2022/05/05
解約予告期間とは?過ぎた場合どうなる?原状回復専門業者が徹底解説します!
「テナントの移転を考えているけど、今のテナントを解約するには何から始めればいいんだろう?」
「賃貸の解約で必須となる解約予告について詳しく知りたい」
このように、店舗の移転や廃業に伴うテナントの退去や賃貸物件の引っ越しなどで、今のテナントや賃貸物件を解約したいけど、解約予告をどのタイミングでどのようにすればいいか分からないと、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、テナント・賃貸物件に関わる解約予告期間の内容から、解約予告期間が過ぎてしまった場合どうなるのかまでを、詳しく解説していきます。
解約予告は、テナント・賃貸物件を退去する際に必ず行わなければならない最初の手続き。解約予告を気にせず、勝手にテナント・賃貸物件の退去を進めていると痛い目にあう可能性が。テナント・賃貸物件の退去で失敗しない、また、スムーズな退去にするためにもこの記事をチェックしてみてください。
目次
解約予告期間とは?
解約予告期間とは、貸主・賃借人ともに物件の解約によって、不利益を被らないようにする決まり事。貸主・賃借人を守る契約と言っても過言ではないでしょう。
たとえば、借りているテナントの解約予告期間が3ヶ月前だった場合、3ヶ月前に賃借人が解約予告をすることにより、貸主は次の入居者を事前に募ることができます。解約予告期間があることにより、賃貸収入を途切れさせなくすることができます。
解約予告は2パターンある
解約予告は、「賃借人からの解約予告パターン」と「貸主からの解約予告パターン」の2種類があります。それぞれ、異なる解約予告になるので、詳しくみていきましょう。
賃借人からの解約予告パターン
賃借人からの解約予告は、一般的によくある解約予告です。賃貸借契約書に記載されている解約予告期間の期限に従って、管理会社または貸主に解約の意思を伝えることをいいます。
貸主の家賃収益を途絶えさせない事や、次の入居者が決まるまでにおこなう原状回復やハウスクリーニングなどの出費の計画を立てられるようにするのが、目的です。
貸主からの解約予告パターン
一般的な賃貸物件ではあまりないですが、店舗やオフィスのテナントでまれに発生するのが、貸主からの解約予告のパターン。建物の老朽化での立て直しや廃業などの正当な理由がある場合のみ、貸主から解約予告をされることがあります。
賃貸の基本的な考え方としては、賃借人を守るように定められています。しかし、ペット不可の物件でペットを飼ったり、家賃の長期滞納、異臭・騒音による近隣の迷惑などは、貸主の契約違反になります。
貸主からの解約予告が認められるでしょう。賃貸契約書に記載されている内容に違反しないようにしていく必要があります。
解約予告期間はテナントと一般の賃貸物件では異なる
解約予告期間は、店舗やオフィスなどのテナント物件と居住用の賃貸物件とで異なることが多いです。解約予告期間にどのような差が生まれるのか見ていきましょう。
貸しテナントの場合
テナントの場合は、解約予告期間が3ヶ月〜6ヶ月と長く設けられていることが一般的です。貸しテナントの場合、「次の入居者が見つかるまでに時間がかかる場合が多い」、というのが理由の一つとなります。
また、テナントは解約予告をしてから退去するまでの間に原状回復をしなければなりません。居住用の賃貸物件は、基本的に原状回復義務はありませんが、貸しテナントの場合は、賃借人が原状回復義務を負うので注意してください。
一般の賃貸物件の場合
居住用の賃貸物件の場合は、1ヶ月〜3ヶ月前の解約予告期間が一般的です。テナントに比べて、次の入居者が見つかりやすい、原状回復する範囲が狭く大がかりな工事の必要性がないなど、貸主が被る損が少ないことが挙げられます。
解約予告から退去までの期間が短い分、事前に退去の計画をしっかりと立てるようにしましょう。
解約予告期間を過ぎてしまった場合はどうなるのか?
