2022/01/27
【入居者目線】オフィス退去でよくあるトラブル7選!原状回復業者が解説します
「今のオフィスを退去する際にトラブルを引き起こさないようにしたいと考えている」
「オフィス退去のトラブル事例を知って、事前にトラブルを回避するすべを学んでおきたい」
このように、オフィスの退去で貸主との間でトラブルを発生させないようにしたいと思っている方は、多いのではないでしょうか。この記事では、オフィスの退去でよくあるトラブルの事例を取り上げ、トラブルを防ぐ方法を解説していきます。
特に、原状回復に関わるトラブルは数多く見受けられます。この記事を参考にして、オフィスの退去で貸主とトラブルを引き起こさない行動をとりましょう。また、オフィスの原状回復費用についてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
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なぜオフィス退去でトラブルが起こるのか?
オフィス退去のトラブルは、貸主と借主それぞれんの考え方の違いから起こるのが大半です。契約書に記載されていても貸主と借主の解釈のズレが生じてしまいます。
また、原状回復は範囲が厳格に定められていないので、貸主と借主の原状回復に対する考え方の違いによってトラブルに発展することも頻繁に起こっています。
よくあるオフィスの退去のトラブル7選
オフィスの退去でよくあるトラブルは以下7つです。
- 原状回復費用が高額
- 借りる前から付いていたキズや汚れまで原状回復させられる
- 原状回復工事の日程を巡るトラブル
- 賃貸借契約書に記載のない原状回復を求められる
- 保証金・敷金が直ぐに返還されない
- 契約途中の解約による違約金の発生
- 貸主と借主の原状回復範囲の相違
上記7つのトラブルがなぜ起こるのかとトラブルの対処法をこれから詳しく解説していきます。
①原状回復費用が高額
原状回復工事の見積もりが考えていたよりも高額でトラブルに発展するケースが頻繁にあります。原状回復費用が高額だと感じた場合は、賃貸借契約書を見直してみてください。
賃貸借契約書に「原状回復工事の業者選定は、貸主または管理会社が指定する」と記載されていたら、基本的に指定業者の変更が難しいです。しかし、ダメ元でも相談を持ちかけることは試してみましょう。オーナーもスムーズな退去を求めているため、交渉に応じてもらえる可能性もあります。
また、賃貸借契約書に記載が特にない場合は、借主が業者の指定をできるように貸主・管理会社に交渉するといいでしょう。借主自身で業者を探すと価格交渉ができるため、原状回復の費用を抑えることができます。
②借りる前から付いていたキズや汚れまで原状回復させられる
もともと付いていたキズや汚れの原状回復でトラブルに発展することも珍しくありません。入居してから時間が経つにつれて、もともとあったキズや汚れなのか後から付いたキズや汚れなのかが分からなくなります。
トラブルを防ぐポイントは、証拠を残しておくことです。貸主はキズや汚れのチェックシートを作成して借主と一緒に入居時に確認するといいでしょう。借主は、入居時にキズや汚れがあった際に写真を取って保管しておいてください。
③原状回復工事の日程を巡るトラブル
貸主と管理会社が原状回復工事の業者を指定する場合によく起こり得るトラブルです。貸主・管理会社が原状回復工事の日程や期間を決めてしまい、融通が利かなくなることで起こります。
決まった日程を貸主が借主に伝え忘れていたことによって、トラブルになるケースもよく見受けられます。貸主側の落ち度によって起こるトラブルですが、退去が決まった際は、貸主に原状回復工事の日程について都度確認しておくといいでしょう。
④賃貸借契約書に記載のない原状回復を求められる
たとえば、原状回復でエレベーターなどの共有部分まで補修を求められることがあります。エレベーターなどの共有部分は、賃貸借契約書に記載がなければ、借主が原状回復費用を負担する必要はないです。
しかし、上記のように貸主が賃貸借契約書に記載のない原状回復までも求めてくるトラブルも多々あります。その場合は仲介人を入れるなどして、適切な対処をするようにしましょう。
⑤保証金・敷金が直ぐに返還されない
保証金・敷金が返還されなくてトラブルに発展するケースもよく見受けられます。保証金・敷金を次のテナントを借りる際に使うと考えているオーナーの方も多いでしょう。
しかし、保証金・敷金の返還は、原状回復工事などの精算などが全て済んだ後になされます。退去から3ヶ月〜6ヶ月後に返還されるのが一般的です。最低でも3ヶ月ほどはかかるので、すぐに次のテナントの保証金・敷金に回すことはできないと考えておくといいでしょう。
テナントのオーナー次第で保証金・敷金の返還時期が異なるので、貸主か管理会社に保証金・敷金の返還時期を確認してみるのもいいかもしれません。また、コロナ禍で売上が取れず家賃を滞納している場合は、保証金・敷金から差し引かれると覚えておくといいでしょう。
⑥契約途中の解約による違約金の発生
物件の契約によっては、途中解約の違約金が発生してしまう可能性があります。違約金を巡ってトラブルに発展することも多いです。途中解約による違約金の発生は契約内容によるので、契約時に賃貸借契約をすみずみまで確認しておく必要があります。
また、解約する際は解約する6ヶ月前までに貸主・管理会社に伝えなければなりません。即時解約となると6ヶ月分の賃料を請求される場合もあります。解約予告に関してもトラブルに発展しやすいため、注意が必要です。
⑦貸主と借主の原状回復範囲の相違
どの部分までの原状回復をすればいいかは、貸主と借主の考え方によって異なります。原状回復の範囲を巡るトラブルは、貸主と借主の間で起こるトラブルNo.1と思っておくといいでしょう。
原状回復の範囲でトラブルを起こさないためには、契約時に原状回復の範囲に関する、相違をなくしておくことが重要です。また、原状回復の業者が見積もりを取りに来た際、貸主または管理会社も同行してもらい、原状回復すべき範囲を明確にしておくといいでしょう。
まとめ
この記事では、オフィスの退去でよくあるトラブルの事例を取り上げ、トラブルを防ぐ方法を解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 原状回復工事の業者を借主側が決められるように貸主に交渉すると原状回復費用が高額にならない
- 貸主は汚れ・キズのチェックリストを作成して入居時に借主と確認をする
- 借主は入居時に最初から付いている汚れ・キズなどの写真を撮って証拠を残しておく
- 原状回復工事の日程を巡るトラブルを起こさないためにも原状回復工事の日程を貸主に都度確認しておく
- 特約の記載がない原状回復を求められた場合は仲介人を入れるなどして適切な対処をする
- 保証金・敷金の返還は退去から3ヶ月〜6ヶ月後になる
- 家賃の滞納は保証金・敷金から差し引かれる
- 中途解約による違約金が発生する場合もあるので賃貸借契約書を確認しておく
- 解約予告は退去する6ヶ月前までにしなければならず、即時退去の場合は6ヶ月分の賃料を支払わなけらばならないこともある
- 原状回復範囲の相違をなくすためにも原状回復の見積もりに貸主または管理会社に同行してもらう
オフィスの退去を巡るトラブルは頻繁に起こり、訴訟にまで発展することも珍しくありません。 トラブルを未然に防ぐことが、借主が円満に退去する最適な方法となります。
上記のポイントを参考にして、退去時のトラブルを未然に防ぎ、万が一トラブルが発生してしまったとしても、大きく発展させないようにしましょう。
オフィスの原状回復は特に行程が多い作業です。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。
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