2020/12/28
オフィスの原状回復工事期間はどのくらい?基本の流れとスケジュール感を内装解体専門業者が解説します
原状回復のスケジュールの立て方は逆算です。オフィス移転は、物件探しから始まり、移転先のレイアウト決定に着目されがちですが、実はは大変なのは退去に伴う原状回復工事なんです。
スケジュールをきちんと立てておかないと、原状回復工事が長引いて1ヶ月分の家賃を追加で支払う場合もあります。予定以上の追加料金が発生させないためにも基本的なスケジュールの立て方を確認していきましょう。
目次
オフィスの原状回復を考えるタイミング
まずは、退去日を確認しましょう。賃貸契約書に「退去する際には、退去日の○ヶ月前までに貸主に対して、退去する旨を書面により告知すること。」等の記載があるはずです。
解約予告は契約内容により異なりますが6か月前や3か月前が一般的です。退去日には貸主の立ち会いのもと鍵を返却しなければなりません。よってこの退去日から逆算してスケジュールを決めていく必要があります。
注意1:原状回復における個人物件と事業所物件では工期に違いがあります。
個人物件の原状回復工事は、退去後に実施することが多いのに対し、事業所物件の場合は退去日までに実施するという契約になっていることが多いです。
注意2:工事業者の指定がある場合があります。
貸主によっては原状回復工事の指定業者が明示されている場合があります。指定業者が借主のスケジュールで工事ができない場合もあります。
また、見積り金額と予算が合わず交渉が必要な場合もあるので早めに確認しましょう。
注意3:周辺住民への声がけや申請が必要な場合があります。
周辺道路が狭かったり、騒音を伴う工事だったりすると工事可能な時間や曜日が限られてしまう場合があります。余裕をみて対応しないと、退去日に間に合わないことがあるので注意しましょう。
オフィスの原状回復工事の期間
ここでは一般的な期間の相場として例を上げていきます。ただし、貸主が求めている工事によって期間は変わってきますが、あくまで目安としてお控えください。
■30坪程度の事務所は、1~2週間程度
■50坪~100坪程度の事務所は、1ヶ月程度
専門業者に見積もりをとり、早め目にスケジュールを立てましょう!
オフィスの原状回復工事の流れ
①工事業者への問い合わせ
基本的には貸主が指定した業者に依頼する契約になっている場合が多いです。ただし、借主サイドで選べる場合もあるので、契約書を必ず見直して確認しましょう。
指定業者以外でも対応可能な場合は、電話やホームページで業者に見積もり依頼をすることをおすすめします。問い合わせの際は、オフィスの広さや退去日等を明確に答えられる書類をお手元にご用意ください。
②現場調査の立ち会い
問い合わせ内容を基に工事業者の専門家が現場調査を行います。見積書を作成するに当たり大切な現場調査ですので、貸主との賃貸契約書や入居時の図面・現在の図面等の具体的な内容がわかるものを準備しましょう。
③見積書と工事計画書の確認
原状回復の請負業者は、現地調査を基に見積書と工事計画書を作成します。専門家に全て任せっきりにするのではなく、自分の目でしっかり確認することが大切です。わからないことは打ち合わせを通して質問し、貸主や周辺住民とのトラブルが起きないように入念に説明を受けましょう
④契約
金額の折り合いが付けば、工事契約となります。工事期間や工事の時間帯等のスケジュールを明確にして貸主や周辺住民にお知らせすることも忘れずに行ってください。
⑤工事着工
工事中は業者に任せきりにするのではなく、進捗を確認し、連携しながら工事を見守りましょう。いつでも進捗の確認ができる関係性が重要です。
⑤工事確認
工事が終了したら、貸主・専門家の立会のもと現場確認をしてましょう。確認を怠るとのちのち貸主が想定していたものと相違がありトラブルに発展してしまいます。
⑦引き渡し
工事が完了し、貸主への引き渡しとなります。
オフィス移転・退去のスケジュールと注意点
最後に、オフィス移転の際の大まかな一般的なオフィスの退去スケジュールと要する期間をまとめます。新しい物件の内装工事で1~3ヶ月、原状回復工事で2週間~1ヶ月程度かかることを念頭に置いて計画します。
オフィスの退去を決めたら
■契約内容を確認する
■図面等を準備する
■新しい物件を探す
※初動が肝心です。どんなトラブルがあるか分かりません。早めに動くことが大切です。
オフィス退去6ヶ月前
■新しい物件と契約する
■退去したい旨を貸主に告知する
■契約期間中に工事の完了が必要であることを確認する
■原状回復業者に問い合わせる
※入居前の工事にも時間がかかります。また、事業所物件は6ヶ月前に貸主に告知するのが一般的です。
オフィス退去の4ヶ月前
■新しい物件の工事・整備を行う
■原状回復業者と現地調査をする
■工事範囲をを貸主とすり合わせる
■引越し業者を手配する
※現地調査で多くの情報を提供してより正確な見積書を得るために貸主の意向も伝えられるように努めましょう。
オフィス退去3ヶ月前
■各種届出をする
■新しい物件に引っ越しをする
■原状回復業者と契約する
■貸主と周辺住民に工事を告知する
※移転の際は税務署や法務局、社会保険事務所等たくさんの新生が必要になります。忘れずに届けましょう。また、引っ越しの際はエレベーターの使用許可が必要な場合があります。事前に確認しましょう。
オフィスの退去2ヶ月前
■新しい物件で業務が開始される
■原状回復工事を開始する
※工事の進捗は現場に行って確認しましょう。早めの相談が大切です。周辺住民からの苦情等で工事が一時中断されたり、平日の夜しか工事ができなかったりと想定外のことが起こる場合があります。
オフィスの退去1ヶ月前
■原状回復工事の進捗を確認する
■工事が終われば貸主に立ち会いを求める
今回は大規模な移転を想定して早めのスケジュールを立ててみました。注意点も纏めましたが、トラブルになってからでは工事を延期せざる負えなくなります。トラブルを未然に防ぐためにはスケジューリングを早めに立てて余裕を持って行動することが重要なのです。
万が一トラブルが起こってしまった際は専門家に相談することをおすすめします。トラブルの相談先はこちらの記事でより詳しく解説しております。ぜひこちらもご参照ください。
最後に
オフィスの原状回復では退去日までに原状回復工事を終わらることが必須です。事業所物件の場合は単純に明け渡せばいいというわけではありません。物件を明け渡す前には、原状回復工事が完了している必要があるのです。
退去日までに工事が完了しない場合は、追加で家賃が発生することがあります。契約内容を確認し、退去日までに余裕を持って工事のスケジュールを決めることが重要にです。
トラブルが起こった場合は時間がかかってしまうこともあるということを認識し、それを見越した上で余裕をもって行動できるようにしましょう。
また、こちらのページではオフィスの原状回復に関する記事をまとめています。こちらも合わせてご参照下さい。
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