「解約予告をするのを忘れてしまって、解約予告期間が過ぎてしまった」なんてこともあり得るでしょう。解約予告期間が過ぎてしまってから解約予告をすると、過ぎた分の費用を家賃の日割り計算で支払うのが一般的です。
貸主との関係性によっては、数日の経過を見逃してくれる場合もあるので、貸主に相談するようにしましょう。契約期間との兼ね合いも大切になってくるため、忘れずに解約予告はするようにしてください。
解約予告をする前にしておくべきこととは?
「賃貸借契約書の確認」と「移転計画」の2つは、解約予告をする前にすべき項目です。どのような点を見るべきか、立てるべきかを見ていきましょう。
賃貸借契約書の確認
賃貸借契約書で確認すべき事項は、主に以下3点です。
- 解約予告期間
- 契約期間
- 原状回復について
まず確認しなければならないのは、解約予告期間。契約書に記されている期間より前に解約予告をする必要があります。契約期間も必ず確認しなければならないポイントの一つ。契約期間より短い期間での退去の場合は、違約金がかかってしまう可能性があります。
契約期間がどのくらいなのか、違約金の有無などを確認しておくといいでしょう。原状回復についても確認しなければなりません。原状回復の範囲はどの程度なのか、原状回復業者の選定の有無、原状回復の特約などを確認しましょう。上記3点に漏れがあると、のちに貸主とのトラブルに発展してしまう可能性があるので注意してください。
移転計画
解約予告を前に、事前に移転や引っ越しの契約を綿密に立てておきましょう。解約予告をした後に次の物件の目星がついていないと、慌てて契約することになり、移転の失敗に繋がりかねません。
移転先が人気の地域の物件だとした場合、移転先の家賃と今の賃貸との二重支払いが発生する可能性も考えられるので、費用の面もしっかりと考えておく必要があります。
解約予告を取り消すことは可能なのか?
解約予告をした後に、やっぱり解約をやめたいとなる場合もあるでしょう。解約予告後に解約予告を取り消すことは、可能な場合と不可能な場合があります。
たとえば、解約予告をした後に、貸主が新しい入居者を募り、次の入居者が決まってしまっている場合は、解約予告を取り消すことはできません。反対に、次に入居者が決まっていない場合は、解約予告を取り消すことができる可能性があります。
貸主の次の入居者募集に対しての進捗状況によって左右されるため、解約予告の取り消しをしたいのであれば、貸主に相談して引き続き長く借りる誠意を見せるようにしましょう。
まとめ
この記事では、テナント・賃貸物件に関わる解約予告期間の内容から、解約予告期間が過ぎてしまった場合どうなるのかまでを、詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 解約予告期間とは、貸主・賃借人ともに物件の解約によって、不利益を被らないようにするルール
- 賃借人は賃貸借契約書に基づいた解約予告期間前に解約通知をする
- 貸主は、老朽化の建て直しなど正当な理由がある場合のみ賃借人に対して解約予告ができる
- 貸主から賃借人への解約予告は6ヶ月前までにおこなう必要がある
- 貸しテナントの場合は、解約予告期間が3ヶ月〜6ヶ月と長く設けられていることが一般的
- 居住用の賃貸物件の場合は、1ヶ月〜3ヶ月前の解約予告期間が一般的
- 解約予告期間を過ぎてしまった場合、過ぎた分の費用を家賃の日割り計算で支払うのが一般的
- 解約予告をする前に賃貸借契約書の「解約予告期間」「契約期間」「原状回復について」を確認しておく
- 次の入居者が決まっていない場合は、解約予告を取り消すことができる場合がある
解約予告期間は、貸主と賃借人が気持ち良く契約を終わらせるためにあります。どちらかが解約予告期間を逸脱してしまうと、トラブルに発展してしまうでしょう。上記のポイントを確認して、賃貸契約をスムーズに終わらせるようにしましょう。
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