2021/12/04
【3分でわかる】原状回復とは?基礎知識と原状回復ガイドラインについて
「賃貸マンションを探している際によく目にする原状回復について詳しく知りたい」
「今の賃貸物件の退去を考えているんだけど、原状回復の範囲が分からなくて困っている」
このように、賃貸物件の原状回復はよく目にしたり聞いたりするけど、詳しい内容がわからなくて困っている方はいらっしゃるのではないでしょうか。賃貸物件の原状回復の基礎知識から原状回復をする範囲、原状回復に関わるガイドラインまでを詳しく解説していきます。
原状回復は、賃貸物件を借りてお店を運営する際に、必ず知っておかなかればならない知識の一つ。原状回復を知らないまま入退去してしまうと、余計な費用を取られてしまう可能性が。余計な費用を取られないようにするためにも、要点をしかっり抑えておきましょう。
目次
原状回復の基礎知識はYouTube動画でも解説しています!
原状回復工事の基礎知識に関しましてはウラシコのYouTubeチャネル【ウラシコチャンネル】でも解説しています。この動画では10分でわかりやすく要点をまとめておりますので、ぜひご参照ください。
賃貸マンションの原状回復とは?
原状回復を簡単にいうと、物件を借りる前と同じような状態に戻すことです。内装の装飾など手を加えた部分を全て取り払って、初期の状態に戻すことを指します。マンションを借りる借り主は、退去時に原状回復をおこなう義務が課せられます。しかし、原状回復の費用は、マンションを借りる借り主だけが負担するわけではありません。マンションのオーナーが、費用を負担する部分もあります。
原状回復の範囲とは?
原状回復は、物件を借りている者と物件を貸している者の2人でおこないます。この章では、物件を借りている者が退去する際に、どの範囲までを負担しなければならないのかについて、解説していきます。
原状回復の負担内
物件を借りている者が原状回復の際に、費用を負担しなければならない例は以下になります。
- カビや汚れ、タバコによるヤニ汚れ、調理の際に発生した煙によるシミ
- 食べ物をこぼした際の汚れやシミ
- 故意によって生じた傷・内装の破損
基本的に、内装に生じた汚れや傷、破損は物件を借りている者が負担すると考えておいてください。しかし、契約によっては「特約」があり、退去時の清掃料や内装のクリーニング料、水回りのクリーニング料などが記載されている場合があります。
物件契約の際は、必ず賃貸借契約書に目を通し、原状回復の「特約」や負担部分の記載をチェックしましょう。また、原状回復に必要な費用は、敷金や修繕積立金などで補われる場合が多いです。負担する費用が敷金や修繕積立金を上回る場合は、残金を別途で支払う必要があるので注意してください。
原状回復の負担外
物件を借りている者が退去時に、原状回復で費用を負担しなくていい例は以下になります。
- 時間の経過によって起こる経年変化(太陽の光による日焼けなど)
- 通常の使用によって生じる傷やスレ、汚れ
物件を借りているものは、誰が借りていても必ず起こる経年変化や通常の劣化に関して、原状回復の費用を負担する必要がありません。また、物件を借りている年数が長ければ長いほど、内装の耐用年数の基準が下がっていくため、原状回復の費用負担が安くなります。
経年劣化に関してはこちらの記事で詳しくまとめています。こちらも合わせてご参照ください。
原状回復に関わるガイドライン
賃貸物件の原状回復は、国土交通省が定めるガイドラインが基準となっています。物件を貸している者と物件を借りている者の間で、原状回復に関わるトラブルを未然に防ぐことが目的で作られています。以下が国土交通省が定めている原状回復のガイドラインです。
(参照:国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 再改訂版)
「原状回復」「現状回復」「原状復帰」の違い
原状回復の他に、似ている言葉で「現状回復」と「原状復帰」があります。それぞれの違いを知っておくことで、今後の賃貸契約や退去時の際のプラス要素となるでしょう。
「原状回復」と「現状回復」の違いとは?
原状回復は、退去時に元々の状態に戻すことを指すのに対し、「現状回復」は現状を回復させることを指します。現在に状態に回復させることになるため、元の状態に戻す賃貸借契約の言葉には適しません。基本的に物件の入退去の際に使用するのは、「現状回復」になると覚えておいてください。
「原状回復」と「原状復帰」の違いとは?
「原状復帰」は、建設業界で使用される専門用語の一つ。原状回復が元の状態に戻すのに対し「原状復帰」は、内装を元の状態に戻す行為や工事そのものを指します。
「原状回復するための原状復帰工事をおこなう」のように使用されることが多いです。
主に、店舗やオフィスなどの大がかりな解体から内装工事、クリーニング、修繕工事までの一貫した工事を原状復帰工事と呼びます。一般的な民間住宅の原状回復では、原状復帰工事はあまりおこなわれないと覚えておくといいでしょう。
原状回復の注意ポイント
原状回復の注意ポイントは以下3つです。
- 入居時に物件の状態を徹底的に確認する
- 契約時に賃貸借契約書の原状回復の項目を必ずチェックする
- 原状回復の特約の記載を必ず確認する
上記3つを必ず押さえて、原状回復で余計な費用を支払わないようにしましょう。
①入居時に物件の状態を徹底的に確認する
入居時または物件を決める際に、すみずみまで内装の状態を確認するようにしましょう。元の状態を記録して貸主と共有しておくことで、原状回復でのトラブルを防ぐことができます。時間が経つにつれて、元からあった汚れ・傷なのかどうなのかが、わからなくなってしまいます。責任の所在をはっきりさせるためにも、物件の状態の確認は必ずおこなってください。
②契約時に賃貸借契約書の原状回復の項目を必ずチェックする
賃貸借契約書に記載されている原状回復の項目が、国土交通省が定めているガイドラインに沿っているかを必ず確認してください。ガイドラインに沿って作られている場合は、通常損耗による原状回復の義務を借主は負わなくていいようになっています。
悪質な原状回復の項目で、通常損耗まで義務を負わされないためにも、国土交通省のガイドラインに沿って作成されているかの確認を必ずしましょう。
③原状回復の特約の記載を必ず確認する
借主に不利な特約が記載されている場合も少なくありません。原状回復の特約は、国土交通省のガイドラインで禁止されていないため、必ずチェックし納得いくまで説明を求めましょう。また、将来の負担額などを示している場合がありますが、その金額が妥当な金額なのかも確認する必要があります。
借主に不利な特約が無効となる場合もあるので、以下の国土交通省のガイドラインを参考にしてみてください。
(参照:国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」)
まとめ
この記事では、賃貸物件の原状回復の基礎知識から原状回復をする範囲、原状回復に関わるガイドラインまでを詳しく解説してきました。この記事の重要ポイントは以下です。
- 原状回復とは借りたときの状態に戻すこと
- 原状回復で借主が負担するのはカビや汚れ、故意によるキズや破損など
- 原状回復で貸主が負担するのは通常の使用によって生じる傷やスレ、汚れや経年劣化
- 原状回復においては国土交通省が定めているガイドラインを参考にする
- 賃貸借に関しては「現状回復」ではなく「原状回復」を使用する
- 「原状復帰」は建設業界が使用する専門用語で大がかりな内装工事に使用される
- 入居時に物件の状態をすみずみまで確認し貸主と共有しておく
- 原状回復の特約が記載されている際は必ず納得いくまで説明を求める
原状回復は、賃貸物件を使用する際に必ずおこなわなければならない義務です。原状回復で余計な費用を払わないようにするためにも、上記のポイントを押さえて契約するようにしましょう。
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