解体工事の積算方法とは？計算方法や見積もりのチェックポイントを解体業者がわかりやすく解説します

解体工事における「積算（せきさん）」とは何かご存じですか？実は「積算」が正しく行われていないと赤字工事になってしまったり、逆に利益を多くとりすぎてしまったりするので工事を発注する施主側にも工事請負業者にとっても重要な工程になります。

今回の記事では「積算」とは何かということや、その計算方法、見積もり時のチェックポイントなどを解説したいと思います。是非参考にしてください！

内装解体・原状回復工事など、退去費用の見積もり書の見方は動画でも解説しています！ぜひこちらも合わせてご参照ください。

積算（せきさん）って何？

「積算」とは1つの工事にかかる費用の総額を計算する作業を指します。「見積もり」との違いは、「積算」が工事にかかる費用を算出したものであるのに対し、「積算」に会社の利益額を上乗せしたものが「見積もり」となります。

解体工事においては、毎回必要な材料やかかる手間が異なり、さらに立地や周辺環境、建物の構造によっても違ってくるため積算をするのはかなり労力がかかる作業であると言えます。

歩掛（ぶがかり）って何？

例えば労務費の計算を楽にするための指標となるのが「歩掛」です。「歩掛」とは一つの作業にかかる手間を数値化したものとなります。歩掛に労務単価を掛けることで必要な労務費が求めやすくなります。それでは、歩掛はどのように計算したら良いのでしょうか？

歩掛を求める際には国土交通省より発行されている「公共建築工事標準単価積算基準」を目安に計算しましょう。

本来使用する材料やその施工方法も工事案件によって様々であるため歩掛を算出するのは大変労力がいりますが、標準的な歩掛を掲載している公共建築工事標準単価積算基準は大いに参考になります。

積算の方法について

工事にかかる費用を算出するためには工事費用の構成を把握する必要があります。

直接工事費と間接工事費

「直接工事費」と「間接工事費」を合わせて「純工事費」と言います。「直接工事費」とは工事施工にあたり直接的にかかる費用のことを言います。「直接工事費」は以下の3つに分類されます。

・材料費

・労務費

・直接経費

工事ごとに数値が異なるため計算は細かくなりますが「国土交通省工事積算基準」を参考にして算出します。なお、直接経費とは工事に直接関係のある経費のことで水道光熱費、機械経費、特許使用料の3つから成ります。

「間接工事費」とは工事施工において間接的にかかる費用を指し、分類は以下の3つがあります。

・共通仮設費

・現場管理費

・一般管理費

共通仮設費とは工事の進行に応じて現場で共通してかかる費用のことです。主にスムーズに工事を進めるための準備費用や、工事の後片付け、工事で出たごみの処分費用などを指します。

現場管理費とは現場を管理するために必要な費用です。具体的には工事に対してかかる保険料、現場監督の給料や交通費、事務所で使う事務用品費などが該当します。

一般管理費とは企業の経営状態を維持するためにかかる費用です。主に事務所の固定資産税、事務職員の給料、光熱費、通信費、広告料などが該当します。

上述したように「純工事費」は「直接工事費」と「間接工事費」から成っており、「純工事費」と「現場管理費」を合わせると、工事に直接かかる費用の総額である「工事原価」が求められます。

見積もりにおけるチェックポイント

ここからは見積もりの際に注意すべきポイントをいくつかご紹介します。

チェックポイントその①：しっかり積算しているか

積算は工事にかかる費用を計算するうえで欠かせないポイントです。積算内訳書などを提示してもらって、しっかり説明を聞き、きちんと積算しているかどうか確認しましょう。

チェックポイントその②：施主立ち合いで現地調査しているか

解体工事のように工事現場によってかかる費用が大きく異なってくる案件では、必ず施主立ち合いで現地調査を行うことが必要となります。使用を予定していた機材が搬入できるかどうか、近隣の家との距離はどうかなど現地に行ってみて初めて分かることもありますので、現地調査でしっかり認識をすり合わせておきましょう。

チェックポイントその③：追加料金発生の有無を確認

見積もりの料金で合意していたのに、追加工事が発生しあとから料金が追加されてしまうケースがあります。「思ったより費用がかさんでしまった」ということのないように、事前に追加料金発生の有無を業者に確認しておきましょう。業者の側ではお客様との信頼関係を壊さないように細かいところまでこだわってしっかりと積算を行いましょう。

まとめ

解体工事における積算の計算方法や、見積もりにおけるチェックポイントなどを解説いたしました。積算は工事ごとに条件が異なるためその計算は複雑ですが、工事において非常に重要な工程であることがお分かりいただけたかと思います。施主の側でも業者がしっかり積算しているかどうか目を光らせながら工事を無事に完了していきましょう！

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