2020/12/28
賃貸物件の原状回復はトラブルが多い!?引っ越しシーズンによく起こるトラブル事例と対処法を解説します。
2023年2月、引っ越しシーズンに伴い、原状回復に関するトラブルのご相談を多くいただいています。これらのご相談は年々増えており、原状回復トラブルについて、国民生活センターが注意を呼び掛けるほどになっています。
参考:引っ越しシーズンに増加「原状回復」トラブルに注意 (2023年2月5日)
https://www.youtube.com/watch?v=iJ4cj2TahIw
正直に申し上げると、原状回復工事はトラブルが多い工事です。トラブルになる前によくあるトラブル事例と対処法をご紹介いたします。
目次
- 原状回復のトラブル事例
- 事例1:退去の引渡し日当日に貸主と立ち会いをしたところ、やり直しを求められた。
- 事例2:貸主と貸主の間で原状回復範囲の認識に相違があり、直前になり工事の範囲が広がった。
- 事例3:借主が工事業者に見積を取って費用や工期の予測して動いていたが、貸主に指定工事業者でないと工事を任せられないと言われた。
- 事例4:貸主の指定した工事業者に見積もりを依頼したら、高額な見積もりになり工事費用が捻出できなくなった。
- 事例5:貸主と借主の交渉が続き、判断ができなく着工が遅れた。
- 事例6:返還されるだろうと思っていた敷金・保証金が原状回復工事費用と同額になっていた。
- 事例7:マンションの1室を事務所として借りていたが、解約時に事務所契約なので原状回復が必要だと貸主に言われた
- 事例8:貸主に工事はいつから始まるの?と確認されて初めて気が付き、原状回復が間に合わない
- 事例9:原状回復工事が数日延びてしまうことが判明し、追加で家賃が請求された
- 事例10:国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を勘違いしていた
- 優良な業者に依頼することが何よりも大切
原状回復のトラブル事例
では、実際にどんなことに注意してお互いに確認をすればよいのでしょうか。事例を見ながら、気になるポイントをチェックしてみましょう。
事例1:退去の引渡し日当日に貸主と立ち会いをしたところ、やり直しを求められた。
ポイント:契約内容を確認し、貸主とすり合わせをしましょう
貸主と借主の「原状回復範囲」の認識の違いになります。しかし工事が完了してからでは追加費用と工期がかかってしまいます。契約書の内容について貸主と借主の解釈が異なるケースは珍しくありません。契約書を事前に確認し、専門家と一緒に交渉する必要があります。
事例2:貸主と貸主の間で原状回復範囲の認識に相違があり、直前になり工事の範囲が広がった。
ポイント:契約内容を確認し、貸主とすり合わせをしましょう
上記同様に、工事開始前に契約書の内容と見積書をしっかり確認しましょう。見積もりを見ただけでは判断が難しいかもしれませんが、貸主が求めている範囲は見えてきます。
事例3:借主が工事業者に見積を取って費用や工期の予測して動いていたが、貸主に指定工事業者でないと工事を任せられないと言われた。
ポイント:契約書に指定業者の有無の記載があるか確認しましょう。
原状回復の工事業者は貸主が指定する場合が多く、借主が工事業者や安価な工事業者に依頼できない場合があります。
貸主と工事業者の間に直接的工事実績がなく、信頼関係が築けていないことが理由です。仮に借主が見つけた安価な工事業者に原状回復工事を任せた場合、安い金額で手抜き工事をする業者も出てくる可能性があります。
まずは契約書を見返してみて「原状回復工事の指定業者の有無」を確認してみましょう。
事例4:貸主の指定した工事業者に見積もりを依頼したら、高額な見積もりになり工事費用が捻出できなくなった。
ポイント:株式会社ウラシコに見積もりをとることを貸主に提案しましょう。
貸主も借主も専門家ではないので相場が正しいのか判断が難しい場合が多いです。指定業者の見積もりを確認して高額な見積もりだった場合は、別の会社に見積もりを取って他社と比較してすることで交渉が可能な内容が見つかるかもしれません。もちろん、私たち株式会社ウラシコにもお気軽にお問い合わせください。
事例5:貸主と借主の交渉が続き、判断ができなく着工が遅れた。
ポイント:専門家に相談し、間に入ってもらいましょう
貸主も借主も専門家ではないので相場が正しいのか判断が難しい場合が多いです。自分たちで解決しようとしても減額できる理由が不十分なため平行線になってしまいます。
専門家(原状回復専門業者、消費者センター、弁護士等)に話を聞くことでお互いの理解が深まり納得できる解決策が見つけられるでしょう。
事例6:返還されるだろうと思っていた敷金・保証金が原状回復工事費用と同額になっていた。
ポイント:貸主に見積内容を開示してもらい、専門家に相談しましょう
返還されるだろうと思っていた敷金・保証金が返ってこないようで困っている方がいらっしゃいます。入居時に納めた敷金・保証金とほぼ同額の原状回復工事の見積もりが出されるケースは少なくありません。
相場よりも高いのかは専門家に確認してもらい、適正な見積もりを取ることが大切です。
事例7:マンションの1室を事務所として借りていたが、解約時に事務所契約なので原状回復が必要だと貸主に言われた
ポイント:契約書の中の特約の有無を確認しましょう。
最初に記載したとおり、個人賃貸と事業用賃貸の認識は大きな違いがあります。契約書に記載してある内容に従うのが原則ですが、個人賃貸の契約書に特約がある場合があります。
契約書を見直して特約がない場合は退去予定がなくても早めに貸主と相談しておきましょう。
事例8:貸主に工事はいつから始まるの?と確認されて初めて気が付き、原状回復が間に合わない
ポイント:遅くても退去の2ヶ月前には準備を始めましょう
最初に記載したとおり、個人賃貸と事業用賃貸の認識は大きな違いがあります。慌てて工事業者に依頼した場合、夜間工事等が必要になり高額になる可能性があります。退去時までには原状回復工事が終わるように計画的に準備を進めましょう。
事例9:原状回復工事が数日延びてしまうことが判明し、追加で家賃が請求された
ポイント:業者に任せきりにせず、進捗を入念に確認しておきましょう
期限通りに退去ができない場合は、追加で家賃が発生しても仕方ない場合がおおいです。工事業者に任せっぱなしではなく、こまめに進捗確認をすることが必要です。もし工期が延びる場合は早めに貸主に相談し、日割り計算で支払いができるように交渉しましょう。
事例10:国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を勘違いしていた
ポイント:国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を理解しましょう
トラブルの対処法として代表的な国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」ですが、ガイドラインはあくまでも個人賃貸(住宅用)に適用されます。
事業用賃貸には基本的に適用されません。事業用賃貸の場合は、契約書に記載してある特約が効力を持つことを理解しておきましょう。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。こちらも合わせてご参照下さい。
優良な業者に依頼することが何よりも大切
事業用賃貸の場合は、すべて借主負担で原状回復を行うケースがほとんどです。費用や工期の見込み違いが発生しないようにするためには、気になることは貸主にたくさん質問して解決しておきましょう。
トラブルに巻き込まれないためには、何よりも優良な業者に依頼することが何よりも大切です。解体業者に見分け方に関しましては、こちらの記事一覧ページにてまとめております。こちらも合わせてご参照ください。
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