2021/12/08
オフィスの退去に必要な手続き・流れを原状回復専門業者が徹底解説します

今回はオフィス退去の流れをわかりやすく整理し、押さえておきたい注意点をウラシコの視点で解説していきます。
オフィスの退去では、手順の把握から必要な手続き、そして注意すべきポイントまで、事前に理解しておくことがとても重要です。移転や会社の廃業に伴って避けて通れないのが、テナント退去に関わるさまざまな手続きです。
またオフィス退去の流れはYouTubeでもご紹介しています。ぜひこちらも合せてご参照ください
目次
オフィス退去をする際に一番最初に確認すること

オフィスの退去をする際は、退去を考えている6ヶ月前までに、管理会社に連絡をして賃貸借契約書の確認をしましょう。賃貸借契約書の中で必ず確認しておくべきポイントは以下4つです。
- 原状回復工事の指定業者があるか
- 原状回復の指定範囲
- 解約予告期間はどのくらいか
- 敷金・保証金の返却時期
上記のポイントは、オフィス退去時にかかる原状回復の費用や期間を大きく左右するので、詳しくみていきましょう。
原状回復工事の指定業者があるか
基本的にテナントの原状回復の業者は、テナントのオーナーによって指定されている場合が多いです。なぜかというと、テナントの構造を熟知している業者に、原状回復の工事を任せるのが最適だからです。
しかし、中には原状回復工事の指定業者がないテナントもあります。業者の指定がされていな場合は、借主側が業者を探さなければなりません。賃貸借契約書の原状回復項目を確認して、指定業者があるのかないのかをしっかりと確認しておきましょう。
原状回復の指定範囲
どこまでの原状回復が求められるのかも必ず確認しなければなりません。契約の内容によって、原状回復の範囲はさまざまです。
電気などの設備機器や壁紙などを残す場合もあれば、設備機器なども全て取り払った、スケルトン状態にする場合もあります。
特に注意すべきなのが、居抜き物件のオフィスを借りた場合です。居抜き物件のオフィスは、退去時も居抜きのままで返却するとは限りません。契約によっては、スケルトン状態で返す必要があります。
賃貸借契約書に記載されている原状回復の範囲に従って、原状回復をすることが求められるので事前に把握しておきましょう。
解約予告期間はどのくらいか
オフィスの退去をする際には、事前にテナントのオーナーに対して退去する旨を伝える義務があります。テナントの空室期間を最小限に抑え、オーナーの収入を維持するためです。
一般的には、6ヶ月前に解約予告をする契約が結ばれていることが多いです。テナントによっては、2ヶ月や3ヶ月などさまざまな期間が定められているので、事前に確認して早めの報告をしましょう。
敷金・保証金の返却時期
敷金・保証金は、退去時にすぐ戻って来ないので注意しましょう。敷金・保証金は、「1ヶ月以内に」「3ヶ月以内に」など契約書に記載されている時期に返還されます。
新しいオフィスの敷金や保証金に、退去するテナントの敷金や保証金を充てることはできないので注意してください。
オフィス退去の手順

オフィスの退去は、これから紹介する5つの手順を踏んでいくとスムーズに進むでしょう。補足情報も併せて参考にしてみてください。
1. 最初にやるべきことは“解約の申し入れ”
まず重要なのは、貸主または管理会社への解約通知です。多くの場合は 3〜6ヶ月前通知 が必要で、遅れるほど無駄な家賃が発生します。
ウラシコではお客様の退去スケジュールを伺い、適切なタイミングでの通知をアドバイスしています。
2. 原状回復の範囲確認
契約書やガイドラインによって、工事の範囲は大きく異なります。「どこまで戻すべきか」が曖昧なまま進めてしまうと、退去立ち会いで“やり直し”を求められることも。
ウラシコでは、管理会社との擦り合わせまで含めてサポートし、必要な工事範囲を明確にしたうえで計画を立てます。
3. 現地調査と見積もり
オフィスは、パーテーション・OAフロア・配線・照明など確認すべき点が多く、雑な調査では正確な見積もりが出せません。
ウラシコの現地調査では、
- 造作や設備の撤去範囲
- 床・壁・天井の復旧方法
- スケルトン返しの必須有無
などを丁寧に確認し、後から追加費用が出ないよう透明性ある見積もりをご提示します。
4. 移転・廃業に伴う行政手続き
事務所移転や廃業の場合は、行政への届け出が必要です。
- 法務局での登記変更
- 税務署への異動届や廃業届
- 社会保険事務所・労働基準監督署への届出
これらは期限があるため、早めの準備が必要です。
5. ライフライン・リース契約の整理
- 電気
- ガス
- 水道
- インターネット回線
- 電話番号(固定電話)
- プリンタ等のリース契約
など、事務所で利用していた契約はすべて解約または移設の手続きを行います。後回しにすると二重請求の原因になります。早めに手続は完了させましょう。
6. 什器・備品の撤去
デスク・椅子・棚・パーテーションなどの什器類は、移転するものと処分するものを明確に分けて整理します。大型家具の撤去は事前に予約が必要な自治体もあります。
ウラシコでは、不用品の処分・買取・搬出までまとめて対応可能です。ぜひお気軽にお声がけください。
7. 原状回復工事
事務所を退去する際は、契約で定められた状態まで室内を戻す必要があります。そのために原状回復工事を実施します。
床・壁・天井の復旧、造作物の撤去、配線・照明の処理など、原状回復工事の範囲は契約書や管理会社のガイドラインによって異なります。
8. 退去立ち会い
原状回復工事完了後、管理会社や貸主と退去立ち会いを行います。工事内容が基準を満たしているかを確認し、問題がなければ敷金の精算へ進みます。
ウラシコでは立ち会い前に細部まで最終チェックを行い、不備がない状態でお引き渡しができるよう責任をもってサポートしています。
9. 敷金精算
退去立ち会いが終わると、敷金の精算が行われます。原状回復費用や未払い分が差し引かれ、残額が返金される仕組みです。
精算内容に疑問がある場合は、内訳を確認し、不明点があれば早めに貸主・管理会社へ問い合わせると安心です。
これでオフィス退去は完了します。
オフィス退去の注意点

オフィスを退去する際には注意すべきポイントがあります。のちに後悔しないためにも確認しておいてください。
契約満了前の解約
物件を借りる際は、2年や3年など契約期間が決まっています。契約期間が満了する前に退去すると、違約金や残りの賃料を請求される可能性があります。契約書の特約などを確認し、契約満了前の解約について確認しておきましょう。
退去予告の取り消し
退去予告の取り消しは基本的にできないと民法で決められています。退去予告した後の撤回をする際は、貸主と交渉するしかないでしょう。退去予告の撤回をしないように、事前に移転や退去の予定を細かく決めて行動に移すようにしてください。
原状回復工事の費用
原状回復工事の費用は、業者をテナントのオーナーが指定する場合と借主が決める場合で、大きく差ができる可能性があります。
テナントのオーナーが指定する場合は、費用の交渉ができないため、借主が決めるよりも原状回復工事の費用が高くなる傾向にあります。
原状回復の費用を抑えるのであれば、業者の選定を借主ができるようにする交渉をテナントのオーナーにしてみてください。
まとめ

オフィスの退去は考えているよりも大変な作業の連続でしょう。抜けや漏れがあると費用が余分にかかってしまったり、貸主とトラブルになってしまう可能性があります。
オフィスの退去で不必要な出費や、トラブルを引き起こさないようにするためにも、上記のポイントを参考にしてくみてください。
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