2021/07/15
原状回復のA工事、B工事、B工事とは?工事区分について解説します
テナントを借りるときに行う工事に、a工事、b工事、c工事があるのは知っていますか?それぞれがどのような区分の工事なのかは、退去する際の原状回復工事にも関係してきます。
今回は、原状回復のa工事、b工事、c工事の工事区分について解説していきます。ポイントは、工事をおこなう業者の発注と指定、工事費用の負担を誰がするのかです。
目次
原状回復とは
まず原状回復について簡単に説明します。原状回復とはテナントを退去するときに、店舗の業態に合わせた家具や内装、設備などをすべて元の状態に戻し、テナントの劣化や破損の修理をすることを指します。
原状回復を行う際に行われる工事を、原状回復工事と呼びます。入居する際、新しくに設置した設備は撤去しなければいけません。また、損耗が生じた場所にも原状回復工事を行う義務があります。
店舗やテナント退去時に必要な「原状回復工事」について詳しくまとめています。詳細に関しては以下の記事をご参照ください。
原状回復工事を行うときにも工事区分が関係してくる
原状回復工事を行うにあたっても、a工事、b工事、c工事のどの工事区分になるかによって変わります。違いはテナントの入居者側とオーナー側で工事の発注、業者の指定、費用の負担です。それらによって3つの区分に分けられます。
3つの工事区分
行われる原状回復工事がa工事、b工事、c工事の3つのうちどの区分になるかは、基本的にビルの工事区分表に記載されているので、必ず入居前にも確認しておきましょう。
A工事
工事の発注:オーナー
業者の指定:オーナー
費用の負担:オーナー
まずa工事は、テナント全体でオーナー側の資産となる建物全体や共用の通路、壁、床、空調設備、防災設備などに対し行われる工事を指します。工事の発注、業者の指定、費用の負担まですべてオーナー側が行います。
テナント退去時の原状回復工事において、a工事の場合は入居者側に工事の負担はありませんが、入居者側に費用負担が生じるケースもあります。入居者側が誤って共用部分を破損してしまった場合には、オーナー側から修理費用を請求されることがあります。
B工事
工事の発注:入居者
業者の指定:オーナー
費用の負担:入居者
次にb工事は、内装や空調設備、照明などを入居者側の希望で借りたときの状態から変える工事のことを指します。a工事との違いは、工事の発注と費用の負担は入居者側ですが、工事業者の指定はオーナー側によって行われます。
b工事の例を挙げると、入居者側がパソコンなどを多く使用するので、電気容量を増やす工事を行う場合や、飲食店などで新しい厨房設備を増やしたい場合などに行う工事です。
こうした工事は入居者側の要望で行うため、原状回復工事においてもb工事が主体です。一方で、工事業者の指定は、オーナー側が行うことになります。これは、建物の構造をよく知る業者に依頼することにより、トラブルや工事の作業ミスを減らすことができるからです。
C工事
工事の発注:入居者
業者の指定:入居者
費用の負担:入居者
3つ目のc工事は、テナントの資産に分類される設備や品物に対して行われる工事なので、入居者が費用を負担することになります。b工事との違いは、工事の発注から工事業者の指定、工事費用の負担まで全て入居者側が行うことです。
例えば、配線工事や床、壁紙の貼り替え、照明器具の取り付けや撤去など内装工事がc工事にあたります。
工事して設置したものの所有権は入居者側にあるので、原状回復工事にも関係してきます。入居時に行った内装工事は、退去時には解体するため原状回復工事が必要です。
しかし、テナントの原状回復工事はオーナー側指定の業者に依頼することが多いため、b工事に分類されることが多いです。契約の内容によっては、内装工事を入居者側で依頼したところに原状回復工事も依頼することができるので、その場合はc工事となります。
工事区分を知って得するポイント
今まで紹介してきた3つの工事の違いを知ることで、原状回復工事で得するポイントがあります。
①事前にトラブルを回避できる
a工事、b工事、c工事の区分は、あいまいな部分も多く、テナントによって異なります。そのためどの工事区分になるのかでトラブルになることも多くあります。
a工事の場合、すべてオーナー側の負担で工事を行うため、入居者側は原状回復をする必要がありません。しかし、入居者側が付けた傷などと判断されると原状回復を行う必要があるといわれるのです。
入居する前にある傷や破損は写真を撮って残しておくか、内見の際に、オーナーと一緒に確認しておくと良いです。また、工事区分や原状回復についての契約内容は最初にしっかり確認しましょう。契約書の中に記載されていると工事区分や費用負担を変更することができなくなります。
ある程度の知識を入れておくことと契約内容をしっかり把握することで、事前にトラブルを回避することができます。
②退去にかかる費用を安くできる可能性がある
b工事では、費用を負担するのは入居者側ですが、入居した物件の所有権は、多くの部分がオーナー側にある点に注意が必要です。原状回復工事を行う場合、オーナー側としてはできるだけ信頼のある業者に頼みたいので、高くても安心して任せられる業者を選ぶことが多いです。
そのため値段交渉があまりされず、見積もりが費用相場より高くなりやすい傾向にあります。店舗やオフィスなどテナント移転や退去の際、思いのほか工事費用が高くなってしまう可能性があるのです。
工事費用の見積もり内訳をみて疑問に思う部分があれば、工事区分表を確認し、別の業者と相談しながらオーナー側に費用の交渉することもできます。
原状回復工事の際は、b工事として行われる見積もりの中に、c工事として行うことができるものが含まれることもあります。工事区分が変わるだけで、費用の削減にもつながりますので、工事区分と見積もりの内訳はしっかり確認しましょう。
原状回復工事前に注意すべき点はいくつかあります。特に見積もり時や請求時にはトラブルが発生する可能性が高いので、事前に押さえておきましょう。ぜひ合わせてご参考ください。
まとめ
3つの工事区分を簡単にまとめると、a工事はテナント全体の工事のことを指し、オーナー側が業者を指定・発注し、工事費用もすべてを負担します。
テナントの構造に関わる重要な工事も所有権を持っているオーナーは行うことができます。具体的には、建物の外装、階段、エレベーター、消防設備、共用トイレなどを工事はa工事となります。
b工事は入居者が必要な工事を発注し、工事費用を負担しますが、オーナーが指定した業者が工事をおこないます。b工事に区分されるものは、テナントの安全性に影響を与える可能性が多くあるため、オーナー側が指定した業者で工事を行うのです。
具体的には、排水設備、換気設備、防水設備、配線などの工事がb工事となります。原状回復工事もb工事の区分で行われることがほとんどです。
c工事は、内装工事を指すことが多いです。具体的には、照明器具の設置、壁紙の張り替え、床の張り替え、仕切りの設置、カウンターの設置などの工事がc工事となります。3つの違いを知っておくことで、事前にトラブルを回避できたり、工事の費用を安くできたりします。
3つの工事区分の違いを把握しておき、業者との交渉をスムーズに進めましょう。その他、原状回復についてわからないことは、お気軽にお問い合わせください。
オフィスの原状回復は特に行程が多い作業です。最低でも半年から3ヶ月程度の期間を要するとされています。オフィスの原状回復で必要な工事、手続き、行政処理はこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご参考ください。
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