2022/04/30
解体工事でよくあるトラブル11選!業者とのトラブルを防ぐ対処法と起きてしまったときの相談先もご紹介します
今回は、解体工事の際におこりやすいトラブルを紹介します。また、どうすれば回避できるのかも併せて紹介しますので、解体工事を含むリフォームを考えている方はぜひ一度確認してみてください。
またトラブル対処動画はYouTubeチャンネルでもご紹介しています!10分で分かりやすくまとめていますので、ぜひこちらもご参照ください。
目次
解体工事のトラブル例と対応策
それでは、解体工事ではどのようなトラブルがあるのか、それを防ぐためにどのような対策が必要なのかを説明していきます。
工事前の挨拶がない
通常であれば、工事業者が工事前に近隣住宅を訪問し、工事の期間や日中の作業時間などをお伝えして回ります。しかし、この挨拶やお知らせをしなかったために、工事開始後に騒音・振動・ほこり・粉塵、作業時間や作業内容についてのクレームを受け、トラブルになる可能性があります。
また、隣地に足場を設置したり、トラックなどを駐車したりする必要がある場合には、当然ながら借用許可をもらわなければなりません。この確認をしておらず、勝手に駐車してトラブルに発展することも考えられます。
さらに、事前に知らせていた工事時間外に作業を行い、騒音や振動で近隣の迷惑となり問題になる可能性もあります。
工事前の挨拶がない場合の対策
基本的に工事前の挨拶は、工事業者と施主(依頼者)が一緒に訪問するのがベターです。普段から関わりを持ちやすい施主が一緒に訪問することで、それからの関係性が良好になる可能性もありますし、立ち入りなどのことも了承していただける可能性が上がります。
工事業者からは、作業内容や作業時間、作業期間などを説明するとともに、どのような影響が出るのかなどの説明をしてもらう必要があります。工事前には、工事業者に挨拶回りについて確認するとともに、一緒に回る場合には訪問日などの調整を行うなどきちんと打合せをしておきましょう。
また、工事業者には事前の取り決めやマナーを十分守るように念押ししておく必要があります。工事前に一緒に確認するといいでしょう。
養生・足場の不備による近隣への影響
通常、工事前には、工事箇所の周りに足場を組み、騒音・振動の軽減、ほこり・粉塵の飛散防止のために養生を施します。
この足場や養生の設置をきちんとやっていなかったり、養生に使用しているシートや機材がボロボロであったりする場合には、騒音・振動はそのまま外部に伝わり、ほこり・粉塵は外部に漏れることになります。その結果、近隣住居に影響を与え、トラブルになることがあります。
養生・足場の不備対策
養生に関するトラブルは意外と多く、近隣トラブルに発展する原因となっています。養生に関しては、見積もりの際に養生費がきちんと記載されているか、適正な値段になっているかを確認してください。
安すぎる場合には、ボロボロのものを使用する可能性もありますので、どのようなものを使うのかきちんと確かめてください。また、養生を行っているところをしっかりと確認することも場合によっては必要かもしれません。
ここで注意したいのが、きちんとした足場や養生を設置していても、騒音・振動・ほこり・粉塵の問題は発生しうるということです。きちんとした対策を行っているにもかかわらず、トラブルとなる場合には、別途対応が必要ですので、工事業者などと相談しましょう。
路上駐車
工事中は、作業場の近くに工事車両を駐車することになりますが、この時にトラックが道をふさいでしまい、渋滞が発生するという問題がよく起こります。
やむなく道路に工事車両を駐車する場合には、事前に警察署などに申請をしなければなりませんが、これを怠っていたために、指導や勧告を受けるなどの問題になる可能性があります。
路上駐車対策
工事業者を選定する際に、きちんとした資格や許認可を保有している会社かどうか確認してください。資格や許可を持っていない業者である場合、後々問題になります。また、その会社の実績がどれくらいあるのか、狭所での作業経験があるかなども一つの目安になりますので、確認してみてください。
追加料金の請求
追加料金を請求される場合としては、主に次の2つが考えられます。
①見積もりの提示で、産業廃棄物の処理費用や養生費用など必要な分を記載していなかったり、少なく見積もったりしている場合
②事前調査では把握できなかった浄化槽などの撤去が必要となり、施主に確認することなく勝手に工事を行う場合
追加料金の対策
見積書を受け取ったらまずは見積もり項目の詳細を確認してください。養生費、施工費、産業廃棄物処理費など項目ごとに適切な見積額が記入されているか、不自然な工事項目はないかなど確認が必要です。
