの内容についても注意が必要です。
・原状回復工事の範囲
・工事の工程
・明け渡し日
工事施工業者や管理会社、借り手の間の認識にズレがあるとトラブルの元になるので、しっかり情報を共有するようにしておきましょう。
信頼できる解体業者の選び方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照ください。