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ここだけを読めばOK!原状回復ガイドラインの概要を原状回復専門業者が解説します!退去立会い前に気を付けたいこと

クロス張替え

退去立会いで原状回復専門会社社長が原状回復ガイドラインを読み直す姿

「原状回復義務の内容をわかりやすく解説している記事ってないのかな」

「原状回復ガイドラインを見ても内容がよくわからない」

このように、原状回復の範囲を知りたくて調べてたけど、原状回復ガイドラインは細かすぎて頭に入ってこないという方は多いのではないでしょうか。今回は、原状回復ガイドラインの重要なポイントを抽出し、わかりやすく丁寧に解説していきます。

原状回復は、賃貸住宅や店舗、事務所を退去する際に避けては通れない義務です。”貸主・借手側のどちらが負担するか”という原状回復の基本範囲を知らないと、貸主の言いなりになってしまい、借手が原状回復の全てを負担することになってしまう可能性があります。

借手側の原状回復の基本的な範囲(国が推奨しているガイドライン)をガッチリ把握し、必要最低限の原状回復の負担で済むようにしましょう!また、すでにトラブルに発展している場合は、こちらの記事でトラブルの対処法を解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

退去費用が高すぎる!納得いかないときの対処法とは!名古屋の原状回復専門業者が徹底解説いたします

原状回復ガイドラインはYouTube動画でも解説しています!

原状回復ガイドラインをウラシコのYouTubeチャネルでも解説しています。10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。

原状回復ガイドラインとは?

原状回復のガイドラインとは、物件賃貸契約の退去時に、借手が不利にならないように、基本的な原状回復範囲を取り決めたものです。民法(裁判所)の考え方を基盤に作られており、国土交通省が推奨しています。

なお、原状回復ガイドラインは、基本的に アパートマンションや借家などの住居の契約にのみ適用されます。店舗や事務所など、商用目的の賃貸契約には適用されませんので注意しましょう。

原状回復ガイドラインの基本定義は以下になります。

上記3つ定義を基に、原状回復の範囲や誰がどれくらい負担するのかを考える必要があります。

以下のリンクからガイドラインの全文を読むことができますので、お時間に余裕がある方は、ぜひ一度お目通しください(全173ページありますが…)

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

原状回復ガイドラインで抑えておきたい重要な記載

今回は、先程ご紹介した原状回復ガイドラインで重要な部分を抽出しました。それが以下8つの項目になります。

上記の抽出ポイントを頭に入れておくことで、原状回復ガイドラインの概要を抑えるとことができます!それでは、一つ一つ詳しく解説していきます。

①普通に暮らす中で発生した汚れやキズなどの負担は「貸主負担」

借手が普通に暮らしている中で発生した汚れやキズなどは、貸主の負担になります。以下のような例が「借手が普通に暮らしている中で発生した汚れやキズ」とみなされます。

原状回復ガイドラインでは、賃貸借契約書の「特約」の記載が特に無ければ、借主が上記のような傷や汚れの原状回復費用を負担する必要は無い、としています。

②建物の構造が引き起こす劣化と損耗の負担は「貸主負担」

建物の構造上の問題が引き起こした、畳や壁の変色、床材の変色、雨漏り、ガラスの亀裂などは、「経年劣化」とみなされ、貸主の負担となります。

ただし、雨漏りやガラスの亀裂などは、借手が気づいた時点で貸主にすぐに伝える必要があります。

気づいていたにも関わらず、長い期間放置してしまうと、善管注意義務違反(善意のもとに直すことを提案すべき義務を怠った)とみなされ、借主負担と判断された事例があるので注意してください。

③次の入居者のための準備の負担は「貸主負担」

次の入居者のための準備は貸主負担です。以下のものが例として挙げられます。

上記3つは、次の入居者に住んでもらうための原状回復作業となるため、貸主が負担します。ただし、鍵に関しては、紛失や破損してしまっている場合、借手側の負担となるので注意してください。

④不注意や故意により付いた汚れやキズの負担は「借主負担」

借手の不注意や、掃除を怠るなどの故意的な過失によって付いた汚れやキズは、借手が原状回復費用を負担しなければなりません。以下がその一例です。

上記は借手の故意・過失によって起こるものと判断されています。退去立会いの前にできる限り掃除をして綺麗にしておきましょう。

⑤冷暖房や水道、雨漏りについて

2020年4月の改正で、冷暖房や水道、雨漏りなどのメンテナンスは「借手側がメンテナンス業者を手配しても、貸主側が費用を負担する」となりました。

2020年4月までは、「借手側がメンテナンス業者を手配した場合、借手側が費用を負担する」となっていましたが、管理会社にメンテナンスや交換の依頼をしても、直ぐに対処してもらえず、やむを得ず借手側が緊急で手配し、泣きを見るというトラブルが頻発していました。