この際に、追加で費用が発生する可能性はあるのか、発生した場合どれくらいの追加になるのかなどを確認し、可能であれば見積書に明記してもらいましょう。
作業員の素行不良
いざ工事が始まった後で、作業員の素行が問題となる場合もあります。作業を見に行った際に、私語ばかりで作業が進んでいなかったり、路上で喫煙していたり、大声で話していたり、近隣の方からのクレームなどに威圧的な態度をとったりと、近隣への迷惑になるような行為を行っている可能性があります。
作業員の素行不良対策
依頼を検討している業者の口コミを参考にしたり、実績を確認しましょう。態度が悪い業者(スタッフ)を事前に見つけることは難しいですが、口コミや実績などをよく見比べることで、優良な業者(態度が良い業者)を見つけるヒントになります。
詐欺、工事の放棄
これが一番最悪のパターンですが、代金を振り込んだのに、なんの作業も行わずに放置される場合があります。いわゆる詐欺のようなものですが、こうなってしまうと連絡が取れなくなるなどして、泣き寝入りするしかなくなってしまいます。
詐欺、工事の放棄の対策
本当に大丈夫な会社か怪しい場合には、その会社の口コミを調べたり、会社の住所を調べ本当に存在する会社なのかを確認したりする必要があります。役所に行けば、会社の登記などを確認することもできますので、心配な方は問い合わせてみるのもいいかもしれません。
隣家への損害
工事の際に、何かの不手際や突風などの自然現象により足場が一部崩れたり、がれきなどが一部飛んでいったりすることで、隣家を破損・汚損させてしまったり、隣家へがれきや泥が流れ込み車や庭を傷つけたりする可能性があります。
最悪の場合には、通行人や車にものを落下させけがをさせてしまう場合も考えられます。通常であれば、工事業者が責任を負うことになりますが、工事業者が損害賠償保険に加入していなかった場合には、十分な保証がされないため、施主にまで賠償を請求される可能性があります。
隣家への損害の対策
工事を依頼する業者が、きちんとした保険に入っているか事前に確認してください。また、口コミなどを参考にして作業中のミスがおこっていないか、もし起こっていた場合の対処は適切であったかなども可能であれば調べてみてもいいかもしれません。
産業廃棄物の不適切な処理
解体工事で発生した産業廃棄物を不法投棄したり、アスベスト(石綿)など特殊な処分が必要な廃棄物を適切に処理しない場合には、それが原因で問題が起こった際には施主の責任になることがあります。
特に、アスベストを処分する場合には、行政への届け出が必要な場合もありますので、これを怠っていると問題になります。
産業廃棄物の不適切な処理の対策
きちんとした業者であれば、解体工事で発生した産業廃棄物が最終処分されるまでの過程を示すマニフェスト(産業廃棄物管理票)という書類を発行してくれます。工事が終了したら、このマニフェストを確認して、きちんとした処理がされたか確認してください。
工事の遅延
天候など諸々の理由で工事がストップしてしまうのはいたし方ありませんが、それ以外の正当な理由なく工事をストップしていたり、なんの報告もなく工事の遅延が発生していることがあります。
その後リフォームや引き渡しの期日が決まっている場合には、そちらにも影響を与えてしまうことにあり、最悪の場合施主が遅延による損害賠償を請求されてしまうことも考えられます。
工事の遅延対策
工事業者を選定する際には、十分な実績があるかどうか、工程に無理がないかなどを確認してください。また、見積もりの際に工程表なども一緒に出してもらい、工事期間中に自分で工事を確認しに行き、進捗を確認しましょう。
正当な理由や通告なく遅延する場合には、損害賠償請求なども視野に入れてもいいかもしれません。
工事内容の不一致
事前に打合せをして工事内容を詰めているにもかかわらず、工事が終了して確認してみれば必要な工事がなされていなかったり、逆に必要のない工事をしていたりする場合があります。
これは、依頼する会社と作業する会社が別の会社である(作業は下請け会社に丸投げしている)場合や現場監督から作業員まできちんと伝達されていないことが原因で起こります。
工事内容の不一致の対策
事前の打合せの際に必要な作業を書面でまとめ、その内容を契約書に盛り込んでもらったり、工事期間中に工事を見に行き作業を確認しましょう。
ただし、あまり頻繁に訪問したり、連絡を取ったりすると逆に工事に影響が出る可能性もありますので、節度には注意しましょう。
整地作業がずさん
解体工事を行い、更地にする場合には、産業廃棄物の撤去後、残っているゴミなどを清掃し地面を平らにする整地を行うのが普通です。しかし、ゴミが残ったままになっていたり、整地されていなかったりする場合があります。
