
皆さんこんにちは!名古屋の原状回復の専門業者ウラシコです!
「原状回復の適正な範囲を知りたくて調べていたけど、原状回復ガイドラインは細かすぎて頭に入ってこない」という方は多いのではないでしょうか。
今回は原状回復ガイドラインの重要なポイントを抽出し、わかりやすく解説していきます。
”大家(貸主)・入居者(借主)のどちらが負担するか”という原状回復の基本範囲を知らないと、大家側の言いなりになってしまい、不当な原状回復費用を負担することになってしまう可能性があります。
しっかり押さえておきましょう!
また、原状回復ガイドラインのより詳しい解説はYouTubeでも公開しています。10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
- 原状回復ガイドラインとは?
- 原状回復ガイドラインで抑えておきたい重要な記載8つ
- 入居者が原状回復ガイドラインを活用するためのポイント
- 原状回復ガイドラインに関するよくある質問
- Q1.原状回復費用で大家さんと揉めて話が進みません。
- Q2.ペットを一時的に飼ってしまい、クロスの全面張替えを請求されています。どうしたら良いでしょうか
- Q3.ペット可の物件にも関わらず、クロスの全面張替えを請求されています。どうしたら良いでしょうか?
- Q4.部屋の中でタバコを吸っていてクロスの張替え費用を請求されました。どうしたら良いでしょうか?
- Q5.退去時はどこまで掃除すればいいですか?普通はどれくらいやりますか?
- Q6.退去時に提示された原状回復費用の見積りが高すぎる気がします。どうしたらいいですか?
- Q7.敷金なしの物件を借りていて、退去時にハウスクリーニング代を請求されています。必ず支払わないといけない?
- 原状回復ガイドラインの重要ポイントまとめ
原状回復ガイドラインとは?
原状回復ガイドラインとは、賃貸契約物件の退去時の基本的な原状回復範囲を取り決めたものです。入居者が不利にならないように、民法(裁判所)の考え方を基盤に、国土交通省が定めています。
なお、原状回復ガイドラインは基本的に、アパート、マンションや借家などの「住居の賃貸契約」にのみ適用されます。店舗や事務所など、商用目的の賃貸契約には適用されませんので注意しましょう。
原状回復ガイドラインの基本定義は以下になります。
- 通常の使用による損耗や経年劣化は賃借人負担としない
- 故意・過失・注意義務違反による汚れや傷、破損は賃借人負担とする
- 通常の使用を超える使用の損耗や毀損は賃借人負担とする
「賃借人」や「損耗」「注意義務違反」など難しい言葉で定義づけされていますね…。後ほどわかりやすく解説しますのでご安心ください。
以下のリンクからガイドラインの全文を読むことができますので、お時間に余裕がある方は、ぜひ一度お目通しください(全173ページありますが…)
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
原状回復ガイドラインで抑えておきたい重要な記載8つ
先程ご紹介した原状回復ガイドラインで重要な部分を抽出しました。それが以下8つになります。
- 普通に暮らす中で発生した汚れ・キズなどの負担範囲
- 建物の構造が引き起こす劣化(経年劣化)による損耗の負担範囲
- 次の入居者のための準備の負担範囲
- 入居者の不注意によって付いた汚れ・キズなどの負担範囲
- 冷暖房や水道の故障、雨漏りの負担範囲
- 居住の経過年数と原状回復費用の負担割合
- 賃貸借契約書の特約事項について
- トラブルを未然に防ぐチェック項目(ガイドライン公式チェックリスト)
上記の抽出ポイントを頭に入れておくことで、原状回復ガイドラインの要点を抑えるとことができます!それでは、一つ一つ詳しく解説していきます。
①普通に暮らす中で発生した汚れやキズなどの修繕費用は「大家側の負担」
普通に生活する中で自然に発生した汚れやキズについては、原則として「大家側」の負担となります。「借り手」は負担する必要はありません。具体的には、次のようなものが「通常の使用による損耗」と判断されます。
- 家具の設置による床や畳のへこみ
- テレビや冷蔵庫の裏にできる電気ヤケ
- 直射日光による床や壁の変色
- カレンダーやポスターなどを貼った画鋲やピンの跡
- 設備機器の寿命による故障 など
原状回復ガイドラインでは、賃貸借契約書の「特約」に特別な記載(定め書き)がない限り、「通常の使用による損耗」の修繕費を入居者が負担する必要はないとしています。
だだしこれは裏を返せば「特約」の記載内容は原状回復ガイドラインよりも強い効果があることを示しています。特約については後ほど詳しく解説します。
②経年劣化による損耗は「大家側の負担」
建物の構造に起因する劣化(主に自然現象で発生する劣化)や損耗は「経年劣化」とみなされ、大家側の負担となります。経年劣化とみなされる例としては、次のようなものがあります。
- 日光による畳や壁の変色
- 日光によるフリーリングなど床材の変色
- 雨漏り
- ガラスの亀裂 など
ただし、雨漏りやガラスの亀裂などは、入居者が気づいた時点で大家側にすぐに伝える必要があります。
