テナントの退去時は、原状回復をして貸主に物件を引き渡します。原状回復は賃貸契約で義務づけられているものですが、テナントと住居では原状回復の範囲や工事内容が異なるので注意が必要です。
この記事では、テナントはどこまで原状回復をすればよいのか、詳しく説明します。具体的な工事内容や原状回復にかかる費用もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、施工事例ページでも具体例をご紹介しています。私たちの施工事例はこちらからご参照ください。
目次
原状回復の基礎知識はYouTube動画でも解説しています!
原状回復工事の基礎知識に関しましてはウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。この動画では10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひご参照ください。
原状回復とは
原状回復とは、入居前の状態に戻すことをいいます。テナントを借りるとき、新しい事業のため、内装を変えたり、設備を導入したりしますが、退去時にこれらを撤去しなければいけません。このもとに戻すための工事を原状回復工事といいます。
また、テナント契約の場合は、経年劣化や破損の修繕も借主負担で原状回復が必要です。住居目的の物件の場合、経年劣化や通常損耗は原状回復の対象外とされていますが、テナントはそれらもすべて借主負担で修繕します。
テナントの原状回復の範囲
テナントの原状回復範囲は、契約する物件によって条件は異なります。詳しい内容は賃貸借契約書や特約に記載されているので、契約時にきちんと確認しておきましょう。
一般的にテナントの場合、入居前の状態に戻さなければいけないため、自ら取り付けた設備はすべて撤去が必要です。壁や床、照明なども元通りにします。
また、テナントの原状回復は修繕も含まれます。経年劣化による壁の色あせもその対象。通常損耗も、借主が100%負担で修繕する必要があります。中にはテナント退去による解体後の仕上げ工事も、原状回復範囲に含まれていることもあるので注意してください。
テナントの原状回復の工事内容
テナントの工事内容は物件によってさまざまです。多くの場合、先ほど説明した原状回復の範囲が工事内容ですが、詳しい内容は賃貸借契約書や特約で確認してみてください。
工事内容は契約書や特約によって異なる
テナントの原状回復の工事内容は、物件によって細かく分けられています。基本的には、入居前の状態に戻すことが条件ですが、それだけではありません。
借りたテナントをどこまで原状回復をするかは、賃貸借契約書や特約に記載されています。細かい内容が記載されているので、内容を把握できるまで貸主に確認を取ってみましょう。
物件によっては、スケルトン戻しが条件になっているところもあります。入居前とは違う状態ですが、テナントの原状回復は賃貸借契約書に記載されていることが、いちばんの効力を持ちます。
不服がある場合は、契約前に解決しておくことが大切です。
工事期間は1週間~1ヵ月かかる
テナントの原状回復は、物件によって工事期間は異なります。小さなテナントであれば、1週間ほどで工事は完了しますが、大規模なテナントの場合だと1ヵ月かかることもあります。原状回復の工事は退去日までに完了しなければいけないため、早めに動いておくといいでしょう。
工事業者はあらかじめ指定されている場合が多い
テナントの原状回復は、貸主が指定した工事業者で進めることが大半です。指定業者は賃貸借契約書に記載されています。
あらかじめ工事業者が指定されているため工事費の交渉は難しいですが、貸主から了承を得た上で、他社から見積もりを取ってみると良いでしょう。他社からの見積もりを見れば、原状回復の相場も判断できるのでおすすめです。
テナントの原状回復にかかる費用
テナントの原状回復費用は、工事の内容と規模によって大きく異なります。入居しているビルの大きさや立地によっても変動があるので、まず最初に工事業者に見積もりを出してもらうといいでしょう。
他にも、撤去する器材や損耗具合によっても、費用は変動します。入居時に大掛かりな内装工事をしたテナントだと、原状回復費用は高額になりがちです。
各店舗の種類別に、原状回復にかかる費用について見ていきましょう。下記に、一般的な原状回復費用の目安を示します。オーナーや不動産管理会社と交渉する前に、相場感をしっかり把握しておくことが重要です。※紹介する相場はあくまで目安として参考にしてみてください。
店舗の種類 | 原状回復費用の相場(坪単価) |
飲食店 | 5〜10万円程度(20〜50万円ほどかかる場合もあり) |
飲食店以外(小売業など) | 3〜8万円程度 |
美事洋室やサロン | 3〜6万円程度 |
病院やクリニック | 3〜8万円程度 |
オフィス | 2〜10万円程度(20〜30万円ほどかかる場合もあり) |
特に飲食店の場合、厨房設備や給排水設備工事、空調設備などがあるため、他のテナントよりも相場は高めに設定されています。原状回復費用についてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
まとめ
テナントの原状回復は原則、借主が100%負担して工事を行います。またオフィスと違い、テナントの場合は撤去する設備も多いため、費用は高額になりがちです。また、入居後に内装工事をしたテナントは、元に戻すための工事も必要になってきます。
原状回復の工事はテナントの規模によって工事期間も異なるため、早めに工事業者に依頼しましょう。もちろん、私たちウラシコにお任せください!