2026/05/20
厨房解体の費用相場はいくら?店舗原状回復の坪単価と工事内容を解説します
飲食店の閉店・移転を検討するとき、避けて通れないのが厨房の解体です。「普通の内装解体と大差ないだろう」と思って見積もりを取り、その金額に驚くオーナー様は少なくありません。厨房には、客席フロアとは比較にならないほど複雑な構造と、専門的な解体工程が必要だからです。
見積書を受け取って初めて「こんなにかかるのか」と知るよりも、事前に費用の構造を理解しておくことで、業者との交渉もスムーズになり、無駄なコストを防ぐことにもつながります。
今回は内装解体から建設までワンストップで対応する私たち株式会社ウラシコが、厨房解体の費用相場・坪単価が上がる理由・費用を抑えるためのポイントを解説します。
目次
厨房(飲食店)解体の費用相場と坪単価
工事の種類によって単価は大きく変わる
飲食店の解体費用は、「どこまで原状回復するか」で目安が変わります。
| 工事の種類 | 坪単価の目安 | 主な対象 |
| 内装解体(部分解体) | 1.5万〜4万円 | 居抜き渡しなど一部撤去 |
| スケルトン解体(厨房含む) | 3万〜10万円 | 完全原状回復・スケルトン渡し |
内装解体はカウンターや間仕切り壁など一部を取り除く工事です。居抜き物件として次のテナントに引き渡す場合や、設備の一部だけ撤去したいケースで選ばれます。
スケルトン解体は天井・壁・床のすべてをコンクリートむき出しの状態に戻す工事です。厨房の配管・土間・ダクトをすべて撤去するため工程数がまったく異なり、単価も大きく跳ね上がります。契約書に「スケルトン返し」が条件として記載されている場合は、この範囲の工事が必要になります。
なお、坪単価はあくまで目安です。同じスケルトン解体でも、建物の構造・築年数・搬出経路の条件・廃材の量などによって最終的な金額は変わります。
業態別の費用感
同じ坪数でも、業態によって解体の難易度は変わります。
| 業態 | 費用感 | 理由 |
| カフェ・バー(軽飲食) | 低め | 厨房設備が少なく、ダクトも細め |
| 居酒屋・和食 | 中間 | 小上がり・個室仕切りなど木材廃棄物が多い |
| 中華・焼肉(重飲食) | 高め | 床コンクリートが厚く、ダクト・グリストラップの処理が複雑 |
特に重飲食の物件は、油汚れの程度や床の厚みによって費用が大幅に変わります。
厨房解体が高くなる5つの理由
床(土間)の「斫り(はつり)」と重層構造
厨房の床はコンクリート・防水層・断熱材・仕上げ材が何層にも重なった構造です。水漏れを防ぐためにこうした積層構造になっており、特にこれを壊す「斫り」作業は重労働で費用がかさみます。
また、土間下に溜まった汚水の処理も必要です。長年の排水がヘドロ化した汚水を放置したまま解体を進めると、悪臭が広がり工事がストップするトラブルに発展することがあります。適切な排出・清掃は工期を守るうえでも欠かせない工程です。
グリストラップの清掃と産廃処分
油分を分離する「グリストラップ」には腐敗した油脂が蓄積しています。産業廃棄物に分類されるため、専門業者による吸引・洗浄・処分が必要です。処分費の目安は単体撤去で50,000〜15,000円程度ですが、油脂の状態や量によって変動します。
グリストラップは定期清掃が義務付けられていますが、閉店間際に清掃が滞っていたケースでは汚泥の量が多く、処分費が想定を超えることもあります。
排気ダクトとフードの撤去
天井のステンレスフードやビル上階まで伸びる排気ダクトの撤去は高所作業を伴います。内部の油が漏れ出さないよう養生しながら少しずつ切り刻んで搬出するため、時間と手間がかかります。ダクトが長いほど・油汚れが多いほど、費用は上がる傾向があります。
ビルの共用ダクトに接続している場合は、切り離し方法についてビル管理会社との事前確認も必要です。勝手に切断できないケースもあるため、早めに管理規約を確認しておきましょう。
ライフラインの「縁切り」
ガス・電気・水道は蛇口を閉めるだけでは不十分です。スケルトン渡しの場合、専有部の配管を適切に切断してメクラキャップで止栓する「縁切り」が必要で、ガス工事には有資格者による施工が法律で義務付けられています。電気設備の撤去も、配線の状態によっては電気工事士の対応が必要になります。こうした有資格者作業は別途費用が発生するため、見積書に明記されているか確認してください。
アスベストの事前調査と除去
2022年4月の法改正により、一定規模以上の解体工事ではアスベストの事前調査と報告が義務化されました。2006年以前に建てられた物件では、厨房の天井裏・断熱材・吹き付け材にアスベストが使われているケースがあります。
私たちウラシコはアスベスト調査で豊富な実績があり、お客様からご好評をいただいています。アスベストの含有が確認されれば通常の解体はできず、専門の隔離作業が必要となります。費用は規模によって数十万〜数百万円単位になることもあり、工期にも大きく影響します。
工事費以外に発生する費用
解体工事費とは別に、見落としやすい費用があります。
内装監理費は、大型ビルや商業施設に入居している場合にビルの管理会社が工事を監督するための費用です。解体業者に支払うものではなく、ビルオーナー側への手数料として坪単価とは別に数十万円かかることがあります。
諸経費には、共用部(エレベーター・廊下)を保護する養生費、廃材搬出用トラックのための道路占用許可申請費、近隣への挨拶費用などが含まれます。省略できる費用ではなく、工事をスムーズに進めるための必要経費です。
解体費用を抑えるための3つのポイント
厨房機器は売却して現金化する
解体業者に処分を任せると産廃費用がかかりますが、製氷機・コールドテーブル・業務用オーブン・食洗機などは中古市場での需要が高く、買取業者に査定を依頼すれば現金化できます。売却益が入るだけでなく、廃材の量が減るため解体費用も下がります。着工が決まったら早めに動くほど効果があります。解体が決まった段階で、厨房機器の買取業者に連絡しましょう。
残置物は自分で処分しておく
食器・調理器具・椅子・テーブルなどを事業ゴミや粗大ゴミとして事前に処分しておくと、解体業者へ支払う費用が減ります。「どうせ壊すから」と放置すると、それがそのまま費用に上乗せされます。細かな作業に思えますが、着工前の整理が費用に直結する工程です。
解体から建設まで対応できる業者を選ぶ
建設工事も手掛ける業者は「次の状態をどう仕上げるか」を把握したうえで解体の計画を立てます。大家さんとの交渉でも「この配管は残した方が次のテナントにとって使いやすい」といった提案ができるため、解体範囲を最小限に抑えられることがあります。結果として原状回復費用の削減につながるケースも少なくありません。解体だけを専門とする業者と比較したうえで、トータルコストで判断することが重要です。
まとめ
厨房の解体は、壊して更地にするだけの作業ではありません。法令遵守(アスベスト調査)・汚水処理・産廃の適切な管理・大家さんとの関係維持など、これらすべてが揃って初めて、後腐れのない店舗返却が完了します。
費用の相場を知り、業態や物件の条件を踏まえたうえで、信頼できる業者に依頼することが、余計なトラブルを防ぐ最善策です。
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