2022/02/06
【マンション退去】原状回復工事って実際何をするの?よくある工事内容を専門業者が解説します。
賃貸マンションを退去する際の原状回復義務について解説します。なお今回は、住居として使用している場合を想定しています。商用目的でマンションを使用されている方は対象とはなりませんので、ご注意ください。
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原状回復の基礎知識はYouTube動画でも解説しています!
原状回復工事の基礎知識に関しましてはウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。この動画では10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひご参照ください。
原状回復とは?
原状回復の定義
原状回復とは、自身が入居していた物件や居室を、住み始める前の状態に戻すことを指します。家具の搬出はもちろんですが、場合によっては、壁紙の張り替えなども含まれることがあります。
国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、ガイドラインと略します。)では、原状回復は以下のように定義されています。
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」 |
具体的にどういうことなのか説明していきます。
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少」
まず、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少」とは、経年劣化や使用による居室内の損耗・故障などのことを指します。
・日照によるフローリングの色落ち
・エアコンやガスコンロなど住宅設備の故障
・家具配置による床の沈み
・不注意による窓ガラスの損壊
・引っ越しの際にできた壁のキズ
・ペットがつけた床のキズ
・室内での喫煙によるクロスの汚れ
など様々なものがあります。
これらの「建物価値の減少」のうち「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損」は賃借人(借主)の責任で原状回復する義務があるとされています。
「賃借人の故意・過失」
では、「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用」とはどのようなものなのでしょうか。
「故意」とは、賃借人(借主)が意図的に行うことで、室内で喫煙を繰り返したことによりヤニ汚れ、DIYのために壁にあけたねじ穴など、故意に発生させた損耗であるとされます。
「過失」とは、意図せずに賃借人(借主)が起こした行為に起因して発生することで、転倒した際にドアノブを破損させてしまった場合や鍵を紛失したことによる鍵交換などが考えられます。
「善管注意義務違反」
「善管注意義務違反」ですが、「善管注意義務」とは、民法400条で定められている「善良なる管理者の注意義務」のことで、賃借人(借主)は入居する部屋の管理をする立場にあるとされるため、一般で考えられる範囲内で注意をしながら、部屋の管理をしなければなりません。
この注意怠ったために、損害が発生した場合には、この「善管注意義務違反」となります。例を挙げると、室内の清掃を怠ったことによるカビやシミの発生や、室内の水漏れに気づいていながら管理会社や大家への報告をせずに、壁や床にシミや腐食を発生させた場合などがあります。
「その他通常の使用を超えるような使用」
「その他通常の使用を超えるような使用」とは、通常の使用方法とは違った使い方をすることや、明らかに度を越えて使いすぎることです。間違った使い方をして機器を故障させることなどが、これに当たります。
定義の重要ポイント
ここで重要になるのが、賃借人(借主)が原状回復しなければいけないのは、「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損」であり、賃借人(借主)の責任ではない経年劣化や通常使用による損耗などは、原状回復の対象外となるということです。
先ほど、原状回復とは、「自身が入居していた物件や居室を住み始める前の状態に戻すこと」と説明しましたが、ガイドラインで示されている原状回復の定義から考えると、「住み始める前の状態に戻すこと」ではなく、「自己の責任によって発生させた損耗などを一般に使用できる状態まで修復すること」であると考えることができます。
厳密にいうと、経年変化や通常の使用による損耗などの修繕費用は賃料に含まれると考えられているため、「住み始める前の状態に戻すこと」でも間違ってはいないことになります。
原状回復工事の費用負担先は?
ガイドラインに示されている原状回復の定義からすると、経年劣化や通常使用による損耗などは貸主側の負担となり、賃借人(借主)の責任で発生させた損耗や毀損は借主側の負担となることになります。
原状回復義務については、基本的に賃貸借契約書で、「借主は契約終了時には本物件を原状に復して明け渡さなければならない」といった文言で明記されています。
ここで、注意が必要なのが、契約書に原状回復に関して特約が存在する場合です。特約で、クリーニング費用や鍵交換費用の負担が記されていた場合には、その特約が有効になりますので、注意してください。
この特約に関しては、一定の要件を満たす場合に特約をつけることが可能であるとしているため、この条件を満たしていない場合には、特約に従う必要はありませんので、明らかにおかしいと感じた際には一度確認してみてください。
敷金を支払っている場合は?
敷金を支払っている場合は、そこから原状回復費用が差し引かれた額が返還されることになります。しかし、原状回復費用が敷金を上回っている場合には、追加で費用を支払わなければなりません。明らかに原状回復の費用が高いと感じた場合には、敷金が充てられていない可能性もあるため確認が必要です。
自然災害による損傷の場合は?
