2020/11/28
店舗の撤去で必要な「スケルトン渡し」とは? 原状回復工事との関係をわかりやすくシンプルに解説します。
オーナーや管理会社である貸主側に明け渡す際、借主側は契約内容に従って「借りていた物件を契約当時の状態に戻す」義務、すなわち原状回復義務が発生します。そこで必要となる工事が原状回復工事です。
そしてこの原状回復工事の中で頻発する用語が「スケルトン渡し」です。一見馴染みのない言葉ですが、意味はとてもシンプルです。今回はこのスケルトン渡しに関して、徹底解説して参ります。「原状回復工事」「スケルトン渡し」それぞれの言葉の意味の違いを明確にして、スムーズな退去を進めましょう。
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スケルトン解体の費用をお得にするポイントは動画でも解説しています!ぜひこちらも合わせてご参照ください。
目次
原状回復工事とは
スケルトン渡しの説明に入る前に、前提となる原状回復について理解を深めておきましょう。原状回復とは《今の状態》から《入居時の状態》に戻す工事全般を指す言葉です。代表的なものとしては「居抜き工事」と「スケルトン工事」が上げられます。
賃貸契約書の中には、どこまで戻すか、いつまで完了すべきか等の原状回復範囲が記載してあります。この範囲に「スケルトン」が記載されている場合、スケルトン工事が必要となります。つまり「スケルトン渡し」は「原状回復工事」の一環です。
スケルトン渡し(スケルトン仕上げ・スケルトン戻し・スケルトン返し)とは
スケルトン物件とは躯体構造をすべて撤去した状態で返却される物件のことで、この内装が施されていない状態を、人間の骨組みをイメージしてスケルトンと呼ばれています。
スケルトン渡し(スケルトン仕上げ・スケルトン戻し・スケルトン返し)とは、その名の通り、原状回復工事後に、壁紙やカーペット等の内装が施されていない状態に戻して明け渡すことを意味します。様々な呼び名がありますが、基本的に意味は変わりません。
本来、スケルトン物件は内装関係の部材は全て取り払い、天井は剥き出し、床は土間、間仕切りもない、何もない状態のことを指します。しかし、契約内容によっては天井や水回りはそのままでOKの場合もあります。
スケルトン工事に関する基礎知識、流れや相場は、こちらのページでまとめて解説しています。理解を深めるためにもぜひこちらも合わせてご参照ください
スケルトン工事の費用の相場
スケルトン工事相場は、工事の規模や建物状態、工期などによって、大きく変動します。目安相場を算出すること自体が難しくなっていますので、見積もりを取るなどして、相場を見極めましょう。もちろん概算の見積もりは株式会社ウラシコにお任せください!
スケルトン工事の費用は、坪単価で計算されるケースが多いです。よく言われている一般的な目安は、一坪平均3万円〜5万円前後が相場となっています。当然、坪単価や平米単価で計算されるため、当然広い建物(床面積)ほど費用が高くなります。
極めて大雑把な目安になりますが、費用の目安は以下の通りです。
店舗や倉庫オフィスなど商業施設 | スケルトン工事費用 |
床面積が50坪を超える店舗 | 100万円前後 |
床面積が20坪以内の小規模な店舗 | 20万~40万円程度 |
また、入居後に設備を追加したり撤去している場合は、さらに費用が加算されます。たとえばオフィス入居後に、給湯室や天井照明を増設した場合、それを撤去する必要があるため、その撤去費用が加算されます。
スケルトン渡しのメリット(新しい借主視点)
スケルトン渡しをすることで、居抜き物件にはないメリットを得ることが出来ます。特に新しい借り主がそのメリットを享受しやすいでしょう。
レイアウトが自由に変更可能
原状回復だけされている物件とは違い、次の借り手は一から設計を行うことができます。そのため好きなように店内レイアウトができるということが一番のメリットです。大手飲食チェーンなどでは各店共通の設計が多いため、以前の借り主が同じ業態でもスケルトンを希望する場合も多いです。
条件によっては居抜きより費用が抑えられる
居抜きとは以前の借り主が残した設備などが揃っている状態の物件のことです。居抜き物件は設備撤去の必要がないため費用を抑えられるイメージがあります。ただ一部の修繕工事よりもスケルトン解体する方が見積もりも出しやすく、費用を抑えられる場合もあります。
スケルトン渡しのデメリット(新しい借主視点)
