2025/09/20
アパート内装設備の耐用年数は?原状回復ガイドラインで設定されている基準を解説します
みなさんは耐用年数という言葉を見聞きしたことがありますか。耐用年数とは、アパートやマンションなどの賃貸借を行うときにしばしば見聞きされる言葉ですが、設備や内装が通常使用された場合に価値があるとされる期間です。
例えば、耐用年数が1年のマットがあるとします。そのマットは耐用年数が1年ですので、1年後にはまだ利用できる状態であっても、価値は限りなく0に近い状態であるとみなされることになります。
このように、アパートやマンションに設定されている設備や内装にはそれぞれ耐用年数があります。今回は、アパート内設備の耐用年数を紹介していきます。
原状回復に関する節約術は、こちらのカテゴリページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください
目次
ガイドラインによる耐用年数一覧
まずは、アパート内設備の耐用年数(国土交通省ガイドラインより)を一覧で記載いたします。さっと確認したい場合はこちらの早見表をご参照ください。
設備 | 耐用年数 | 経年劣化(通常使用) | 入居者の故意・過失とみなされる要素 |
フローリング・クッションフロア | 6年 | 家具跡や日焼け跡などは免責 | 重い物を落とした傷、ペットの引っかき傷などは負担発生 |
壁紙(クロス) | 6年 | 日焼け・黄ばみ・自然な色落ちは免責 | タバコのヤニ、落書き、ペットによる傷は一部負担 |
襖・障子紙 | 3年 | 経年劣化は免責 | 穴あけ・破損などは一部負担 |
エアコン | 6年 | 効きの低下や異音・異臭は免責 | 清掃不十分や誤使用による故障は負担発生 |
システムキッチン | 15年 | 水垢や一般的な汚れは免責 | 著しい破損や清掃怠慢によるカビ・錆は負担発生 |
浴室(ユニットバス) | 15年 | 水垢や汚れなど経年劣化は免責 | 著しい破損、清掃怠慢による損耗は負担発生 |
早見表を確認すると最大でも15年であることがわかりますね、ここからはそれぞれの耐用年数の考え方とポイントを詳しく解説します。
アパート内設備の耐用年数
アパート内の設備に関しては、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でその耐用年数が定められていますので、それぞれ紹介していきます。
フローリング・クッションフロア
フローリングやクッションフロアの耐用年数は「6年」と定められており、6年経過後に原状回復を実施する場合、通常の経年劣化部分については賃借人の原状回復費用負担はなしであるとされています。
しかしながら、賃借人の故意・過失による損傷については賃借人の負担による原状回復費用の負担が発生します。たとえば、冷蔵庫などの大型家電やタンスなど大型家具の設置跡や日焼け跡などは経年によるものであり、通常の使用内での損耗であると判断されます。
一方で、重いものを落としてできた傷や、ペットによる引っかき傷など明らかな過失・故意とみなされる損耗については、損耗部分の残存価値に応じて賃借人の負担が求められます。
壁紙(クロス)
壁紙(クロス)の耐用年数は「6年」と定められており、壁紙の黄ばみや日焼け、自然な色落ちなどは通常使用の範囲内での損耗(経年劣化)となり、賃借人の負担は免除されます。
しかしながら、タバコのヤニや子どもの落書き、ペットによるひっかき傷など、通常使用の範囲を超える損耗・汚損については、壁紙(クロス)の張替え費用の一部負担を求められるケースがあります。
襖・障子紙
襖・障子紙の耐用年数は「3年」と定められており、費用負担の考え方は壁紙(クロス)と同様です。襖や障子紙に関しては、壁紙(クロス)と異なり、紙でできている物も多く、少しの衝撃でも損耗してしまうものですので、注意が必要になります。
少し目を離すと、子どもやペットが障子紙に穴をあけたりしてしまうことも考えられます。
エアコン
エアコンの耐用年数は「6年」と定められており、冷風・温風の効きが悪くなる、異音・異臭がするようになるなどは通常の使用をしていても発生するため、通常損耗となり、賃借人の負担にはなりません。
しかしながら、通常とは異なった方法で使用した結果、異音・異臭がするようになった場合にはこの限りではありません。
特に、エアコンは自分で掃除できる箇所が限られており、専門の業者に清掃を依頼しなければならないなどの事情もありますので、清掃が滞りがちです。