地震や台風など自然災害による損傷は、貸主負担で修理修繕することになります。どちらに責任があるものでもありませんが、法律で決められている以上仕方ありません。
原状回復に関するきまり
原状回復は契約書で定められているわけではありません。以前は、原状回復の範囲や費用負担先などが曖昧な状態であったこともあり、原状回復をめぐる様々なトラブルが発生していました。
このことを踏まえ、国土交通省(当時、建設省)では1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を作成し、原状回復の費用負担のあり方や原状回復すべき範囲についての一般的な指標を示しました。その後、裁判事例及びQ&Aの追加などの改訂を行い現在のガイドラインとなっています。
なお、このガイドラインは、民間賃貸借契約を締結する際に参考にすることを前提としているため、企業が借りている物件やすでに締結済みの契約に関しては対象外になりますので、注意が必要です。
さらに、民法621条でも賃借人の原状回復義務について言及していますが、2020年4月の法改正までは、費用負担に関する明確な線引きはされていませんでした。しかし、法改正で、賃借人(借主)に落ち度がない部分については、原状回復義務を負う必要がないことが明文化されました。
原状回復工事とはどのようなものがあるのか?
ここからは、原状回復工事にはどのようなものがあるのかみていきます。ここでポイントとなるのが、居住年数です。長く住んでいればそれだけ経年劣化の影響が大きいと考えられ、費用が減額されることもありますので、きちんと確認してください。
また、賃借人(借主)負担で原状回復工事を実施しなければならない場合でも、基本的にその施工業者は貸主が指定することになります。業者によって費用が変わってくるため、少しでも安く抑えたい方は、貸主側と交渉次第し、施工業者を変更できるか、確認してみてもいいかもしれません。
それでは、工事の種類にはどのようなものがあるか紹介していきます。
ハウスクリーニング
その部屋の広さや汚れ具合、担当する業者によって費用の変動はありますが、1人くらいのワンルーム、1Kの場合、1.5万~、となっています。ハウスクリーニング費用は、法的には賃借人(借主)が費用負担する必要は無いとされていますが、特約で借主が支払わなければならない旨が記載されていることが多いです。
クロスや下地(ボード)の取り替え
室内での喫煙により、ヤニや汚れが付着した場合やDIYでクロスや下地のボードに穴を開けたり、傷をつけた場合には、原状回復工事の費用は賃借人(借主)負担となります。部屋の大きさや作業箇所にもよりますが、大体2万円〜と考えた方がいいでしょう。
床材の汚れのクリーニング、張り替え
ペットがつけた傷や、物を落とした凹みなど、賃借人(借主)の過失で床につけた傷は、賃借人(借主)負担で原状回復する必要があります。
また、雨漏りでできたシミや腐食は賃貸人の負担ですが、雨漏りを大家や管理会社に報告することなく放置してシミができた場合や、床材が腐食した場合は、賃借人(借主)負担になります。
ただし、家具を設置していたことによる沈みなどは賃借人(借主)負担とはならない可能性が高いです。床材のクリーニングは1.5万〜、張り替えとなると1万〜となります。
水垢やカビのクリーニング
部屋の窓の結露を放置したことによるパッキンのカビやお風呂場の水垢、カビのクリーニングには、1万〜の費用がかかります。窓枠やお風呂場のドアのパッキンの交換などが発生した場合には、値段が高くなりやすいので、注意してください。
キッチンの汚れのクリーニング
キッチン周りの清掃不足や放置などによる焦げや油の付着は簡単に落とせる物ではありません。その程度にもよりますが1.5万〜の費用がかかります。
設置済みの機器の交換・修理
居室に初めから備え付けてある、シンクやコンロ、IHヒーター、エアコン、トイレなどはそれぞれ耐用年数というものが存在し、その耐用年数を過ぎてから故障した場合には、貸主負担での交換・修理となります。
しかし、賃借人(借主)が間違った使い方をした結果として故障させた場合には、借主負担となることがありますので、注意してください。
住むときに気を付けること
では、高額な原状回復工事費用を払わなくてすむにはどうしたらいいのかを少しですが紹介します。
掃除
当たり前のことかもしれませんが、日頃からの清掃が重要です。キッチン周りの汚れや結露によるカビなどは、こまめな掃除で防ぐことができます。日頃からきれいにする習慣をつけることを心がけましょう。
設備の定期的なメンテナンス
ガスコンロや給湯器、エアコンなど、長く使えるものでも正しく使っていても機械ですので壊れることもあります。しかし、定期的なメンテナンスで、防げることもありますので、年に1度くらいはメンテナンスしましょう。
過度なDIYは要相談
昨今で人気のDIYですが、大掛かりなものは退去の際にかなりの原状回復費用が発生することが見込まれますので、事前に大家さんや管理会社と相談し、退去の際にトラブルにならないようにしておく必要があります。
室内を損壊させてしまった場合には、可能であれば火災保険で修繕
すべてをまかなうことができるわけではありませんが、火災保険で修理・修繕できる場合があります。火災保険を使えるかどうか、どの程度補償されているのかは、契約している保険会社によって異なりますので、内容を確認してください。
原状回復に関する節約術は、こちらのカテゴリページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください
まとめ
途中専門的な用語が出てきてわかりづらい部分もあったかもしれませんが、お付き合いいただきありがとうございます。
退去時の原状回復については、さまざまなトラブルが考えられますが、日頃からの心がけ(清掃やメンテナンスなど)で防げることもありますので、参考にしてみてください。
また、マンションオーナー様向けの記事はこちらのカテゴリーでまとめております。ぜひこちらもご参照ください。
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