これを受けて、最新のガイドラインでは、緊急性がある場合に限り、借手の判断で業者を手配していいということになりました。ただし、無用なトラブルを生まないためにも、まずは、貸主・管理会社に一報を入れるようにしましょう。

⑥居住の経過年数と原状回復の負担割合に関して

原状回復ガイドラインでは、経年変化・通常損耗の原状回復費用は賃借人が支払う賃料(毎月の家賃)の中に含まれていると明記しています。そのため、退去する際に借手が経年変化と通常損耗の原状回復費用を支払うと、二重で原状回復費用を支払うことになってしまいます。

原状回復ガイドラインでは、このような二重支払いを防ぐために、借手の入居年数が長いほど、経年劣化と通常損耗の負担割合を減らす方針を立てています。

例えば、壁紙(クロス)の耐用年数は6年と規定されています。つまり、6年以上その部屋に住んでいれば、壁紙の残存価値は無くなったとみなされ、原状回復費用は貸主負担となります。ただし事項で説明する「特約」で記載して合った場合を除きますので注意しましょう。

⑦賃貸借契約書の特約事項に関して

賃貸借契約書に記載されている「特約」は、貸主と賃借人が合意の上で決めているとみなされ、原状回復ガイドラインよりも強い効力を持ちます。基本的に「特約」に関しては、従わなければならいということです。

しかし、あまりにも理不尽な内容、借り手側に不利すぎる内容は、裁判で認められなかった事例もあります。

基本的に以下3つの要件が守られている場合、特約が有効とみなされます。

理不尽な特約をつけられないように、部件契約時は注意しましょう。

⑧トラブルを未然に防ぐための入退去時の物件のチェック

賃貸は契約期間が長く、原状回復の損耗について貸主と賃借人との間でトラブルが起きやすいです。特に口頭やお互いの記憶しか証拠がない場合だと、トラブルが悪化しやすい原因になります。

トラブルを防ぐには、損耗・毀損のチェックリストを活用して入居時に貸主と一緒に確認するといいでしょう。原状回復ガイドラインでも、「推奨チェックリスト」を公開しています。

また、入居時と退去時に、損耗・毀損がある部分の写真や動画を撮っておくなどして、証拠を残すことが重要です。万が一トラブルに発展しても、証拠があれば迅速な解決に繋がります。

原状回復ガイドラインで紹介されているチェックリスト(8ページ目)

入居者が原状回復ガイドラインを活用するためのポイント

原状回復ガイドラインを実際に活用するためのポイントをご紹介します。入居時、退去時に活用してお得でスムーズな退去を実現しましょう。

①原状回復ガイドラインをよく読み、理解しておく

まずは原状回復ガイドラインで定められた内容をよく理解し、抑えておきましょう。賃貸契約時に覚えておいて損は絶対にありません。退去前にもう一度読み返しておくことで、万全です。

②賃貸契約書の「特約」がガイドラインに違反していないかチェック

入居時、退去時に賃貸契約書の原状回復に関する記載が、ガイドラインに違反していないか、内容が乖離していないか、チェックしましょう。原状回復ガイドラインの記載とかけ離れた契約となっている場合、原状回復ガイドラインを引き合いにだして管理会社や大家と交渉しましょう。

③損耗・毀損のチェックリストを活用する

前述の損耗・毀損のチェックリストを活用し、破損や汚れが無いかチェックしましょう。破損や汚れがある場合、退去前に補修や掃除を行いましょう。もちろん、補修は貸主と相談して、許可をもらってから行いましょう。

原状回復ガイドラインの重要ポイントまとめ

原状回復のガイドラインの重要なポイントを抽出し、わかりやすさを重視して解説してみました。改めて、重要ポイントは以下の通りです。

原状回復ガイドラインの取り決めは、借手が不利にならないように作られた重要なものです。上記のポイントを参考にして、理不尽な原状回復費用の負担を防ぎましょう。

また、原状回復工事や退去工事に関するご相談は私たちウラシコへお気軽にご相談ください。大家さんや管理会社任せではなく、自ら原状回復業者を見つけることで、中間マージン等がカットされ減額につながる可能性があります!

原状回復工事費用を下げるコツは、以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

【5分でわかる】賃貸物件の退去費用を下げるアイデア5選!原状回復業者が今すぐできる方法を解説します!

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