整地作業がずさんな時の対策
まず、工事の内容に整地まできちんと含まれているかどうかを確認し、工事の終了連絡があった場合には、きちんと整地まで行われているか確認してから残債を支払うようにしてください。
精算後に整地ができていないことを訴えても、対応してもらえない可能性もありますので、支払いをする前にきちんと確認することが重要です。
必要書類を発行してもらえない
解体を行った際には、解体業者に建物取毀(こわ)し証明書を発行してもらう必要があります。この証明書がないと、解体が完了したことにならず、建物滅失登記を行うことができません。
必要書類を発行してもらえないときの対策
工事を依頼する前にこれらの書類をきちんと発行してもらえるか確認するとともに、口コミなどできちんと対応してもらえそうか確認してください。どうしても発行してもらえない場合には、法的措置をとることも視野にいれなければなりませんので、後述の相談先に相談してみてください。
解体工事トラブルの相談相手
それでは最後に、トラブルになった際の相談先3つをご紹介します。
弁護士
トラブルの相談で、一番に思いつくのが弁護士ではないかと思います。法律の専門知識をもち、交渉や書類の作成・送付などの対応も任せることができます。
実際に裁判となった場合にもそのまま任せておけますし、これまでの流れを把握しているため、新たに状況などを説明する必要などもありません。相談だけでも費用が発生することが多いですが、一番安心して任せることができる存在ではないでしょうか。
場合によっては、無料相談などの機会が設けられている場合もありますので、調べてみることをお勧めします。
ここで注意したいのが、弁護士なら誰でもいいという問題ではありません。弁護士の中でもそれぞれ専門にしている分野があります。民事専門の弁護士がいたり、刑事事件専門の弁護士がいたりします。
実際に相談する場合には、不動産トラブルや民事訴訟に詳しい弁護士に相談しましょう。インターネットで検索すれば不動産関係の問題を多く扱っている弁護士が見つかるかと思います。費用が安いからという理由だけで相談相手を決めず、信頼して任せられる実績のある専門家を探してください。
法テラス
聞きなれない人も多いかと思いますが、法テラスとは、民間のトラブル解決のための総合案内所として、国が2006年に設立した法人です。
万人が地理的制約にとらわれることなく、法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにという理念のもと、メールや電話などで相談できるほか、全国各地に拠点があり適切な支援を受けることができます。
法テラスで実際に相談を受けることはもちろんですが、適切な相談相手(弁護士など)を紹介してくれたりする強い味方です。不動産に強い弁護士をさがしているけどなかなか見つからない場合などにも、連絡してみるといいでしょう。
国民生活センター(消費生活センター)
相談する場所として、国民生活センター(消費生活センター)を思い浮かべる方もいるかもしれません。最近では、テレビCMなどでも名前を耳にする機会が増えてきました。
国の機関であることから多数の方から問い合わせがあるため、相談したい内容と似たような事案が多数寄せられている可能性が高く、どのように対処すればいいか教えてくれる可能性は高いです。
ただし、必要な手続きはすべて自分でしなければならないため、役所などが遠方にある場合などはあまりお勧めできません。また、国民生活センターは、個人(消費者)を守るための機関であり、法人(事業者)のトラブルは扱っていませんので、注意が必要です。
まとめ
最後に、工事を行うとなった際に、ここだけは注意してほしい点をまとめてみましたのでご確認ください。
・見積もりは工事内容、期間、見積額など細部まで確認する
・工事業者の実績や口コミを確認する
・工事業者が保険に加入しているか、申請や許可、登録を行っているか確認する
・工事前の近隣への挨拶は絶対行う
・任せきりにせず、工事の経過を自分で確認する
・廃棄物をきちんと処理しているかマニフェストを確認する
少しでもトラブルなく終わるために、不明点があればきちんと確認し、不安や心配な点が残らないように事前の準備をしっかりと行ってください。
必要に応じて、他の会社に相見積もりを依頼した際に確認してみたり、専門家に聞いてみるなど外部の意見を柔軟に取り入れることも必要ですので、一人で考えずに気軽に相談しましょう。
もちろん、私たちウラシコにもお気軽にご相談ください!
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