居抜きと比べるとメリットだけでなくデメリットもありますのでご紹介いたします。こちらも主に新しい貸主に影響があります。
初期費用が多くかかる
一から内装設計や設備を揃えるには、例外を除くとやはり費用がかかってしまいます。単になる内装設計だけでなく、電気やガスなどのインフラ整備から行う必要があるためです。
設備計画が必要で工期が長くなる
居抜きであれば不要だったはずのインフラ整備などの工事が余計に必要なため、必然的に開業までの準備にはより多くの時間がかかってしまいます。開業までのより綿密な計画が必要になるでしょう。
スケルトン渡しのトラブルを防ぐ注意点
最後にスケルトン渡しの際によく起きるトラブルと対処法をご紹介して参ります。実は、原状回復工事は非常にトラブルが多い工事と言われています。
物件の退去に行われる工事のため、借主的には金銭的に困窮している場合が多く、大きなトラブルにも繋がりかねません。頻出トラブルと対処法を抑えて、業者に相談しながらスムーズに工事を進めましょう。
【スケルトン渡しの注意点①】賃貸契約書の内容を確認しよう
まずは賃貸契約書の内容をもう一度確認しましょう。原状回復義務(範囲)がどこまでで、どのように発生するのか把握する必要があります。また、工事事業者を誰が選ぶか(借主or貸主)も明確にしておきましょう。
工事業者の指定がない場合は、費用を削減するチャンスです。ここはぜひ借主サイドで業者を手配するようにしましょう。基本的にオーナー指定業者は高額であることがほとんどです。もちろん業者選びの際は私たち株式会社ウラシコをご一考ください!
【スケルトン渡しの注意点②】事業内容によって費用が変わる
スケルトン渡しやそれに伴うスケルトン解体費用は、店舗の広さや事業内容、契約内容によって大幅に異なります。間仕切りで沢山の個室を作っていたり、空調や厨房位置の変更をしている場合には、当然コストが掛かります。
逆に小規模なオフィスで、ビニルクロスやタイルカーペットの交換だけであれば、比較的少なくなります。一概に相場を出すことが難しい工事のため、ウエブ上の施工事例などで相場観を養っておきましょう。
【スケルトン渡しの注意点④】貸主としっかりコミュニケーションをとろう
スケルトン渡しの場合は、原状回復工事に比較的長い期間を要しますので、遅くとも3ヶ月前には準備を始めることをおすすめします。退去が近づいてからではなく、オーナーや管理会社と密に連絡を取り、なるべく早くお互いに話し合いの場を設けて置くことがトラブルを防ぐ方法になります。
お互い顔を合わせて契約内容や図面を確認することで、不明確な点も見えてきます。賃貸契約書には詳細が書いていない場合も多く、貸主側と借主側の解釈や認識の違いが大きなトラブルに発展します。
【スケルトン渡しの注意点⑤】スケジュールをシュミレーションしておこう
オフィスや店舗とマンション等の住居では原状回復のタイミングが違います。住居の場合は契約期間終了後に行いますが、オフィスや店舗の場合は契約終了までに原状回復を完了させることがほとんどです。
万が一ですが、契約期間内に工事が完了しない場合、完了するまでの賃料をテナント側が負担しなければならないケースもあり、また貸主側とのトラブル原因にもなりかねません。早めに準備しましょう。またこの他にも、原状回復に関するトラブルと対処法はこちらで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
まとめ
今回は「スケルトン渡し」と「原状回復」について解説しました。これらの違いをきちんと知ったうえで店舗の撤去作業に取りかかれば、無用なトラブルなども減らせるはずです。トラブルが多い原状回復工事だからこそ、依頼主側も責任をもって工事内容を把握しておきましょう。
また、スケルトン工事は、ポイントを抑えれば安く済ますことができます。スケルトン工事の節約術はこちらの記事詳しく解説しておりますので、合わせてご覧ください。
原状回復の基礎知識はYouTube動画でも解説しています!
原状回復工事の基礎知識に関しましてはウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。この動画では10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひご参照ください。
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