ほこりなどが詰まった状態で使用したことによる故障など、過失が認められる可能性が高い所になりますので、他のところよりも気にしてあげるのがいいかもしれません。
システムキッチン
システムキッチンの耐用年数は「15年」と定められており、長期間の使用に伴う水垢や一般的な汚れについては経年劣化となり、借主の負担はありません。
ただし、著しい破損や通常の使い方を逸脱した使い方による損耗については、残存価値や使用年数を考慮して修理・交換費用が発生します。
この時の費用については、国土交通省ガイドラインをもとに負担割合が決定されるため、正確な耐用年数や算定根拠を賃貸借契約締結時に確認しておくことが重要になります。
キッチンで注意が必要なのはカビや錆びです。カビや錆びについては通常使用していれば発生するものですが、普段から清掃を実施していれば、防ぐことができるものでもあります。
よって、ケースバイケースですが、清掃しなければカビや錆びが発生することが想定されたにもかかわらず、清掃を怠ったことで発生させてしまったとして、「過失」が認められ費用負担が発生しますので、注意が必要です。
浴室(ユニットバス)
浴室(ユニットバス)の耐用年数は「15年」と定められており、システムキッチンと同じく、長期間の使用に伴う水垢や汚れについては経年劣化となり、借主の負担は発生しません。
ただし、著しい破損や通常の使い方を逸脱した使い方による損耗、清掃を怠るなどの過失による損耗については、残存価値や使用年数を考慮して修理・交換費用の負担が必要になります。
この時の費用についても、国土交通省ガイドラインをもとに負担割合が決定されることがほとんどですが、賃貸借契約書にこの限りではない旨の記載がある場合には、その内容が著しく不当出なければ有効になりますので、契約の内容をきちんと確認するようにしてください。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」とは
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」とは、国土交通省が定めているガイドラインで、「賃貸住宅の退去時における原状回復について、原状回復にかかる契約関係、費用負担等のルールのあり方を明確にして、賃貸住宅契約の適正化を図ることを目的」(ガイドラインより抜粋)としています。
このガイドラインは、一般消費者向けの内容を定めたものであり、商業用物件の賃貸借契約に関しては適用されませんので注意が必要です。
費用負担の考え方
ガイドライン内では賃借人に原状回復義務がある場合の費用負担の割合について以下のように示しています。
出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
この考え方でいくと、居住から3年経過した場合の負担割合は50%になるとされますので、負担割合は、以下のように考えることができます。
負担割合=(耐用年数 - 入居期間)÷ 耐用年数 × 100%
先の壁紙(クロス)の例で行くと、以下のようになります。
負担割合 = (耐用年数6年 ー 入居期間3年) ÷ 耐用年数6年 × 100 % = 50%
またガイドラインではこのグラフに関して以下のように記述されています。「入居時点の状態でグラフの出発点をどこにするかは、契約当事者が確認のうえ、予め協議して決定することが適当である。」
つまり、入居直前に交換して耐用年数が6年丸々残っている場合には、上記で引用したグラフの通りになりますが、入居時に壁紙(グロス)を交換して3年経過していた場合には、入居時にすでに50%の価値しかなかったということになりますので、新品を利用した時と同じ費用負担を納得いきません。
そこで、契約時にあらかじめ協議しておく必要がある旨の記載がされています。
アパート内設備の耐用年数まとめ
今回はアパート内に設置されている設備の耐用年数について、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に定められている内容について説明してきました。
それぞれの設備には耐用年数が定められており、賃借人の負担で原状回復しなくても良いものもありますので、管理会社などからの言い値で支払いして損することのないように、きちんと覚えておきましょう。
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