2022/11/09
解体業者はなぜヤクザとの関わりが噂される?解体屋と暴力団(反社会的勢力)の関わりの歴史と変遷を解説します
解体工事をする際に、できるだけ信頼できる業者に工事を依頼したいと思うものではないでしょうか。解体工事をはじめとする土木系の企業は、ヤクザなど反社会勢力とのつながりがあると思われることも多いですが、実際のところはどうなのでしょうか。今回は、解体業者と反社会勢力とのつながりに関してお話ししていきます。
また、解体工事では、残念ながら”悪徳業者”も数多く存在します。「壊せば終わり」と考えている業者には要注意です!こちらのページでは解体工事でよく起こるトラブルや、悪徳業者の手口、対処法、優良業者の選び方を体形的にまとめています。ぜひこちらもご覧ください。
目次
解体業者と反社会的勢力との関係性
かつての解体工事業は、ヤクザや暴力団など反社会勢力の収入源として利用されることも多かったのは事実です。しかし、それは過去の話です。現在ではどのようになっているのか、業者目線で解説します。
現在の解体工事と反社会的勢力の関係性
現在の解体工事業者と反社会的勢力はどのような関係性なのでしょうか。結論から言うと、そのような関係がある企業は少なくなってきているものの、すべての解体業者が、関係性がゼロである安全な企業とは言い切れません。
現在では、一般企業と反社会勢力との関係性が問題視され、締め付けが厳しくなってきていますが、表面上では関係が無いように取り繕っているものの、裏では密接な関係があったということも少なくありません。
また、かつては、見ただけで暴力団の構成員とわかる風貌の人が多くいましたが、時代の流れに併せて見た目や雰囲気が変化してきていますので、一見しただけではわからないようになっています。
反社会勢力が解体工事業で利益を得る仕組み
ヤクザや暴力団は、解体業者を利用してどのように利益を得ているのでしょうか。方法としては、産業廃棄物を不法投棄する、高額な追加費用を請求する、作業員を低賃金で労働させるなど様々ですが、時代の流れに合わせてあの手この手で収益を得るための手段を講じています。
特に、産業廃棄物の処分費用は、解体工事費用の半分以上を占める場合もあります。そのため、不法投棄を行い、解体工事費用コストを大幅に下げる手口が横行しています。また、もともとヤクザや暴力団の構成員として活動していた人たちが逮捕され、刑期を終え出所した後で働く場所として、解体工事をはじめとした土木業界が使われることも多いです。
ただし、これに関して言えば、刑期を終えた人が就労していることが、その業者がヤクザや暴力団とかかわりがある、ということにはなりません。更生して真面目に働いている人を貶すようなことは絶対にしてはなりません。
近年は減少傾向
現在でも関係性が継続していることは否定できませんが、その関係は薄れてきていると考えることもできます。先にも述べたように、反社会勢力への締め付けが厳しくなっていることや、ヤクザや暴力団の利益の多くを占めていると考えられている不法投棄での利益を得にくくなっているという現状があります。
というのも、1993年から産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行が義務付けられ、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という罰則も規定されています。このことにより、容易に不法投棄できなくなっています。
しかしながら、関係性をゼロにするのは難しいのも事実です。現状、暴力団関係者が役員にいる場合には、解体工事自体はできても、産業廃棄物の運搬はできないということになっていますが、書面上の役員から、このような人を除外することで許可を得ようとするケースがあります。
また、営業許可がなくても、元請け会社として営業し、利益を出すことも可能ではあります。このような抜け道が存在することは確かであり、なかなか見えてこない部分であるため、きちんと調べる必要があります。
補足:ヤクザと暴力団の違い
反社会勢力を呼称する際に、「ヤクザ」や「暴力団」という言葉を使いますが、これらはどのような違いがあるかご存じでしょうか。「ヤクザ」とは、違法行為で得た資金で生活している人を指します。また、素行や生活態度が悪く、粗野な態度をとる人に対して使うこともあります。
一方「暴力団」とは、殺人や人身売買、暴力、恐喝などを生業としている反社会集団のことで、直接的な行動は起こさないが、暴力団の活動に協力するものやその関係者なども構成員として認識されることがあります。
