2021/04/18
【2024年更新】オフィスの原状回復費用の相場観|坪単価と見積もりポイント
オフィスを退去するとき、必ず必要になる工事が原状回復工事です。ほとんどの場合、賃貸契約書に退去時の「特約」が記載してあり、借りたときの状態に戻してから貸主(物件オーナー)に返却する義務があります。
オフィスの原状回復費用は決して安くありません。店舗や家の原状回復と比較された方は、高額請求にビックリしてしまうこともあるかと思います。原状回復の相場はある程度決まっているので、事前に相場感を把握しておきましょう。
また、実際の見積もり事例や、基本料金や費用の内訳等は当社料金一覧ページで多数の事例を掲載しています。皆様のオフィスの状況に近い事例もあるかと思いますので、ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
オフィスの原状回復費用の相場感
いくつかの原状回復業者の費用相場を参照したところ、坪単価は以下のようになります。ただし、後述いたしますが、原状回復の費用は物件により大きく異なります。この坪単価はあくまで非常に大雑把な目安であることをご理解ください。
オフィス規模 | 坪単価 |
小規模 | 3~5万円 |
中規模 | 4~8万円 |
大規模 | 8~12万円 |
坪単価は3万円~12万円と大きく差があり、一般的には小規模オフィスは安め、大規模オフィスになればなるほど坪単価が上昇する傾向にあります。中央値は坪単価5〜7万円前後になります。
パッと見ると坪単価の差は少ないと感じられるかもしれませんが、坪単価が3万円違うだけで、総工費では大きな差が生まれます。例えば、50坪クラスで、坪単価8万円だとしたら400万円、坪単価が5万円だとしたら250万円です。
さらに上記の枠に収まらないケースも多数あります。ハイグレードビル、Aグレードビルと呼ばれるような高級ビルや、300坪を越えるような大規模なフロアの場合、坪単価が15万円から30万円まで高騰することがあります。
オフィスの原状回復費用はケースにより異なる
上記で説明したとおり、オフィスの原状回復費用の相場を正確に提示することは難しくなっています。理由は案件ごとに原状回復の規模、入居時にどの程度の造作工事を行ったかはケースごとに大きく異なるためです。
例えば、オフィスを借りた後に、借主負担で、役員室などの個室を作った際の間仕切り壁や、空調の増設、電話線の増強を行った場合それぞれの撤去工事が必要です。
また、通常損耗や経年劣化の度合いも考えなければなりません。さらに工事事業者は指定業者であることが多いため、市場が介入しづらく、属人的な見積もりになりやすいです。
概算が難しい理由をあげるときりが無いですが、基本的に入居から退去までの間の変化が多ければ多いほど、原状回復が必要な項目が増え、費用が上昇する傾向があると覚えておきましょう。
上記のように費用相場の提示が難しいため、早めのタイミングで業者に見積もりを依頼し、相見積もりなどで相場を見極めることが重要です。もちろん、オフィスの原状回復工事は私たちウラシコにお気軽にご相談ください。
そもそもオフィスの「原状回復」とは
相場と合わせて、原状回復について、改めて再確認しておきましょう。原状回復工事とは、大まかにいうとオフィスを借りたときの状態に戻すことを言います。物件や賃貸借契約書の内容により多少は異なる部分はありますが、オフィス物件の原状回復工事の費用は、基本的に借りた側の全額負担です。
具体的には以下のような作業があります。
- 間仕切りの撤去
- デスクや椅子の撤去
- 床のタイルやカーペットの張り替え
- 壁紙の張り替え、塗装
- 天井の補修、交換
- 照明の撤去、管球の交換
- 窓、ブラインドの清掃、交換
このように新しく設置したものは撤去する、使用したものは新しくするという工事になります。例えば、オフィス内に新しく給湯室を作ったら、その給水設備と排水設備を撤去しなければなりません。
経年劣化や故意による破損ではなくても、借りた側が修復や交換を行わなければなりません。細かい内容は賃貸借契約書に記載されているので、きちんと確認しましょう。
こちらの記事では、店舗やオフィスなどテナント退去時に必要な「原状回復工事」について詳しく解説しています。原状回復は、その工事内容や範囲が多岐に渡ります。不要な工事で損をしないように、これから原状回復を依頼される方は、こちらの記事も必ずご参照ください。