気づいていたにも関わらず、長い期間放置してしまうと、善管注意義務違反(善意のもとに修繕を提案すべき義務を怠った)とみなされ、入居者側の負担と判断された事例があるので注意しましょう。
③次の入居者のための準備は「大家側の負担」
次の入居者のための準備は大家側の負担です。以下のものが例として挙げられます。
- 鍵、網戸、畳などの交換
- ハウスクリーニング
- エアコンの内部洗浄
- まだ使用できるコンロの交換 など
これらは次の入居者に住んでもらうための作業となるため、大家側が負担します。ただし、鍵の紛失(スペアキーを含む)は入居者側の負担となるので注意してください。
④入居者の故意による汚れやキズは「入居者負担」
入居者の不注意や掃除を怠るなどの故意的な過失によって付いた汚れやキズは、入居者が負担しなければなりません。以下がその一例です。
- 食べ物や飲み物をこぼして付いたシミ
- 引越し作業などでついたキズ
- 油汚れやスス汚れ、結露の放置によるカビやシミ
- タバコによるヤニ汚れや臭い
- 落書きなどの壁紙の汚れ
- 壁に釘を打ち付けて家具を設置した釘穴(画鋲やピン程度の穴は除く)
- ペットがつけたキズや臭い
- 水回りの水垢やカビ
上記は入居者の故意・過失によって起こるものと判断されます。退去立会いの前にできる限り掃除をして綺麗にしておきましょう。
また、タバコによるヤニ汚れは頻繁に問題になるため注意しましょう。部屋の中での喫煙は入居者側の故意的な過失とされてしまいます。
⑤冷暖房の故障、水道の故障、雨漏りは「大家側の負担」
2020年4月の改正により、冷暖房設備や給排水、水漏れ・雨漏りなどのメンテナンスについては、入居者がやむを得ず自分で業者を手配した場合でも、原則として大家側が費用を負担する扱いとなりました。
背景には、管理会社へ依頼しても対応が遅れ、緊急対応として入居者が業者を手配した結果、費用負担を巡ってトラブルになるケースが相次いでいたことがあります。こうした状況を受け、ガイドラインが見直されました。
なお、入居者の判断で業者を手配できるのは、緊急性がある場合に限られます。不要な行き違いを避けるためにも、まずは大家・管理会社へ一報を入れたうえで対応するようにしましょう。
⑥居住の経過年数と原状回復の負担割合に関して
原状回復ガイドラインでは、経年変化・通常損耗の原状回復費用は賃借人が支払う賃料(毎月の家賃)の中に含まれていると明記しています。
そのため、退去する際に入居者が経年変化と通常損耗の原状回復費用を支払うと、二重で原状回復費用を支払うことになってしまいます。
このような二重支払いを防ぐために、入居者の入居年数が長いほど、経年劣化と通常損耗の負担割合を減らす方針を立てています。
例えば、壁紙(クロス)の耐用年数は6年と規定されています。つまり、6年以上その部屋に住んでいれば、壁紙の残存価値は無くなったとみなされ、原状回復費用は大家側の負担となります。
| 部材・設備 | 耐用年数 |
| 壁紙(クロス) | 約6年 |
| 畳(表替え) | 約6年 |
| フローリング | 約6年 |
| カーペット | 約6年 |
| 障子紙・ふすま紙 | 約4年 |
| 網戸 | 約4年 |
| エアコン(室内機・室外機) | 約6年 |
| 照明器具 | 約6年 |
| ガス給湯リモコン | 約6年 |
⑦賃貸借契約書の特約事項に関して
賃貸借契約書に記載されている「特約」は、大家側と入居者が合意の上で決めているとみなされ、原状回復ガイドラインよりも強い効力を持ちます。
基本的に特約には従わなければならないということです。しかし、あまりにも理不尽な内容や入居者側に不利すぎる内容は、裁判で認められなかった事例もあります。
基本的に以下3つの要件が守られている場合にのみ、特約が有効とみなされます。
- 客観的に特約の必要性や理不尽でないことが認められ、合理的理由がある
- 賃借人が特約で決められた通常の原状回復義務を超えた修繕義務を負うことを理解している
- 賃借人が特約の負担義務に同意している
理不尽な特約をつけられないように、物件契約時は入念に特約に内容を確認しましょう。
⑧トラブルを未然に防ぐための入退去時の物件のチェック
住居の賃貸契約は契約期間が長く、原状回復の範囲や内容でトラブルが起きやすいです。特に口頭やお互いの記憶しか証拠がない場合だと、トラブルが悪化しやすい原因になります。
入居時と退去時に、損耗がある部分の写真や動画を撮っておき、証拠を残すことをおすすめします。
さらにトラブルを防ぐには、原状回復ガイドラインが推奨しているチェックリストを活用して確認するのがおすすめです。
原状回復ガイドラインで紹介されているチェックリスト(8ページ目)
入居者が原状回復ガイドラインを活用するためのポイント
ウラシコのこれまでの経験から、原状回復ガイドラインを入居者側が賢く活用するためのポイントをご紹介します。
①原状回復ガイドラインをよく読み理解しておく
まずは原状回復ガイドラインで定められた内容をよく理解しておきましょう。覚えておいて損は絶対にありません。またガイドラインの内容は年々更新されますので、退去前にもう一度読み返しておくことで万全です。