「ヤクザ」と「暴力団」の違いは、「ヤクザ」は個人、「暴力団」は集団を指す言葉であるということになり、「暴力団」の構成員として「ヤクザ」はカウントされるということになります。
解体業者と反社会勢力の関係の調べ方
解体業者とヤクザ・暴力団の関係性がゼロとは言い切れないため、きちんと調べる必要があることは前述したとおりですが、どのように調べればいいのかを説明していきます。
行政処分が行われていないか確認
過去にヤクザや暴力団との関係性があった会社は、行政処分情報や事件記事などで検索することができます。行政処分の情報に関しては、警察や暴力追放運動推進センター(暴追センター)などにといわせることで照会することができます。
また、産業廃棄物処理の収集運搬許可(解体工事後の廃棄物を処分場まで運搬するための許可)の取り消しを受けたことがある場合には、環境省の行政処分データベースで確認することができますので、工事を依頼しようとしている会社が信頼できる会社かどうか調べることができます。
事件記事に関しては、インターネットや各新聞社などのデータベースを検索してみたり、図書館などに保管してあるものを参照してみる方法があります。
調査会社へ調査を依頼
解体工事業者が信頼できるかどうか確認したい場合には、調査会社に調査を依頼するという方法もあります。
調査に際してはおおよそ3万円~費用が発生しますが、信用度の高い調査結果を得ることができます。明らかに怪しいが、自分で調べてみてもよくわからなかったという場合などには、調査のプロに依頼してみるのもいいでしょう。
インターネットで検索
解体異業者とヤクザ・暴力団の関係を調べる方法として一番簡単な方法として、インターネット検索を挙げることができます。また、工事を依頼する会社ではなくても、その会社の子会社や関係会社が、何かしらの処分を受けている場合があります。このような場合も、その会社は怪しいと疑ってください。
トラブルになった時には?
前述のように、一見しただけではヤクザや暴力団構成員とわからないケースが増えているため、いくら気を付けていても、トラブルに巻き込まれる可能性はあります。万一、トラブルに巻き込まれた場合には、どうすればいいのかを紹介します。
警察に相談
見積もりや契約の際に、担当者からヤクザや暴力団との関係をほのめかされた、契約するよう脅されたなどの事情がある場合には、最寄りの警察署で相談するという方法があります。
その際には、相談者とその会社の関係性を示す書類の提示が求められますので、見積書や契約書、請求書などの書面を提出するなどして協力してください。また、しつこく連絡してきて電話口で強い口調で恐喝のようになる場合には、その音声を録音して、提供することも有用です。
暴力追放運動推進センターに相談
暴力追放運動推進センターとは、1992年に施行された「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)」で、国家公安委員会や各都道府県の公安委員会が指定できるとされているもので、暴力団被害者を支援・削減すべく活動している団体です。
その活動の一環として、暴力団員の不当な行為に関する相談を行っていますので、身の危険を感じている場合には、警察に一番に相談すべきですが、そうでない場合には一度暴追センターに相談してみてもいいかと思います。
暴追センターは、各都道府県に設置されていますので、所轄のセンターに問い合わせてみてください。
おわりに
解体業者とヤクザ・暴力団の関係は昔から続いているものですので、なかなか関係を切ることはできないものになっていますが、現在ではその関係性が薄れてきていることは確かです。
ヤクザや暴力団とつながりのない業者を選ぶ場合には、前述のとおり調べることも大事ですが、見積もりなどの書類に関しては書面での提示をしてもらったり、工事に関する許認可をきちんと保有しているか確認させてもらうことなども大事になってきます。
逆に、そのようなことをしてくれない場合には怪しい業者である可能性が高いため、依頼するのを控えるか、詳しく調べる必要が出てきます。くれぐれも、安易に依頼する業者を選定することのないようにしましょう。
私達にご依頼いただいた場合のお問い合わせから工事完了までの一連の流れについてはこちらのページで詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。
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