オフィスの原状回復費用を安くするポイント
原状回復費用が予想よりも高いと思った人も少なくないと思います。しかし、今回ご紹介するポイントを押さえるだけで原状回復費用が安くなるかもしれません。
オーナーの指定業者以外の業者に見積もりを取る
自分で見積もりを取ると相場がわかり、原状回復業者と交渉する際にも、相場が分かっているだけで値下げの交渉材料になります。また、後述しますが見積書の内容が妥当がどうか確かめることも有効です。
内装解体業者の中には本来やらなくて良い工事を含めて見積もりを出してくる人もいますので注意が必要です。もちろん見積もりは私たち株式会社ウラシコにお任せください。年間1500件以上、原状回復のプロが無料でお見積りいたします。
オーナーと交渉する
オフィスを少人数で利用していたり、借りている期間が短かったら部屋の汚れが目立たないケースがあります。その場合は、原状回復工事が必要か?クリーニング等で済ませられないか?とオーナーと交渉してみるのも一つの手です。
もし、交渉が失敗して原状回復をすることになっても諦めることはありません。次は原状回復工事が指定業者だった場合に交渉ができるかもしれません。指定業者が施工することになったら普通より高い可能性がありますので、指定業者を変更するようにオーナーと交渉してみましょう。
原状回復の見積もりを取るときのポイント
オフィスの原状回復の相場観を正確に提示することは難しいですが、見積内容を把握することで、不必要な工事の排除や原状回復費用を減額できる可能性があります。これから紹介するポイントを抑えて、見積書を入念にチェックしましょう。
賃貸借契約書と見積書を照らし合わせて確認
オフィス契約時の賃貸契約書には退去時の原状回復工事の必要範囲が明記されています。原状回復工事の見積書は、基本的に賃貸契約書に沿って作成されますが、工事内容が詳しく書かれているかチェックしましょう。
オフィスの原状回復は、賃貸住宅とは違いガイドラインが決まっていないため、あいまいになりがちです。例えば「〇〇工事一式」とまとめられて書かれている場合は、その工事の内訳を確認しましょう。
「カーペット張替え」「電話線撤去」など、作業内容を明確に記載してもらった上で、賃貸借契約書と照らし合わせ、工事内容が適切か判断してください。
実面積と見積もり面積が同じか確認
ここにも見積もりの落とし穴があります。まずは、実際に行う工事面積と見積もり面積が同じかチェックしましょう。見積書に記載されている面積は、図面上の寸法に基づいて計算されているため、実際の寸法と計算方法が違います。
見積書の面積が大きくなっている場合、一致していない場合は費用の減額が見込めます。実際の面積は、賃貸借契約書に記載されているので、照らし合わせてみましょう。
工事範囲外の原状回復が含まれていないか確認
原状回復は、借りている物件に対して入居前の状態に戻すことです。オフィスの場合、ビル内に借りていることが多いため注意が必要です。
例えば、ビル内の人が共有で使う通路やトイレ、エレベーターなどは、借主が原状回復しなくてもいい場所です。これらが見積もりに含まれているときは、工事範囲外なので見積もりを作り直してもらいましょう。
オフィス解約時の必要手続きに関しましては、こちらの記事でより詳しくご紹介しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
原状回復の費用相場を把握し、損をしないようにしましょう
オフィスの原状回復は、借りているビルや施設によって相場の変動はあります。ある程度の相場がわかっていれば、借主も原状回復費用を想定しやすいですね。
また相場をチェックする(見積もりを取る)ときは、オフィスの広さだけでなく、人件費や材料費など工事内容も見積書で必ずチェックしてください。
また、オフィスの原状回復は特に行程が多い作業です。最低でも半年から3ヶ月程度の期間を要するとされています。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。
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