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預託金とは?敷金や保証金と何が違う?定義や賃貸借契約書の確認ポイントを解説します

みなさんは預託金という言葉を聞いたことがありますでしょうか。法律用語や不動産用語として利用されることがある言葉ですので、その時々で意味のニュアンスが少し異なります。

今回は、賃貸借契約で使用される場合の言葉の意味と賃貸借契約を締結する前に賃貸借契約書で確認しておくべきポイントを紹介していきます。

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退去立会いの詳細は以下ページでより詳しく解説しています。ぜひこちらも合わせてご参照ください。

預託金とは

預託金とは、賃貸借契約の場合、賃貸借契約の際に借主が貸主に一定の金額を無利息で預け入れる金銭の総称で敷金や保証金のことを指します。

保証金や敷金は、現代ではその区別が曖昧になってきており、賃料の不払いやテナントの債務を担保する金銭であるとされています。

一般的には賃貸借契約が終了し、契約書に定められた期間内に返還されることになりますが、賃料の不払いがあったり、原状回復費用が発生したりする場合にはその費用との相殺に使われることもありますので、全額返金されることはないという点に注意が必要です。

このような意味では、前払いの家賃、原状回復費用を前払いしていると考えることもできます。

敷金・保証金・預託金

前述したように、預託金は賃貸借契約の際に借主が貸主に無利息で預け入れる金銭の総称で、敷金や保証金なども預託金に含まれるということになります。

敷金とは、貸主に対する借主の家賃のほか、賃貸借契約の債務不履行の担保として預託する金銭のことであると改正民法(第622条の2第1項)で定義されており、債務不履行を担保とするデポジット(あらかじめ預けておくお金)としての性質がある点では、保証金や権利金と同じであるということができます。

敷金は東日本で、保証金は西日本で多く使用されていましたが、大手不動産仲介業者のウェブサイトなどでは敷金という用語が使用されていますので、敷金の方が馴染みのある人も多いでしょう。

ちなみに敷金と保証金の違いは、敷金が一般的に家賃の1〜2ヶ月分なのに対し、保証金は家賃の3〜6ヶ月分で設定されているという点です。保証金が高めに設定されているのは、保証金の中に礼金の性質も含まれているためであり、多くの場合敷金・礼金を合わせた額よりも保証金の方が高くなっています。

似て非なる言葉「礼金」

物件探しをしている際に「敷金・礼金」という言葉を目にしたことがある人も多いと思いますが、敷金と礼金は同じようで違います。

どちらも入居時に貸主に支払うという点では共通ですが、敷金は先に述べたように退去の際に原状回復費用との相殺が行われた後に、あまりがでれば借主に返還されるのに対し、礼金は返還されません。

これは礼金が貸主に対してのお礼として支払うものであるという性質を持っていることに起因します。このように、敷金・保証金は預託金となりますが、礼金は預託金には含まれないということになります。

預託金のその他の意味

預託金とは、賃貸借契約において利用される場合には、前述のとおりですが、他にも少し違った意味で使われることもあります。

例えば、不動産クラウドファンディング事業者を例にすると、事業者がファンドへ投資する前に投資家から事前に集める投資用の金銭のことであり、制度融資の場合には、地方公共団体が金融機関に預けておく融資資金や利子補給資金のことで、金融機関はこの預託金を使って、融資していくことになります。

賃貸借契約書の確認ポイント

賃貸借契約書は、賃貸借契約において最も効力を持つ書類で、一度署名・捺印を行うとそこに記載された事項に同意したものとみられ、著しく借主側に不利でなければ基本的には契約書に記載されている事項が有効となります。

自分に不利な内容で契約してしまわないように、賃貸借契約書において確認すべきポイントをいくつか紹介します。

契約する物件の情報、オーナーや管理会社の連絡先

賃貸借契約書の冒頭には、契約する物件の情報(住所、建物の構造、間取り、階数、築年数など)や貸主(オーナーや管理会社)の情報が記載されています。

契約物件の情報についてはマンションやアパートの部屋番号まできちんと確認しておく必要があります。

また、入居後のトラブルや解約の申し入れについては、オーナーや管理会社に直接連絡することになりますので、連絡先については、管理会社の担当者名まで記載されているかきちんと確認が必要です。

契約期間と諸費用、家賃の支払い方法

契約期間と敷金・礼金(保証金)、家賃や共益費などの諸費用、さらに家賃の支払い方法や期日などが記載されています。

また、契約期間満了後の更新について、敷金・礼金(保証金)の支払い方法(振り込みの場合には振込先口座情報など)、家賃支払期日や支払い遅延があった場合の延滞金など、お金に関することが明記されています。

この辺りに関しては、後からトラブルに発展する可能性が高い箇所になりますので、不明点がないか、事前に聞いていた内容と異なるところがないかなどしっかりと確認しておく必要があります。

原状回復義務と敷金(保証金)の清算

アパートやマンション、テナントなどの賃貸物件の場合には、解約時(退去時)に原状回復する義務があります。原状回復に関しては、実施する範囲やハウスクリーニングの費用負担について記載されています。

また、これらの費用の支払いタイミングと、敷金との相殺の有無、敷金の返還時期などについて記載されています。退去後のトラブルとして一番多いのが、原状回復費用についてのトラブルですので、きちんと内容を確認するようにしてください。

解約条項や禁止事項、違約金

賃貸借契約書には、解約条項のほか、禁止事項や違約金についても記載されています。入居後にトラブルが発生した場合、それが禁止事項に該当するものであれば、即退去や違約金の支払い義務が生じます。

解約条項に関しては、解約(退去)したいときにどれくらい前までに貸主側に連絡すべきかについてきちんと確認しておくのが良いでしょう。

また、禁止事項については例えば、ペット禁止の物件でペットを飼っていた場合に、即退去を求められたり、違約金の支払い義務が発生することがありますので、事前にきちんと確認しておきましょう。

預託金についてのまとめ

今回は、預託金について説明しました。賃貸借契約における預託金とは、敷金や保証金など入居前(契約時)に貸主に対して支払う金銭のことであり、前払いの家賃、前払いの原状回復費用という風に考えることができます。

敷金や保証金については、貸主側で決めるものであり、契約する前に借主側に通知され、入居前までに支払うこととなります。今回は、敷金・保証金・礼金の違いについても紹介しましたので、きちんと理解して契約の時に困らないようにしましょう。

また、これらお金に関することはすべて賃貸借契約書に記載されるべきものであり、契約後はそこに記載された内容がすべてになりますのできちんと確認しておくようにしてください。

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