②賃貸契約書の「特約」がガイドラインに違反していないかチェック
入居時と退去時に賃貸契約書の「特約」の記載が、ガイドラインに違反していないかチェックしましょう。原状回復ガイドラインとかけ離れた契約となっている場合、原状回復ガイドラインを引き合いにだして大家側と交渉しましょう。
③退去前に損耗チェックリストをチェックする
前述の損耗のチェックリストを活用し、退去前に破損や汚れが無いかチェックしましょう。もしそこで補修が必要な箇所が見つかった場合は、隠さずに大家側に素直に相談しましょう。
こちらから協力的な姿勢を見せることで大家側と良好な関係を保ったまま正しい対処ができます。
原状回復ガイドラインに関するよくある質問
最後に、ウラシコに寄せられる原状回復ガイドラインに関するよくある質問をご紹介いたします。以下のご相談は本当に多く寄せられます。
Q1.原状回復費用で大家さんと揉めて話が進みません。
話が平行線を辿っている場合、専門機関に相談して話を進められることをおすすめします。一人で悩まずにプロに相談してアドバイスをもらいましょう。原状回復に関する相談先は消費者センターや行政の相談窓口などがあります。
Q2.ペットを一時的に飼ってしまい、クロスの全面張替えを請求されています。どうしたら良いでしょうか
残念ながらペットによって傷つけてしまった箇所がある場合は、修繕費用は入居者負担になります。故意・過失・不注意による損耗とみなされてしまうからです。
またクロスは一部の修繕が難しい場合、基本的に全面張替えとなります。敷金からクロスの張替え費用等が差し引かれますが、足りない場合は追加請求となります。
Q3.ペット可の物件にも関わらず、クロスの全面張替えを請求されています。どうしたら良いでしょうか?
ペット可の物件の場合でも、通常を超える損耗と判断されるため、修繕費用は入居者負担となります。ペット可物件は退去費用が総じて高くなる傾向があるため、契約前に賃貸契約書の内容を入念に確認しておきましょう。
クロスだけではなく、爪とぎ傷・臭い・尿ジミなどでフローリングや天井の張替えも請求される場合があります。
Q4.部屋の中でタバコを吸っていてクロスの張替え費用を請求されました。どうしたら良いでしょうか?
残念ながら室内での喫煙による臭いやヤニ汚れがある場合、修繕費用は入居者負担になります。故意・過失・不注意による損耗とみなされてしまうからです。
特にクロスに染み付いた臭いは取りづらく、全面張替えとなるケースが多いです。敷金からクロスの張替え費用等が差し引かれますが、足りない場合は追加請求となります。
Q5.退去時はどこまで掃除すればいいですか?普通はどれくらいやりますか?
退去時は普段通りの掃除レベルで構いません。ただし家具や荷物を取り出した後のゴミは残さないようにしておきましょう。
ゴミがたくさん残っているとクリーニング業者が産業廃棄物として処分しなければならないため、処分費用が発生してしまいます。
Q6.退去時に提示された原状回復費用の見積りが高すぎる気がします。どうしたらいいですか?
まずは、その場でサインせず一旦持ち帰りましょう。そして相場を調べて、相場よりも見積りが高すぎる場合は大家さんに「なぜ高いのか」を確認し、原状回復ガイドラインを引き合いに出して交渉しましょう。
また見積り書の内容を原状回復業者のHPなどに記載されている料金を比較して、高い箇所がある場合は理由を確認しましょう。
Q7.敷金なしの物件を借りていて、退去時にハウスクリーニング代を請求されています。必ず支払わないといけない?
賃貸契約書の特約に退去時のクリーニング代の負担が明記されてる場合は、残念ながら支払わなければなりません。まずは賃貸契約書を確認しましょう。
記載がない場合、「必ず支払う」というルールはありません。ハウスクリーニングは「次の入居者のための準備」とみなされるため、記載がなければ本来は大家側の負担です。
原状回復ガイドラインの重要ポイントまとめ
原状回復のガイドラインの重要なポイントを抽出し、わかりやすさを重視して解説してみました。改めて、重要ポイントは以下の通りです。
- 原状回復ガイドラインは、国土交通省が作成した退去時の費用負担を取り決めたガイドブック
- 賃貸借契約書の「特約」事項がない限り、入居者は経年劣化の修繕費用を支払う必要なない
- 緊急性のある設備のメンテナンスは、入居者の判断で業者を依頼したあとに大家側に請求してよい
- 賃借人の入居年数が長ければ長いほど経年劣化と通常損耗の負担が減る
- 原状回復の特約の履行は、契約時に入居者側の理解と同意、負担の意思表示が必要
原状回復ガイドラインの取り決めは、入居者が不利にならないように作られた重要なものです。上記のポイントを参考にして、理不尽な原状回復費用の負担を防ぎましょう。
また、原状回復工事に関するご相談は私たちウラシコへお気軽にご相談ください。自ら原状回復業者を見つけることで減額につながる可能性があります。
原状回復工事費用を下げるコツは、以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

